やしの木こんにちは、文筆家、エッセイスト、絵本原作者の木谷美咲です。やしの木やしの木

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先日仕事でご一緒した文筆家・コント脚本家のワクサカソウヘイさんとの話の中に、

たびたびお名前が挙がっていた高野秀行さん。

お名前は知っていましたが、著書を読んだことはありませんでした。

納豆を調べる内に、納豆の本を高野秀行さんが書かれていることを知り、納豆の本『謎のアジア納豆』とともに、

『辺境メシ』を取り寄せました。

 

それが面白く!びっくり 関心のあるフィールドでご活躍されている方で、逆に今までなぜ読んでいなかったのだろうと思うほどでした。

高野さんは、早稲田の探検部時代から世界各地を旅をし、それを書きまとめられているノンフィクション作家。

著書の一つ『辺境メシ』では、旅先で遭遇した奇食珍食をエピソードを含めてまとめられています。

大好きな小泉武夫さんを彷彿とさせる…と思ったら、『辺境メシ』の作中に小泉先生が登場して鯨肉を振る舞っていましたよだれ

しかも、その鯨肉の美味しそうなこと!

 

作中に出てくる珍しい食べ物は、世界中の地域ごとに章立てされており、

食べたことがないものも多く、

ゴリラ肉、ラクダ肉、ラクダの乳、ピラルク、ホンオなど食べてみたいものから、ヒキガエルジュースヒトの胎盤料理、生の羊肉など食べたくはないものまで多種多様、豪華に登場します。

 

もちろん食べたものもあり、例えばバッタ、ムカデ、タランチュラ、サソリなど昆虫・節足動物を中心に、ワニ肉、蛇肉、蛙肉、フグの卵巣、鮫肉、シュールストレミングなど、かつて食べたことを思い出しつつ、味の感想の違いを楽しんで読みました。

 

高野さんが美味しいと書かれていたムカデは、私は苦手な味で、イソジンに似た薬臭さがどうしても受け付けないのでした。

(作中でも薬の味と他の方が感想を言っています)

 

また、カートやコカの葉体験、幻覚剤ヤヘイによる1000年もの時を超える幻覚体験の話も面白く、SFやファンタジーで時空を超えたのに現実世界ではあまり時間が経っていない話というのは、この手の幻覚剤がもとになっているのかしらとも思いました。

 

特に気になったのが、文春文庫P.112の「ミャンマー奥地の究極の粗食モイック」

ワ州のワ族が毎日三食食べる雑炊らしく、水と米、具材は菜葉かニラ、味付けは塩と唐辛子のみ、ダシもなしだそうです。これを村の人は三食毎日食べ、冠婚葬祭時には家畜を潰して、「肉入りモイック」になるといいます。高野さんが村を去る時に、たまにはと潰した家畜の肉炒めとご飯を供したところ、村の人たちががっかりしていて、やはりモイックが良かったのかという話なのですが、そこまで皆の心を捉えて離さない(高野さんの心も)モイックは、一体どんなものなのか気になりました。

こういう料理はきっとその場の空気、気候、環境下で食べないとわからないのでしょう。

 

高野さんの関心を寄せる食材を求めて現地取材を重ねる姿に感銘を受け、私も、これまで再現して作っていたウツボカズラ飯(Lemang periuk kera)を現地で取材したいと思い至りました。

ウツボカズラ飯の情報は時々あり、現地の方がSNSでサラワク州クチンから20kmほど離れた場所に位置するSiniawanの夜市で売っていたと書いていました。

 確かにアクティビティーのページにも名産品としてウツボカズラ飯が紹介されています。

 

 

ウツボカズラの自生地には行き、消化液は飲んだけれど、まだ現地のウツボカズラ飯は食べていません。

クチンではウツボカズラ飯の料理教室イベントも過去に開かれたようです。コロナ禍により現在の開催は不明ですが。

竹筒料理とともに現地で食べてみたいものの一つです。