年末から年始にかけて、NHKラジオR2の「朗読の時間」でこの本が全編、青木裕子氏(元NHKアナ)の声で放送されたらしい。私は「聴き逃し」で見つけたので聴いてみた。
向田邦子氏は「寺内貫太郎一家」の脚本や「父の詫び状」で知っていたから、1980年に「思い出トランプ」で直木賞を受賞したときは、すぐに書店へ行って買い求めたのだが....
聴いてみて、一編、一編の内容は、やはり、かなり忘れている。
かろうじて「かわうそ」の妻の顔、「大根の月」の指の痛さ、「はめ殺しの窓」の薄気味の悪さを思い出した。
彼女の作品には、いつも、日常の細々した生活を描きながら、根底に「ざらっ」とした薄気の味悪さが流れているように感じる。
テレビの「寺内貫太郎一家」もそうだった。
樹木希林(悠木千帆)と西城秀樹の掛け合いで、一見コメディっぽく見えるが、実は姉(梶芽衣子)の足の悪さの原因が
暗く流れていた。
彼女は直木賞を受賞した次の年(1981年)に飛行機事故で亡くられたが、1980年の12月8日にはジョン・レノンが本格的に
活動を再開始しようとした矢先に、自宅前で撃たれて死んだ。
衝撃的なニュースが飛び込んできた時期だった。