『建築家 安藤忠雄』 安藤忠雄 著 (新潮社)
安藤忠雄にとって、初期の「住吉の長屋」から、
東京の「海の森」に至るまでのすべての作品が
創造性を磨く闘いである。
建築とは、社会的な生産行為であり、形だけの
引用や模倣を廃し、共同体を担う精神を体現する
ものである。
これまで、未完に終わった多くのプロジェクトの
中にこそ、建築家の良質な怒りや闘争心が息づ
いているのだろう。
著者が建物の背後にある想いを語るとき、これ
までの人生と旅と建築が一つになって、鮮烈な
闘争心と共同体のなかの生命力が感知される。
自らの建築思想を語るすぐれた自伝だ。
