第13回日本ピアノコンクールに出場された福田真梨奈さんの美術館オープンスタジオコンサートに伺って来ました。会場は熱心なお客様が早い時間から集まり、盛況でした。コンクールの時の衣装とはまた違う薄目のオレンジ色のかわいらしいドレスでご登場。いろんな年代の曲を弾いて下さいました。オープニングはコンクールの2次予選で弾いて頂いたスカルラッティのハ長調ソナタ。ピアノはYAMAHAだと思うんですが、鳴りが全然違い、コンクール時とは別の曲を聴いているような感覚でした。続いてチラシの通りに、ショパンを2曲、ドビュッシーの「月の光」。とりわけ「月の光」は素晴らしい演奏でした。今の彼女が持っている抒情性が余すところなく発揮され、音が優しく会場に響きました。メインはコンクールの2次予選で弾かれたプロコフィエフのピアノソナタ第2番から第1.4楽章でした。ちょっと体調が戻っていないご様子で、第1楽章の最後で乱れてしまいましたが、会場は静まり返り、お客さん達も集中して聴いておられました。近現代のものを展示している美術館にこのプロコフィエフは、とても合っていました。こういうのが、オープンスタジオコンサートの良いところでもあるんでしょう。鳴り止まない拍手に応えて弾いて下さったアンコール曲は、ドビュッシーの「子供の領分」から第1曲。これも良い演奏でした。コンクールでお聴き出来なかったドビュッシーやショパンを聴くことが出来て、うれしく思いました。そして、今日のプログラム、最初のスカルラッティと最後のドビュッシーはともにハ長調。こういうさりげないセンスの良さが彼女の素晴らしいところですね。今は人間・音楽家としても熟成の時期です。いろんなジャンルの曲を弾かれたり、お友達とアンサンブルをされたり、そういう経験を経て、更に大きい芸術家として活躍してほしいですね。期待しています。お疲れ様でした。
