ここのところ本のことばっか書いてますが、本といえば、で思い出したことをもう一つ。
(BLが地雷の方はここまでにしていただいたほうがよろしいかと思います)
昨年、NHKの大河ドラマでBL展開があったことが話題になってましたが、今さらそれが話題に? て感じた人はいっぱいいるのでは。
日本の歴史では珍しくなく、文学でいえば鎌倉時代は「石清水物語」とかあるし。
「石清水物語」、私、まだ読んでない。だって、図書館にあるのが全集で、重いから電車で持って読むのツライ。
なので、あらすじは簡単に。要は好きな女の子がいるんだけど、ライバルもいて、そのライバルのほうとうっかりできちゃうっていう(彼は最終的に誰ともくっつかない)。
鎌倉時代は「我が身にたどる姫君」もあるし、今よりずっと同性愛は普通のことだったんじゃないかと推測(我が身、は例に出すようなものじゃないかもですが)。
まあ、大体は両刀。
奥さんとの間に子供もいっぱいいて、なんなら奥さんも何人もいて、でも男性の恋人もいるっていうの。
だって、石清水も女の子を入れた変形三角関係だったし、少し前の時代の平安時代の文学にも結構な頻度でBL展開はあるけど、みんな奥さんと子供がいる。
小説では「源氏物語」の源氏と小君の描写が有名ですが、なんといっても「台記」ですよねえ。
藤原頼長が自分の性生活をちょいちょい書いてる日記。すいません、未読です。だって、本が重いしぃ(2回目)。
ちなみに「台記」含め院政期の男色関係については、高名な論文集があるんですが、図書館で借りたその本は、男色関係の章だけ開き癖がしっかりついてました。おそらくそのへんに興味のある方が多数いらして、コピーしたんじゃないか、という気がしないでもない。
(そのへん踏まえてあえて論文集のタイトルは書きませんが、ネットで検索すればすぐ出てくる)
まあ、それはともかく、藤原頼長も例にもれず、奥さんも子供も複数いたわけですが、男性も恋愛対象だったし、なんなら陰陽師安倍泰親(安倍晴明の子孫。安倍家は陰陽博士を世襲)に「あいつを俺のものにして!」と頼んだりしてた(そんなしょうもないこと頼まれて陰陽師もかわいそう)。
男色に興味がなかったその相手を手に入れた経緯は犯罪もいいとこなのではぶきますが(陰陽師の祈祷の効果はなかったよう)、結局その後しばらくつきあいが続いたのが私、ずっと不思議だった。でもたぶん、こういう感じ。
・そもそも、男色自体が当時の社会でよくあるものだった
・周りの男子もみんな頼長とつきあっていたので、嫌がって避けていてもいつか自分の番がくることは想定内で覚悟はあった(頼長は自分に利益のある相手と男色関係を結ぶことが多々あった)
・関係を結ぶまでは抵抗しても、一度関係を結んだ後はそれを自分も利用する方向に切り替えられた。つまり、男色関係を基に頼長が自分を利用しても、自分も頼長を利用できると考えた
ついでにもう一個、頼長が精についていちいち書いてるところを見ると、相手が苦痛だと思ってないか気にする程度に気遣いはできたんだろう、と。
まあ、ここまで書いておいてなんですが。
何個か論文等々読んだけど、本当は「台記」をちゃんと読むべきなんだろうなあ。
わかってるんですが、引用された文章を読んだだけで、頼長が濃すぎてお腹いっぱい。
でも、まあ、うん、そのうち読みます~。