様々な経緯から、高柳重信全句集を読む機会があった。
正岡子規の俳句形式についての志を正当に継承し、「〈書き〉つつ〈見る〉」旅を真摯に謙虚に持続した存在である高柳重信。難解ゆえに強く惹かれる。
身をそらす虹の
絶嶺
処刑台
など、「多様な読みの可能性を摘み取る」多行表記の俳句で知られるが、以下は高柳の異名、山川蝉夫句集からの一行表記の俳句である。
雪の日の梯子をのぼり登りゆく
乱世にして晴れわたる人の木よ
晴れし日の枯れたるものを踏んでゆく
春ちかし月の出ごとに胸ときめき
夢の女を小舟に乗せて流してしまふ
滅びたる小川を思ふ雪の日よ
寒し 切なし いま白くなる 波頭
空暮れて こころ羽搏く旗と鴉
百歩あゆめば海と思ひて海を見ず
京といひ都と呼びて雪降る彼方
未来から過去を予見する詩人高柳重信の終わりなき旅を感じながら一日は暮れた。
















