バナキュラー | ヨネダ設計舎のブログ

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先日、町の一角にて出会ったたてもの.




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駐車場に面して(反対側は大きな車道)、各層をぐるぐるとつなぐ魅力的な螺旋階段.

二層目のベランダもヒサシも必要に応じて後からひっつけた様な感じ.

最上階はほかの層よりも低い高さで、素材も切替え、チョコンとのっている.(後からの増築?)

こういった建物からは、植物が光を求めて、上に(横に)伸び、自分の立ち方、カタチを成長、変化させていく生命感と同じ魅力を感じる.



原広司さんは著書 集落の教えにて、「集落の持続の基礎は建築が形式を踏襲しながら周期的に建て替えられるところにある。  中略  集落の平衡状態は、主として生産性と居住性の二つの点から説明されるであろう。」
と記されているが、

日本の都市部におけるこういった建物の在り方、建て替えというよりも、建物を使いながらつぎはぎ的に更新していくこういったカタチがある意味日本の現在の集落であり、バナキュラー(のひとつ)である気がする.

ひとと建物の関係.

このような建物から感じる生命感と魅力.


それは住まい手(つかい手)と建築とのかかわりがダイレクトに一目でわかるところにそれを感じる理由のひとつがあると思う.

すなわち、自分はこの建築とともに生きているという、人の生き方と建物の有機的なからまりのあらわれ.

そしてそれはなにも見せるためでも、肩ひじ張って無理をして生まれてきているわけでもなく、自然とそこにその空気感があるというのが重要なところ.

(とはいえ造形的にも、どこかハウルのようで魅力的・・・.)


そのような本来作為のないところから生まれた人とたてものの関係を果たして設計できるのか、それに着目するのがおこがましい事なのかはわからないが、自分がいいなと思ったその魅力たちが、すこしでも自分の設計の中から自然と出てくるようにこれからも気になる風景を見つける視点を持ち、考察していきたい.

この写真には洗濯物や、生活の様子がないですが、もしそれが映っていたらと想像すると、僕はそこに豊かな生活の色を思い浮かべます.(そもそもこの建物は住居かどうかもわかりませんが・・・)







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米田雅樹 三重県 建築設計事務所