謎めいた病院を舞台に、ある実業家と失踪者を探す専門家が「人間の貪欲さによって生まれた怪物」に立ち向かう韓国版バイオハザード。
「THE WITCH 魔女」の時代劇版で、時代考察もしっかりしてる感じ。
タイトルの「京城(キョンソン)」から分かる様に、あの時代の物語なんだが、相変わらずこの手の話になると、デマとか事実ではない、作り話という人がいるけど、さすがにこれは否定できない。
冒頭の重要書類の焼却は、日本政府の閣議決定に基づき出された「公文書焼却命令」で、外地の出先公館にも「機密文書焼却の訓令」が発っせられたことで公文書の破棄が始まった。言ってみれば国家総動員で証拠隠滅をやったって事。
内務省出身の後藤田正晴さんは「各省庁では三日三晩炎が消えることはなかった、それでも追いつかないので多摩川に捨てた」と言ってた。
「丸太(マルタ)」というセリフが出てきますが、これは日本の731部隊で人体実験の被験者を指す、隠語として用いられていて、生体実験の被験者を想起させる言葉。満州で行われたことにもしっかり触れられている。
生体解剖は日本国内でも行われ「九州大学 生体解剖事件」(九州帝国大学で軍医による米軍捕虜の生体解剖実験が行われた事件)はその象徴。
ナチスは観るのに、自分たちのことになると反日と言って過剰反応はやめた方がいい。その流れでいくと「原爆=反米」になるし。
こういった作品は日本が作ったらいいと思います、少なくとも80年代までは作ってた。やっぱ戦時を経験した人らが健在やったのは大きい。