外せない用事があり、池袋へ向かった。

 

 

不要不急の外出は控えるようにと言われても、仕事関係の用事はやはり簡単にキャンセルというわけにはいかないのである。


 

妻は子供を連れて池袋で必要なものの買い出しをしており、用事が終わってから合流した。

 

 


帰り道、ふと足が止まった。










 



 

そこは、2019年に起きた、東池袋自動車暴走死傷事故の現場であった。











 

昨年の夏に、慰霊碑が建立されていたのである。



 

あの痛ましい事故が起きた年には、如月には子供がいなかった。



 

本当に情けない話ではあるのだが、未だに父親としての自覚や喜びのようなものは芽生えていない。

 

 



それでも。

 



自分に子供ができてから初めてあの場所を通ると、やはり何か特別な感情が湧きおこる。

 

 



前にも書いたかもしれないが。

 

以前、サイクリングをしていたら、とあるマンションの前にマスコミの方々が押し寄せていたことがある。

 

なんだろうと思ったら、そのマンションの前には『取材お断り』的な貼り紙がされていた。

 

全くの偶然で、如月はあの事故の加害者の家の前を通ったわけである。


 


その日から、あの方の主張に、以前より更に嫌悪感を持つようになった。

 

あれはなぜなんだろう。

 

サイクリングのコースにたまたま家があったことで、自分の中でさらに身近な話題にシフトした、ということなのだろうか。

 

 

 


 

昨日まで元気だった自分の家族が、突然の自動車事故で奪われる。

 

もしそんなことがあったら、如月は何を考え、どんな行動をするのだろう。

 

今ココが具合が悪く、大手術を控えているからか、すぐに思考がそういう方向に引っ張られてしまうのかもしれない。


 

 

如月は、車をなるべくなら運転したくない。

 

そういう事故の加害者に、万に一つもならないためには、『運転をしない』という選択肢しかないからである。


 

先日のお仕事で、久しぶりに運転をした。

 

 

到着時間がどんどん迫ってきて、それなのに車は進まず、正常な思考ではなくなった記憶がある。

 


先を急がなければと焦った。


 

ありがたいことに事故は起きなかったが、きっと、あのような心理状態が続いたときに、事故は起きやすくなるのだろうと思う。




 

先日、免許の更新があった。

 

大して運転もしていないから、無事故無違反でゴールド免許である。

 

だから講習も30分で終わる。

 

だからと言って、自分が優秀なドライバーではないことは自分が一番よくわかっている。




 

自分が乗っているものは凶器である。

 

簡単に人の命を奪えるものである。

 

だから、運転には本当に細心の注意を払おう。


 

 

今日あの場所を通って、本当にもう一度そのことを心に刻んだ、今日はそんな日だった。






ココの手術の日まで、とにかく一日が長い。










~如月復活まであと51日(予定)~