レバノン内戦時にCIA、PLO、イスラエルが絡んだスパイと交渉を描いたサスペンス・スリラー。
「イスラエル・PLO・CIA」を扱う政治色の強い作品で、ハリウッドにとっては扱いが難しい。
そのせいで劇場でなく配信に回され、Netflixオリジナルとして配信されることになったらしい。
元外交官のメイソン・スカイルズ(ジョン・ハム)は、1972年のアブ・ラジャール兄妹の自宅襲撃事件で妻を亡くしてから10年後、友人だったカル・ライリー(マーク・ペルグリノ)の人質事件の交渉役を突きつけられる。
犯人グループのリーダーは10年前に養子として引き取ったカリーム・アブ・ラジャル(イディル・チェンダー)で、この時にカリームの兄ラフィードがテロ犯ということで、カルと口論になり妻が銃撃され命を失った。
カリームの要求は、妻の命を奪ったラフィードを引き渡せというものだった。
事情のすべてを知らないまま、メイソンはカル奪還のための危険な交渉に挑むことになる。
PLOってどれくらいぶりに聞いたやろうか。
懐かしい名前や。
CIAチームにもメイソンに隠している秘密があり、PLOにはPLOの思惑があり、そしてイスラエルの扱いに誰もが頭を悩ませている。
メイソン自身は、交渉役として必要とされ、友人を救うために呼ばれたと思っている。
しかし犯人側が「メイソンとしか交渉しない」と条件を突きつけたことで、彼はCIAにとって単なる交渉の駒にすぎない存在だった。
そしてこの交渉では、人質のカル・ライリーも、交換材料にされるラフィード・アブ・ラジャールも、本当はどうでもいい存在。
結局、人の命など誰も本気で考えてなかった。
50年前の出来事の積み重ねが、今のイスラエルの“無双”につながっていると思うと、この国を人殺しの化け物国家にしたのは誰や?と、つい考えてしまう。
この映画のメインは、銃撃ではなく「交渉」になっていて、中東を舞台にした映画にはおなじみの設定。
話の展開もスリリングでメリハリがあり、今でも十分楽しめる作品かな。
