音楽と競馬、思ったことを書いて行きます -25ページ目





今日のお目当ては、後半のピアノ四重奏にご出演される二瓶真悠さんのヴァイオリンでした。

まずは、前半の半澤さんのピアノ・ソロから。発表されていたプログラムに無かったシューマン=リストの「献呈」がオープニングに追加されていました。ちょっと気の毒に思ったのは、会場が寒いんですよね。広い上に寒い。更に、ステージ上に風の道が出来ていたようで、ステージ上のピアニストには過酷な条件での演奏だったようです。あれで良い演奏を、と言うのは少々かわいそうだと思いました。そんなこともあってか、指が落ち着かないのか、出だしからタッチにばらつきが目立ち、特に細かい音符が欠けてしまう場所が散見され、残念ながらあまり良い演奏とは思えませんでした。シューベルトの即興曲、出だしの雰囲気はとても良かったんですが、曲が進んで行く毎に細かい音が安定せず、それにつられてしまったのか、肝心の右手も乱れてしまう個所が目立ちました。音楽的には弱音が主体で、テンポも全体的にインテンポ傾向ですが、パッセージを納める部分で慌てたような感じになってしまうんですよね。これは後半のブラームスでも同じ印象でした。条件的にかわいそうではありましたが、もう少し落ち着いて丁寧に弾かれれば、多少印象は違っていたかも知れませんね。

さて、後半のブラームス。ピアノの方の傾向は大きく変わらず、アンサンブル上での大事な音符(それは長調・短調を分ける大事な音も含まれるのですが)でのミスタッチがあり、、特に前半は曲が流れて行かないもどかしさを感じながらの演奏でした。弦の3人はみなさんそれぞれが達者で、合わせの時間は少なかったんだとは思いますが、それぞれが持つ音楽的素養によって、それなりに聴き応えのある音楽には仕上がっていたように思います。特に第3楽章のしみじみとした「唄いこみ」と、中間部で聴かせて下さった「大きい音楽」は流石でしたね。第4楽章は速く、途中からピアニストが煽る感じもあり、更に速くなっていってしまった印象で、弦のピツィカートの音が明確に聴こえ難く、多少慌てたようなはじき方になってしまっていたのはちょっと残念でした。それにしても、二瓶さんには噂に違わぬ「大器の片鱗」ぶりを感じさせて頂きました。音程に甘い部分があったり、音の納め方に雑っぽさを感じる部分があるものの、とにかくスケールの大きい素晴らしい音楽を奏でられる方だと思いました。チェロの西方さんも、アンサンブルの要として良い雰囲気を出されていましたし、曲を十分に勉強して臨まれていると感じ、好感を持ちました。


終演後、今日は四重奏の楽譜を知人に貸して手元に無かったので、以前オケで弾いたシェーンベルク編曲版のパート譜にご出演された皆さんのサインを頂戴しました。

半澤さんは、もう少し良い良い条件下で弾かれるピアノをお聴きしてみたいですね。弦の皆さん、特に二瓶さんのソロはぜひ一度お聴きしてみたいですね。東京から日帰りと言うことで、お疲れだと思います。お気を付けてお帰り下さい。ありがとうございました。





昨日、行って来ました。

チェロの新倉瞳さんが弾かれた曲はGood!、マーラーの「巨人」はちょっとなぁ・・・と言う感想です。詳しくは明日以降書かせて頂きますが、1stvn12人、2ndvn10人と言う人員配置、マーラーでは如何にも人数が少ないと思いました。


以下、追記。

チェロの新倉さん、この人のチェロは素晴らしいですね。とにかく音自体に聴く人を惹きつける魅力がありますし、出て来る音楽に「心」が感じられますよね。2曲とも非常に情感豊かな演奏でした。音は客席にも良く届きますし、細かい音符も比較的くっきり聴こえて来ます。技巧も大変優れておられますし、言うことが無いようにも思うんですが、二点だけ気になることがありました。一点目は「音程」です。恐らく「確信的」にでしょうが、多少低めの音程を弾かれる場面が少なからず聴こえました。いわゆる「平均律でない音程」と言った方が正しいのかも知れませんが、オケと併せる場合には、ちょっと違和感を感じますね。それとステージマナー。指揮者と懇意にされているのかも知れませんが、友達ではありませんし、ステージ上ではもう少し「凛」とした姿勢で客席からの拍手を受けて欲しかったなあと感じました。既に完成されてはいますが、今後更に成長されることを大いに期待したいチェリストですね。

さて、後半のマーラーですが、個人的にはあまり共感出来ない演奏でした。この曲で「勢い」を感じたい方にはきっと楽しかったんでしょうけれど・・・。まず、全体的に意気込みが空回りしていた印象で、特に金管のミスが頻発していたのは、曲を通して結構聴き苦しかったですかね。それと飯森さんの曲に対する解釈と楽員への指示。テンポ・強弱共に、部分部分を強調するような場面が多く見られ、大きい流れの中でこの大曲を聴き通せたと言う実感を持つことが出来ませんでした。確かに「熱演」でしたし、特に第2楽章で聴かせて頂いた折り目正しい解釈は、今までこの曲ではあまり聴いたことの無いような類のもので、聴いていて「なるほど」と感心しましたし、第4楽章冒頭での一気に大河の流れが押し寄せて来るような圧倒的な迫力や、その一方で抑えの効いた適切な「節度」は、聴く価値のあった部分かとは思いますが、それらがその後に繋がる部分とどう連関しているのかと考えると、1曲聴き通すと、意外に全体的な印象が薄かったなと言うのが正直な感想ですかね。前にも書きましたが、特にヴァイオリンの人数が少なかったこと、これも残念でしたね。あれだけの実力を兼ね備えた管楽器群に対し、完全に音量面で負けてしまっていました。音量を出そうとすれば音色面で問題が発生しますし、ちょっとバランスが悪かったです。この曲では少なくともあと2人ずつの奏者が必要だったと思いますし、出来れば16型の編成で聴きたい曲でしょう。その中で、ホルントップ木川さん、フルートトップピエルーさんの演奏は安定していて素晴らしかった一方で、客演コンマスの荒井さんのリードには、ちょっと違和感を感じました。






年越しコンサートに行って来ました。全体的にはとても良かったですね。ホール外の展示空間では、オケ・メンバーの紹介展示がされていました。




いつまでの展示かはお聞きしませんでしたが、一度見て置くのも良い展示だと思います。団員ひとりひとりにスポットを当てると言うのは、団員も張り合いがあると言うものです。


休憩時間に「ロビーイベント」が開催されると言うことで、セッティングもバッチリ。


同じプログラムも今日は2日目と言うこともあるのか、演奏は全体的に安定していました。第2部の「ジョン・ウィリアムズへのトリビュート」ですが、これはメドレーではなく、もっともっと聴かせて頂きたかったですね。もしかすると、アメリカではこの作曲家はあまり人気が無いのかも知れませんが、日本人、特に関西には「USJ」と言う施設もあり、音楽的にも案外馴染みが深いんですよね・・・。


休憩時間の「ロビーイベント」。こちらは「共通ロビー」で行われた「アロージャズ スペシャルトリオ」。「枯葉」での渋いトロンボーンが印象的でした。


「ホワイエ」での「パーカッション・パフォーマンス」。「ラ・クンパルシータ」などが演奏されていました。


「エントランス」では、「一緒に歌おう!『名作映画主題歌』合唱練習 in English」。第2部で会場全体で唄われる曲の練習が行われていました。こういう退屈しない企画は素晴らしいですね。私がこの会場を好きなのは、「おもてなし」の気持ちでお客様を迎えて下さるからです。そういう姿勢は大切ですよね。


ロビーに置いてあるモニター。会場内の撮影は不可ですが、これはOK。会場の雰囲気は伝わるでしょうか。

カウントダウンの時には、天井からたくさんの風船が落ちて来ました。このホールの館長でもある井戸知事もお見えで、ご挨拶も頂きました。アンコールは3曲でしたが、曲目は公式サイトの30日のところに既に書かれていたので、これはちょっと興ざめですね・・・。


終演は0時15分頃でした。とても楽しかったですね。今年と同じ趣向であれば、来年も聴きに行きたいと思います。では、おやすみなさい。





招待券を頂いたので、西宮から梅田に急いで移動。有難くライヴを聴かせて頂きました。この方のこと、全く存じ上げていなかったんですが、とにかく素晴らしいですね。唄声、表現力、ピアノ、選曲(特に第二部)、言うことありませんでした。広瀬香美さんの唄声にも似ているんですが、それよりももう少し人懐っこい温かい声で、会場もとても良い雰囲気でした。

「愛燦燦」の歌唱は胸を打たれましたし、「第九」のリメイクのジャジー感も相当なもので、素晴らしいアレンジとピアノの腕前です。私の真後ろで盛んに声を上げていた方がいらっしゃいましたが、場をわきまえない行き過ぎも迷惑なものです。案の定、完全に酔っぱらっていたようで、帰られた後の座席近辺はプラコップとチラシが散乱していて、調子に乗って叫んでいたことが明らかでした。それを笑顔で返されていた村上ゆきさんの勝利(?)ですね。タダで聴かせて頂いた分、いつかはチケット買って聴きに伺いたいと思います。素晴らしいライヴ、ありがとうございました。





1,000円の席は埋まっていましたが、隣接する3,000円の席には空席が目立っていました。1,000円席から良く見える方の席に移動したい方が多く見られ、スタッフとトラブルになっている場面もちらほら見られました。開演直前でしたから、こういうのはちょっと落ち着きませんね。また、2つ隣の席の方が演奏中ずっといろんな「音」をだされ、これにも大迷惑でした。今まで以上に「客層の問題あり」と言った印象でした。


木嶋真優さんのヴァイオリン、かなり期待して出かけましたが、決して悪くはなかったですが、あまり心には響いてはきませんでした。それにしてもメンデルスゾーンのこの曲は「曲者」ですね。この曲にはいわゆる「中庸さ」「バランスの良さ」が求められると思うのですが、木嶋さんの演奏は、その面では問題無かったと思います。ただ、何しろ出だしからテンポが速い。オケのテンポ設定自体速いのに、ソロはそれに輪をかけて弾き急いだ感じで、前のめりに進んで行きます。テンポ面でまったく落ち着かない演奏になってしまいました。冒頭の有名な旋律からして音程は不安定、加えて右手で作られる音の「アタック」がきついんですよね。以前聴いた彼女はこうではなかったんですが、ザハール・ブロン先生の教えがこうなんでしょうか。ヴィブラートもあまり好きな感じではありません。発音時にヴィブラートをかけずに、少し間を置いてから揺れが大きめなヴィブラートをかけるんですが、その瞬間に音量が不必要に膨らんでしまい、多少安っぽい音楽に聴こえてしまいます。第2楽章のようなテンポの遅い曲はまだマシで、第3楽章に繋がる部分は非常に美しく、映えていました。第3楽章はオケとのコミュニケーションが悪く、かなりずれてしまう部分もありましたし、オケの方もケアレスミスが目立ちました。「ブラヴォ」が盛んにかかっていましたが、個人的にはそこまでの演奏だとは思いませんでした。木嶋さんの「立ち位置」から考えても、「オケとの融合」と言うことはあまり考えておられなかったように思います。アンコールのクライスラーの無伴奏曲はさすがに見事でしたけどね。

指揮のジョセフ・ウォルフさんの曲造りは結構好みです。部分部分強調するような場面は少なく、ブラームスは「一筆書き」のような趣で以って、曲の全体像を描くのに成功していたと思いますし、シベリウスも適切なテンポに時折常識的なルバートを織り込みながら、それでも部分を強調し過ぎることもなく、全4楽章を見事に聴かせ通してくれたと思います。惜しむらくは、練習時間が短かったからなのか、楽員の単純なミスが目立ってしまっていたことですかね。第2楽章では弦奏者が出を間違えてしまい、残念ながら大きな傷を作ってしまいました。これは「若さ」の裏返しと言えるとも思いますが、プロの舞台ですから、もう少し慎重に進んで欲しかったですね。また、弦楽器群の音色に「うるおい」のようなものが感じられにくい(あっさりしていて、時に事務的に聴こえる)のは、会場のせいなのか、若い楽員が多いせいなのか、あるいは12型と言う薄い編成なのかはわかりませんが、聴いていて残念ですよね。木管群は総合的に良かったですが、金管は多少「アメリカン」な感じで、シベリウスが求めたかった音色には遠く、表現的に不十分だったような印象で、残念でした。

定期は3度の舞台がありますが、名曲コンサートはたった一回限りの舞台です。だからこそ、より思慮深く臨んで欲しいものです。