やくざ組織を取り巻く人々それぞれの姿をコミカルに描いた群像劇で、一応はアクション・コメディー。
組織内のクーデターからボスのカン・ドシク(アン・ソックァン)を救い、ジェチョル(パク・サンミョン)に続き、トガン派のNO.3になったソ・テジュ(ハン・ソッキュ)は、組織のNO.1になろうと決意する。
テジュの妻パク・ヒョンジ(イ・ミヨン)は詩人になると決意し、ランボー(パク・クァンジョン)に師事するが、おかしな関係になってしまったところをテジュの部下に見つかり、ランボーはドシクの妻ジナ(パン・ウニ)が身柄を預かることになる。
ドシクの暗殺に失敗したチョピル(ソン・ガンホ)はテジュの孤児院時代の同期で、山にこもって再起を狙う。
検事マ・ドンパル(チェ・ミンシク)はテジュにお近づきの挨拶をすると、テジュの部下をボコボコにする。
以上の8名が自分の思いを叶えるために行動して何故か平和に終わる。
笑いのツボが昭和で、流れる空気感ものんびりしている不思議なやくざ映画って感じかな。
年の順で言うとチェ・ミンシク、ハン・ソッキュ、ソン・ガンホとなり、この3人が、後の韓国映画史を変えたと言われてる「シュリ」で再び顔を合わすことになると思えば、当時としても豪華な配役やったんやろうな。
しかも皆さん30代と若い。
チェ・ミンシクとは同じ年なのも影響してるのか、この人は何故か親近感を感じて、出てる作品は欠かさず見ている。
ソン・ガンホはこの作品で大鐘賞新人男優賞、青龍映画賞助演男優賞などを受賞し、一躍脚光を浴びスターダムを駆け上がるきっかけになった。
[メモ]
ドンパル(チェ・ミンシク)が「お前たちはコンダルではない、カンペだ」というセリフがあり、乾達=건달(コンダル 字幕はならず)とは天に精通しているもので、空をさまよう神の名の当て字で、カンペのヤクザとは違うという。がホントかな?
で調べてみると「コンダル(건달)」とは、定職を持たない遊び人、ぐうたら者、チンピラなどを意味するので、脚本上のセリフだろうね。
一方、「カンペ(깡패)」の語源は「ギャング(gang)」に由来するという説の方が有力で、「gang(갱)」がなまって「깡」となり、それに「徒党」を意味する「패(牌)」が付いて「깡패」となっていくというらしいが、悪い意味ばかりではない。
「プニギ カンペ = 雰囲気がすごくいい」や「オッケ カンペ = 体格の良い男性」「フィジカル カンペ」など、「カンペ」の方が色々と面白い使われ方をしてるので、これから気にして聞いてみようかな。