待ちぼうけ | The Magellan

The Magellan

Poetry Magazine Magellan 発行人のブログ

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ひそやかな夕刻
いつもそばで感じていた
地表が生きいそぐ
一瞬のぬくもりを
遮って地中にもぐろうとする
実らない果実を
ひきとめながら
一篇の詩をきみにと思う
そこは誰も立ち入れない場所だからか
そこで交わされる言葉は枯れた符合のように収縮する
遠ざかるときがきたらしい
身をまかせていたものが
離散していくのが旅ならば
きみのために流す涙は
せめて落ち葉の清流に溶けていけ
整然とした木陰の空気が
私の身体をただすり抜けて
懐かしいひかりも時間も
聞こえなくなっていく