「・・・!?え・・・!?」
これは夢だろうかと心の中で何度もつぶやく。
「俺、今まで告白されたら理由もなく付き合ってたけど、どれも長続きしなかった。好意はあっても『好き』って気持ちは微塵もなかったんだからな」
好きという気持ちはなかった、というところに何となく気持ちが明るくなった気がした。
「でも、浄華は素直に好き。恋愛感情なのかは分かんないけど、明らかに好意じゃないっていうのは分かる。多分、大好きなんだと思う」
嬉しすぎる言葉に浄華はおかしくなりそうだった。
望が自分のことを大好きだといっている。こんな幸せなことあるだろうか。
「だ、だってお前・・・男なんかありえない、って言ってた・・・じゃん・・・」
「最初はそう思ってたけど・・・恋愛に性別なんか関係ないよな。好きなら、それでいいと思う」
「・・・また俺のことからかってんだろ」
幼い頃から望にはよく騙されている。都合の良すぎる展開はなかなか信じられるものではない。
「からかってねーよ」
「だって・・・・・・!?」
また襟を掴まれて引き寄せられたが、頬に訪れたのは痛みではなく、柔らかく優しい感触だった。
望が離れ、そっと頬を撫でてみて、キスをされたことにやっと気づいた。
「お前・・・っ!?」
「これでいいだろ」
「・・・口にしてもいい?」
言った途端、頭を叩かれる。
「何すんだよ!」
「うるせーよ!文句あんならもうしねー!」
顔を赤くしながら走っていく望を、浄華は少し笑って追いかけていった。