『維新志士に想う』 | MAGICのブログ

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このお盆休みに、山口県の湯田温泉に行ってきた。

山口県は西の京とも呼ばれ、古くは伊藤博文、そして近代では岸信介、佐藤栄作、安倍晋三と多くの首相を輩出している。

 

そしてまた、長州藩があり、吉田松陰、高杉晋作、木戸孝允、伊藤博文、井上馨といった明治維新の錚々たる立役者もこの県の出身である。

 

今回、宿泊したのは、今の皇太子殿下も宿泊されたという、老舗の松田家ホテル。

宿泊して驚いたのは、このホテル江戸の後期から160年以上の歴史があり、高杉晋作の刀傷や伊藤博文の書などが、残っている。

そして薩摩藩の西郷隆盛、大久保利通が、ここに宿泊し、坂本龍馬、長州藩の木戸孝允、高杉晋作、伊藤博文と討幕の会談をおこなった、部屋やテーブルがあるという旅館だった。

 

そして維新の湯という、温泉の浴槽は160年前のもので、実際に西郷隆盛、大久保利通、坂本龍馬らが、入浴した御影石の浴槽がそのまま使われている。

温泉の効能もさることながら、160年前に維新志士たちは、何を想いながらこの温泉の浴槽につかっていたか、と考えると感慨深いものがあった。

 

ここで維新志士たちが、討幕、皇政復古の密議を行い、この温泉で疲れを癒し、明治維新というとてつもない歴史を創ったのだ。

 

またここ、湯田温泉は、自由律の俳人、種田山頭火や若くして夭折した天才詩人、中原中也の故郷でもある。

 

この湯田温泉には、天才詩人、中原中也記念館という資料館があり、廻ってきた。

中原中也は、30歳という若さで亡くなっており、生涯で『山羊の歌』『在りし日の歌』という2冊の詩集しか、出していない。

 

しかし、ジェームス・ディーンやブルース・リーもそうだが、若くして夭折した天才詩人は、今でも人気があり、愛されている。

 

僕も、高校時代から、中原中也の詩集は好きだったが、この資料館で小林秀雄や大岡昇平との交友や、中也の生い立ちに触れて、とても良い感動を覚えた。

 

当時、中原中也は女優の長谷川泰子と同棲していたが、泰子は小林秀雄のもとに去ってしまう。

その失恋の悲しみ、喪失感を歌ったのが、処女詩集の『山羊の歌』に収められた、この一遍だった。

 

僕も一番好きな詩であるが、

 

『汚れつちまった悲しみに : 中原中也』

 

汚れつちまった悲しみに、今日も小雪の降りかかる

汚れつちまった悲しみに、今日も風さへ吹きすぎる

 

汚れつちまった悲しみはたとへば狐の革衣

汚れつちまった悲しみは、小雪のかかってちぢこまる

 

汚れつちまった悲しみは、なにのぞむなくねがふなく

汚れつちまった悲しみは倦怠ののうちに死を夢む

 

汚れつちまった悲しみに、いたいたしくも怖気づき

汚れつちまった悲しみに、なすところもなく日は暮れる・・

 

 

歴史の好きな方、古い温泉が好きな方は、是非、一度訪れてみてはいかがでしょうか。