『THE WOLF OF WALL STREET』(ウォール街の狼)を観た。
1980年~1990年代にウォール街の狼と呼ばれ、一時は年収49億円を稼ぎ出し、その後証券詐欺で服役した実在の、伝説の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの回想録が原作。
監督と主演は『ディパーテッド』『シャッター アイランド』などでコンビを組んできた、マーティン・スコセッシ監督と主演がレオナルド・ディカプリオのコンビ。
実は、この主演にはブラッド・ピットも名乗りを上げていたが、入札合戦の末、ディカプリオが主演の座を射止めた作品。
ブラッド・ピットだったら、またひと味違うヒール役になっていたかも知れないが・・。
物語は、学歴もコネも人脈もない24歳のジョーダン・ベルフォートが、多国籍企業に特化した投資銀行LF ロスチャイルド証券で、研修中の株式仲買人として働き出す1987年から始まる。
1987年といえば、ご存知のように「ブラック・マンデー」でニューヨーク株式市場の大暴落が引き金となり、市場最大規模の世界同時株安を引き起こした。
この年に株式仲買人の資格を取得したのも、ジョーダン・ベルフォートのその後の転落人生を暗示しているようで興味深い。
そして勤めるLF ロスチャイルド証券の破綻をきっかけに、いかがわしいペニー株の仲介会社に転職したジョーダン・ベルフォートは持ち前の天才的な勘と話術でめきめき頭角を現す。
そして貯金0の状態から、最終的に“店頭取引の”証券会社ストラットン・オークモントを立ち上げ、最盛期には1,000人の株ブローカーを雇う。
一時は年収が49億円というから、凄まじい。
ただし、その後のジョーダン・ベルフォートは、ドラッグとSEXに溺れ、その金の無駄遣いは半端じゃない。
ニューヨークの大豪邸に全長167フィート(50メートル)の豪華クルーザー、車はランボルギーニ、フェラーリetc・・。
さらに260万円のディナーや娼婦を呼んでの乱痴気パーティーに2億円かける様は、常軌を逸している。
しかし、ここから証券会社ストラットン・オークモントは、株価操作、マネーロンダリングという非合法取引を続け、FBI、証券取引監視委員会や3つの機関から目をつけられ、やがて破綻。
司法取引で仲間を売って、それでも実刑で3年間、刑務所に入ることになり、奥さんは子供を連れて離婚。
文字通りの栄枯盛衰、天国と地獄を味わった男の転落人生。
マーティン・スコセッシ監督は、この悲劇の人生をコミカルに描き、ディカプリオのドラッグにまみれたSEXと狂気の人生を演じる演技は凄まじい。
本作品がアカデミー賞の5部門にノミネートされ、また第71回ゴールデングローブ賞で、ディカプリオが最優秀主演男優賞を受賞したのも頷ける。
この破天荒な男の転落人生は、男性には理解できる部分もあり、ユーモアに富んだコミカルな写実は思わずニヤリとさせられるシーンも少なくない。
が、しかし言葉を変えると、証券詐欺事件の犯罪者を描いた作品だし、ドラッグとSEXとアルコールに溺れ、道を踏み外した男の破滅的な生き様は、女性には理解され難い作品なのかも知れない。
