ワンステップ 君と僕のメロディ | 三匹の忠臣蔵

三匹の忠臣蔵

日々是好日。
お弁当ブログだった「お弁当にはたまご焼き」からリニューアル。
映画レビューを中心に、日々思いついたこと、感じたこと、趣味のことを書いてます。

事故ですべての記憶を失った女と、スランプによって人生の全てであった作曲ができなくなった男が出会って、音楽を通じて成長していく過程を描いた映画。

シヒョン(パク・サンダラ)はひき逃げ事件で記憶をなくし、なぜか覚えてる曲を思い出したら自分の人生が取り戻せるかもと、ラジオ番組に電話する。
しかしジイル(ハン・ジェソク)に存在しない曲と言われ、このフレーズを元に曲を作ろうと言われる。
ジイルにしてみたらスランプから抜け出し、再起を図りたいということ。しかし、これってネタのパクリやろ。
シヒョンは色聴(ないはずの色が見える)で音を聞くことができない、音を色で感じるから。
ジイルは自分の再起がかかってるからか、いきなり「巨人の星」のようになるんだが、逆に色を音にしようとする。
この発想は面白い、そう言えば円周率を音階にした映画があったな。

ジイルは単音のメロディーを聞かせるトレーニングをはじめる。
リズムに沿った音の組み合わせが和音になり、その上にメロディーが乗る。音が重なり合って音楽になる、これぞ音楽そのもの。
問題なく聞くことができたシヒョンに曲にしたフレーズを聞かせると、彼女はメロディーを口ずさむ。これがアンサンブル。

プロデューサーとしてシヒョンを育てたいというジイルと、自分を利用しようとしてることに気づくシヒョン。シヒョンはアマのままでいたい。
最後はプロにこだわってたジイルも理解してのハッピーエンド?はちょっと消化不良かな。

流れる歌詞が素朴で優しい。
こんなの聞いてると音楽はプロのものではないよな、とやっぱり思う。
アマといえば芥川也寸志、新響での「“Webster大辞典によると、“Amateur”の第一義には“Love”とある。まさに愛してやまぬ、これこそアマチュアの心であろう。アマチュアを「素晴らしきもの」の代名詞にしたい位に思っている。ただひたすらに愛することの出来る人たち、それが素晴しくないはずがない。」を思い出した。