戦と乱 | 三匹の忠臣蔵

三匹の忠臣蔵

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お弁当ブログだった「お弁当にはたまご焼き」からリニューアル。
映画レビューを中心に、日々思いついたこと、感じたこと、趣味のことを書いてます。

兄弟のように育った奴婢チョンヨン(カン・ドンウォン)と両班のお坊ちゃまイ・ジョンニョ(パク・ジョンミン)が、戦乱の中で敵同士として巡り合う運命を、身分格差を背景に描いた時代劇。

 

豊臣秀吉の侵攻「壬辰倭乱」を背景にした宣祖の時代、鄭汝立(チョン・ヨリプ)の反乱から話がはじまる。
鄭汝立は倭寇に対抗しようと故郷で武装組織「大同契」を結成するも、謀反の濡れ衣を着せられ、自殺した。

 

鼻塚や朝鮮に寝返った沙也加の話が出てくるけど、描き方はそれほどでもない。沙也加らは後も朝鮮のために戦ったしね。
腕がビュンビュン飛ぶのでキム・サンマン監督独自のカメラワークかと思ったらラストにつなげたかったのかな。

 

演技はカン・ドンウォンとしばらく見れないパク・ジョンミン、そして時代劇向きな顔をしているキム・シンロク。
他に腐れ宣祖を演じるチャ・スンウォン、チン・ソンギュ、オ・ユノンと演技派がズラリ。

奴婢と言うと人をモノとして売り買いしていた自国の黒歴史なんだが、それを世界に堂々と公開するってやっぱり凄い。
日本で言うと部落問題になるわけで、未だに残ってるけど映画にして世界公開したらネトウヨから攻撃の的になるやろうね。

 

大阪生まれなので部落の子は身近にいて一緒に遊んだけど、やっぱり差別は酷かったし、他にも沖縄の人や中国・朝鮮人差別も酷かった。
何があれかって、鶴橋を舞台にした映画があったけど、出てくるのが隣近所を含めすべて日本人ってのが「は?」で。透明人間にされていて、存在しないことになってた。

ちなみに鶴橋に朝鮮人が多いのは戦前・戦後の話ではなく、聖徳太子の時代から。
大阪のそこら中に痕跡が残ってて、日本で一番古い企業の「金剛組」も聖徳太子が連れてきたメンバーが作った会社で宮大工の始まりも同じ。
大阪を干拓工事で今の形にしたのは百済から来た技術者や帰化人で、彼らがいなかったら聖徳太子もどうなっていたことか。
ちなみに琵琶湖周辺は新羅の渡来人が多くの技術を伝え奈良で百済と合体。
このあたりは浜村淳が毎朝ラジオで話してたな。