俳句で思想する!
昨日、詩友で俳人の高橋修宏氏の
もぎたての新作俳句を読むことができました。
ここに氏の了承のもと、インパクトを受けた句を紹介します。
いつもながら、言葉に対する豊かな感性を感じますが、加えて
俳句の構造をこれまで以上に意識しながら、素材を加圧したり、
スピンをかけたりして、<像>化する実験作も含まれています。
新しい表現の領野を志向していこうとする作者のメッセージが
伝わってくるようです。
高橋修宏「ぎしぎし」より
陰陽石なり陽炎の固まりて
白椿はみ出している倭人伝
夜桜の奥に記されし偽史ありぬ
花盛り人呑みこんだままの穴
蝶を容れまなうら暗くなる真昼
葱坊主なべて西向きアッラーの来
すめらぎや鶯の巣にほととぎす
まれびとを迎える昼の血止草
すめらぎのするめいとしや砂日傘
水吞みに行きて戻らずぎしぎしや
蝉の穴ふとコーランの聞えけり
日の盛り血をさかのぼりゆく破船
桃の実を回せば生みぬ千々の島
聖婚の水漬しなる曼珠沙華
言霊の出てゆく月の芋畑
月の出の偽書に女帝がひとりずつ
金木犀匂うアフリカ象の闇