ゆで卵と味噌汁しか飲んでいないのでお腹が空いた。

こう書くとまるでゆで卵も飲んだみたいな感じになっているが、ゆで卵はちゃんと食べた。

仕事が終わって、空腹はMAXである。

そこに「てんや」があった。

天丼が食いたい。

天丼が食いたい。

食べちゃダメだ。食べちゃダメだ。食べちゃダメだ。

この時間の天丼はヤバいだろう。

断腸の思いで、てんやを通りすぎた。

勝った。

如月は誘惑に勝ったのだ。

間違いなく勝ったのだ。

しかし、後ろ髪を引かれ、後ろを振り返ったその瞬間、てんやの電気が消えた。

閉店の時間だったのだ。

これで本当に買うことができない。


本当に勝ったのだ。




それなのに。


それなのに。











今、帰宅した如月の前には何故か天丼がある。


不可解だ。

なぜ如月家に天丼が存在するのだろう。


理由はひとつだ。

てんやを死ぬ思いでスルーしたのに、その先に「夢庵」があったのである。

夢庵はまだ余裕で開いていて、しかも天丼のテイクアウトができた。


恐るべしすかいらーくグループ。

如月の完敗である。



結論を言おう。



てんどんおいしい。

だいえっとあしたからがんばります。