あの〝ブルーシャトー〟でレコード大賞を受賞した
ジャッキー吉川とブルーコメッツのボーカル
山瀬さんのお店のボーカルオーディションでした。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170826/17/maepon-1/7b/e1/j/o2034198414013575992.jpg?caw=800)
ボーカルとハウスバンド(ドラム、ギター)の募集に応じて来た人が私を含めて10人弱。
すごい緊張感を感じました。
履歴書を手渡し、歌唱する曲のカラオケ(邦楽、洋楽各一曲ずつ)をデンモクで選ぶのですが、私は洋楽を与えないので一曲のみの選択となり、今更ながら悔しい思いをしました。
無理をすればむかしピアノを習った時に弾き語りした〝酒と薔薇の日々〟位出来たかもしれないのですが
ここでコケたら一生悔いが残る気がして…
でも今にして思えばそれは正解でした。
ボーカル志望の中で、私を含めて〝歌えていた人〟は正直言って1人もいませんでした。
でも、1人だけ邦楽と洋楽の歌い方にさほど落差を感じない人がいました。存在感もあり、丁寧な仕事をしていました。
受かるとしたら、その彼女だと思いました。
その人は、暗い店内でデンモクの操作に戸惑っていた私に声をかけて下さり「分からない事があったら何でも声を掛けて下さいね」と気さくに言って下さいました。
楽器のパートのオーディションはセッションをさせたり、山瀬さんがかけるカラオケに合わせて違ったタイプの曲を演奏したりして奏法を確認していました。
とっさに自分の持ち味を120パーセント発揮するのって本当に難しいことです。
実技審査から面接に進める通過者を発表する前に
山瀬さんはとても貴重なお話をして下さいました。
解っている事ではありますが
充分肝に命じている事ですが
今更ながら音楽で食べていく事の厳しさを実感した次第です。
それは技量だけではなく、人間性や生き方
周りの人を何処まで大切に出来るか
癒しや元気を贈れるか
凄く大切な事が凝縮されているメッセージでした。
お金を払ってでも聴きたい
山瀬さんの魂の叫びでした。
どんな世界もそうですが
ミュージシャンやボーカルを育てる事はたやすい事ではありません。
これで間違いないという事も多分ないでしょう。
私はこれまでに抱いていた自分の甘さを
かなぐり捨てて歌って行こうと決めました。
ステージの大きさじゃありません。
聴いている人の人種でも年齢でも
社会的立場でもありません。
私が歌うからには
ああ、今日はいい日だった
歌が聴けて楽しかったと
おこがましいまでも感じてもらえる歌い手にならなきゃ❣️
古巣の六本木を歩きながらそう決意した次第です。