こんにちは、文筆家、エッセイスト、絵本原作者の木谷美咲です。
当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
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8月11日(祝・木)、日本アロマパルファンヌ協会の10周年記念講演会、
コロナ禍によりオンライン開催で、市ヶ谷の教室からお話しさせていただきました。
70名近くの方にご参加いただき、『官能植物』についての話を中心に、
植物の匂いと官能性について90分お話ししました。
また、講演会では、日本では栽培の難しいベルガモットを生産され、「土佐ベルガモット」として、地域の活性化を担われている
小林正美社長による、経営理念、発想がどのようにして生まれたのか、栽培の苦労についてのお話、
最後に、日本アロマパルファンヌ協会の理事長の太田奈月先生による最近の事業についてのお話があり、
生徒さんに向けたメッセージで締めくくられました。
前にもブログに書きましたが、
今回の講演会は、国立科学博物館の植物展で販売されていた『官能植物』を、
太田奈月先生が手に取ってくださったのがきっかけでお声がけくださり、
日本アロマパルファンヌ協会の皆様にお話する運びになりました。
数奇なご縁で2017年に刊行した著書のお話をする機会をいただき、改めて振り返りつつ、
出版への苦労話、植物の話をしました。
今回は特に匂いに焦点を当ててお話しましたが、改めて植物にはさまざまな関わり方があると思います。
官能植物では、特に悪臭を持つ植物を取り上げ「悪臭と芳香は紙一重」と書きました。
なぜなら、悪臭を悪臭と感じるのは悪臭が死を感じさせる匂いであり、死への恐怖、忌避感ゆえではないかと考察するからです。
そして、エロスとタナトスの言葉通り、死は官能性と隣り合わせです。
「悪臭と芳香は紙一重」の下りに、太田奈月先生が共感してくださり、
太田めぐみ会長には「はじめて調香する方は好きな香りばかり全部合わせて、収拾がつかない香りになることがあるんです。
そこに嫌な香りをひとつ入れるとまとまることがあるんですよ」と教えていただき、
「悪臭と官能性の大切さは調香師ならよく理解できます」とおっしゃられ、
上梓した当時、時として突飛、独善的といわれた官能植物の内容に対して、改めて共感とご賛同をいただき、
書いて良かった、自分の気持ちを曲げず妥協せずに世に出せて良かったと思いました。
太田奈月先生、そして日本アロマパルファンヌ協会も常識や既成概念に囚われず、
新しい挑戦をされていることを知り、それゆえに余計に官能植物を深いところから理解してくださったのだと思います。
本を出し、理解して賛同してくださる方がいることは、執筆者にとってのこの上ない幸せです。
太田奈月先生の講演も感銘を受けました。
協会の生徒さんに呼びかけ、意識を変革し、会を牽引して励ます、強いリーダーシップは自分にはないもので、
逆風に向かっていく行動力を拝見して、最近自分は受け身だったと反省しました。
日本アロマパルファンヌ協会のスローガン、
「前例がないことに怯まず、前例を作って前進する」
すごく心に響きました。
ネット上には心ない批判や誹謗中傷が転がっていて、
それを偶然目にしてしまって凹むことがあるのですが、
そんなことに耳を貸したり、気に病むのは、活動が停滞している証拠。
そんなことより前進することに専念したいもの。
そんな中傷をする人間は、行動する苦労も知らなければ苦労もしていない人間でしょうから、
わかっていないのです。
(度を超えた誹謗中傷は開示請求し、損害賠償請求しますけどね)
前衛的なことをするのは素晴らしい。
前に進むことは素晴らしい。
そんな気づきを今回の出会いで得ることができました。
そのような機会をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
また、今回協会の皆様が官能植物に興味を持ってくださり、
Amazonでは完売、出版社に問い合わせたところ在庫なしとのことで
市場在庫が僅かの、ほぼ完売になりました。
どうしても入手されたいとプレミアがついた中古書をお買い求めくださった方もいらっしゃると聞き、恐縮至極です。
本当にありがとうございました。