先日に続き、アルト・サックスの話を少し・・。
『ビッシャー』のアルト・サックスを買ってから、ビンテージ・サックスにすっかりのめり込んでしまった。
手作り感のある柔らかい音色と使い込んだ少し色褪せたラッカーには歴史の重みを感じる。
そして総合管楽器メーカーとして、アメリカで最も歴史のある伝統のブランド 『C・G・CONN』のビンテー
ジ・サックスを手に入れた。
この『C・G・CONN』の機種では”Naked Lady(裸婦像)”の彫刻の入った「6M」が有名だが、その中級モデ
ルを手に入れた。
私の相方(Wife)は優しいこともあるが、私の趣味に対して寛容で理解がある。(彼女もいろいろ趣味を持
っているせいもあるかも知れないが)
この2本目のサックスを買ったときも、笑って許してくれた。
そして次に調子に乗って、1935年製で大変稀少な銘品 H.N.Wihte KING VollTrue II キング アルトサック
スを買ってしまった。
このKINGは、チャーリー・パーカーが使っていたことで有名なメーカーなのだ。
さすがにこのときは、怒られた。
「いい加減にしてね」・・。
趣味が高じて、マンションの1室は私の趣味部屋と化している。
ギターを初め、あらゆる楽器がころがっていて、足の踏み場もないくらいなので・・。
このときは、いたく反省をして、もうこの辺で楽器を買うのは止めておこうと思った。
が、しかしとんでもないものをネットで見つけてしまった。
ここらがネットの便利なところでもあり、恐ろしいところでもあるが・・。
で、見つけたのがこのタイトルの 『Selmer Omega』:セルマー・オメガというサックスである。
それが、これ。

このセルマーはもともとフランスのメーカーで、かの「ビッシャー」もここに買収され、サックスでは最も有
名なメーカーである。(ギターで言えば「ギブソン」「フェンダー」「マーチン」みたいな代名詞メーカー)。
最も名器と言われるのが、「セルマー・マークⅥ」であり、プロのサックス奏者はほとんど使っている。
このセルマーが一時期、アメリカに進出しアメリカで作られたのはアメリカンセルマー:通称「アメセル」と
呼ばれ人気がある。
だが一時経営危機に陥ったこともあり、米国の工場を閉鎖し、職人も全て解雇されることになった。
そして米国工場が閉鎖されることになった時、全てのサックス職人が立ちあがった。
どうせ解雇され、アメセルが歴史を閉じるなら、最後に職人の意地と誇りをかけて名器「マークⅥ」を超え
歴史に残る最高の楽器を作ろうと力を結集した。
そして作られたのがこの「オメガ」:(究極の)と名付けられた究極の名器 『Selmer Omega』である。
実際、セルマーでこの後に作られた後継機種「マークⅦ」よりも優れていて、一説にはこの「オメガ」の素
晴らしさに危機感を覚えたフランス本社が生産中止命令を出して世界で、2,000本しか存在しない。
男はこんなドラマに最も弱い生き物である。
「職人の意地と誇りをかけた究極のサックス」・・このフレーズに心が動かされない男はいない。(と思う)
それからというもの、心の中で悪魔がささやく・・・。
「所詮、これは女には理解できない男のロマンだ。それにオークションだから、エントリーしても買えるとは
限らない・・・」
この悪魔のささやきにそそのかされ、エントリーした。・・・そしたら買えてしまった・・・。
案の定、もっと怒られた・・・。
さすがにこれは笑って許してもらえず、毎月のお小遣いから天引きされる羽目になった。
一度では払えないので、5か月の分割にしてもらった。
さすがにこの5ヶ月間は、財政的に厳しかったが、何せ「究極のサックス」である。
嬉しくて、早速サックスの先生に吹いてもらった。
先生曰く、「このサックス、めちゃめちゃいい音でっせ!」(先生は関西弁がきつい)
「そうか、やはりプロが聞いてもいい音なんだ」と感激した。
この頃は「Left Alone」以外にもレパートリー曲も増え、スクウェアの「TWILIGHT IN UPPER WEST]と「タイ
タニック」なんかも一応吹けるようになっていた。
しかし、このときはたと、ある事実に気付いた・・・。
小学生の算数の問題である。
ん??・・・「レパートリーが3曲で、サックスが4本」???・・・。
そりゃ、怒られるわな・・・・・・。