先日銀座ヴァニラ画廊で行われていたシリアルキラー展に行ってきました。
海外のシリアルキラーが作った絵などの作品の展示会です。

ヴァニラ画廊はとがった展示を行うことで有名なギャラリーなのですが
実際に足を運ぶのはこれが初めて。
こじんまりとしたスペースで、
シリアルキラー展自体は大混雑でした。
平日の夕方と混雑を外したつもりが、それでも入り口付近に人がたまり
絵を見るのも、人の間を覗くようにして難儀でした。
肝心の作品は、
意外にも印象が薄かったです。
作品は内面を投影するというけれど、殺人の方にエネルギーを使ってしまったのかなぁ??
と思いました。
とはいえ、上のパンフレットの写真にある、おなじみのジョン・ウェイン・ゲイシーのファンシーな絵、
ヘンリー・リー・ルーカスの絵をじかに見られて良かったです。
写真に刺繍をしたアートワークも興味深いものでした。

入場するとパンフレットが付いてくるのですが、
パンフレットに収載されている犯罪心理研究者の桐生正幸さんの解説が興味深く、
「作品はシリアルキラー自身ではない。心理的痕跡を感じられるだけ」といった内容の解説に
共感を覚えました。
作品の背景にある軌跡と作品はとても近いけれど、別物かと…。
わかっていたことですが、それが実感できたのがいちばんの収穫です。

解説で紹介されている文献『FBI心理分析官』に、犯罪者プロファイリングが詳細に
書かれているそうなので、これを読みたいと思いました!

18,9歳の頃に読んだ平山夢明さんのノンフィクション「異常快楽殺人」。
興味深く何度も繰り返し読み、シリアルキラーの背景は少し齧ったつもりでいて、
本書の中でも紹介されている作品をじかに見られたのは
とても良い経験になりました。

芸術表現として、ものを生み出す行為は、正直なことを言うと
犯罪行為に近い、とても危うい紙一重のようなところがあると
私は思うんです。
公益や商業目的のものづくりは、また別ですよ。
生産行為になるか、破壊行為になるかは、本当に紙一重で、
両者の原動力となっている心の闇というか、傷は同じものだと思うんです。
それゆえに、やはり観客もアート系の人が多く見受けられ
私自身も強く関心をもちました。


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