GW最初に、『藁の盾』を観た。
本当は、『アイアンマン3』を観に行くはずが、時間が合わなくて、もう1本観たかった『藁の盾』を観た。
何故、観たかったかと言うと、原作が「ビー・バップ・ハイスクール」の木内一裕氏の小説デビュー作。
あの漫画家がどんな小説を書いたか、興味があったこと。
そしてもう一つの理由が、女性SP役の松嶋菜々子が役作りのため、半年前から格闘技、射撃などの猛特訓をしたという話を聞いたから。
確かに、凛とした女性SP役は、かっこよくて、さすが女優さんだなと感心した。
そしてもう一人のSP役が、主役を演じる大沢たかお。
物語は少女の殺害現場から、幕を開く。
犯人は、血も涙も無い変質的殺人者で、藤原竜也が演じる清丸という男。
実はこの清丸は、8年前にも少女を惨殺し、刑務所に服役していた。
そして出所後、またすぐに7歳のいたいけな少女をレイプ殺人して、逃避行している。
ところが、この殺害された少女が、政財界を裏で牛耳る大物、山崎努が演じる蜷川の孫娘だった。
この政財界の大物が、「この清丸という男を見つけ出し殺してくれたら10億円謝礼で支払う」という新聞広告を顔写真入りで掲載するのである。
そしてここから、物語が大きく動き出す。
この10億円に魅せられた日本国民1億3000万人が、狂気の渦に巻き込まれていく。
清丸をかくまっていた男が、10億円に目がくらみ清丸を殺害しようとする。
そして身の危険を感じた清丸が福岡県警に自首するのである。
が、しかし福岡から東京警視庁まで移送しなければ、裁判にもかけられない。
そこで本来、政府の要人や海外のVIPにつけるSPをつけて、護送することが決まった。
そして選抜されたSP役が、大沢たかおと松嶋菜々子。
そして警視庁から、刑事が2人と福岡県警の刑事が1人、計5人のSPチームが護送に当たることになる。
ところが、移送前から、10億円に魅せられた留置所の看守や病院の看護師までが、命を狙ってくる。
そして警察内部にも裏切り者が現れ、果ては機動隊隊員や公安までが、命を狙ってきて、清丸を守ろうとするSPと壮絶な戦いが始まる。
高速道路での激しい銃撃戦や新幹線の輸送中の命をかけた戦い。
とてもスリリングでスピード感に溢れた展開は、手に汗を握るほど、はらはらどきどきの迫力満点。
この辺のスリルとサスペンスに溢れた撮影は、さすが三池崇史監督ならではの展開である。
そして物語のクライマックスで思いもかけない裏切りがあったり、エンタメ作品としてよく出来た面白い作品。
が、しかし、にも関わらず、観るのをあまりお勧めはしたくないのである。
特に女性には、あまりお勧めできない。
なぜかというと、観終わった後の率直な感想は、とにかく後味が悪い。
映画を観た後、現実の世界に戻っても、何だかいや~な感じが残っているのである。
人間の尊厳という重いテーマ。
正義とは何か?
SPとして人を守る仕事への誇りか、はたまた10億円への欲望との葛藤か。
清丸を守って命を落とすSPが、死ぬ間際に叫ぶ。
「こんな人間のクズを守るために、俺たちが命を賭ける価値があるのか」
特に女性は、愛する孫娘という生きがいを突然奪われた老人の悲しみ、怒りに感情移入をしてしまい、後味がなおさら悪く感じるのだろう。
一緒に観にいった我が相方も、「何これ、後味が悪い」だの「だから、アイアンマン3を観ればよかったのに・・」などとぶつぶつ呟き、僕は帰りの車の中でもずっと愚痴を聞かされるはめになった・・。
確かに世の中は5月のGWの最中。
鉄のスーツを着たヒーローが、「愛は地球を救う」とばかりに悪人をやっつけるほうが、どう考えても爽やかだし、アメコミのヒーロー物は何も考えずに楽しめるところが魅力。
以前、映画会社に勤めていたときは、この5月GW中は大きな商戦でボックスオフィスが気になっていた。
今は単純に映画を楽しめるお気楽な身分なのだが、このGWの洋画VS邦画の話題作2本。
どうも、やはり『鉄の男3』に軍配が上がるような気がするな・・・・。
