オーディション | まえぽん帝国

まえぽん帝国

社会人アーティスト“まえぽん”の
華麗にて波乱なる日々のドラマでございます〜!

ひょんな事から
オーディションを受けてきました。

事務所絡み
 自分から 
人の紹介
成り行き 等々…
今まで様々なオーディションを受けて来ました。
でもその殆どはあまり身にならなかった様な気がします。
極少数受かったものもあるましたが
ご多分にもれず〝落ちて落ちて落ちまくり〟ました。

貴重な経験として一度だけ〝審査する側〟に回ったことがあります。
〝Kokoro❤︎Candy〟の作曲をして下さった田中直人先生からボイストレーナーの手ほどきを受けた時でした。

それからの私は自分の歌や自分自身を客観視する様になりました。
オーディションを受ける時も〝自分をどう見せたいか〟考えられる様になりました。
だからと言う訳ではないのですが、オーディション会場で人を観察するのが結構好きです。

今回は映画の主題歌を歌う歌手のオーディションでした。
自己アピールとアカペラ歌唱でワンコーラス
これが課題でした。

アカペラで歌を聴かせられる事が出来たら本物だと私は思っています。

無伴奏は
歌い手を裸にする様なもの。
伴奏はドレスであり、メイクであり、アクセサリーに過ぎない。
自分のチカラだけで聴かせるしかない。
小細工や誤魔化しの効かない世界です。

それを〝見せたい自分〟として行う。
フルコーラスなら〝山場〟がある曲でも
ワンコーラスだと伝えきれない場合があります。
それに気づかないで選曲してしまう。
それはとても勿体無い事です。

でも、チャンスはワンコーラス。

アカペラの良いところは
キーやテンポをカスタマイズできるところです。
アップテンポな曲をブルース調にしたり
スローな曲をバラードにして聴かせたり
往年のヒット曲を自分らしく歌う事だって可能なのです。

が、

大概の場合
殆どの人がここでミスを犯します。

それは選曲です。

その曲を歌う歌手が好きだから
曲が好きだから
いつも聞いている曲だから
ノリがいいから
そんな安易な考えで、大事なオーディションで歌う曲を選んでいるとしたらとんでもない事です。

ファッションもそうですが
好きなものが自分に似合っているとは限らないですよね。

私がアカペラ歌唱の選曲で絶対に選ばないのは
今のヒット曲(出回っている)
歌の上手い人の曲(即座に比べられる)
インパクトの強い曲(今回たまたまglobeの曲を演った人がいましたが、あれは自殺行為です)
淡々とした曲
です。

誰もやらない様な意外な歌を
自分のテイストを効かせて聴かせる。

他の曲も聴いてみたい。
そう思わせられたなら、たとえ不合格をもらっても合格です。

私は今回、沢田研二さんの
〝時の過ぎゆくままに〟を演らせて頂きました。
もちろん好きな楽曲ですが
ある施設で演らせていただいた際に
〝世界が見える〟と感想を頂いた事が、今回披露するきっかけとなりました。
フルコーラスに込める想いをワンコーラスに込めて歌えばきっと通じる!
そう思って選びました。

オーディションにはいろんな人がやってきます。
〝テッペン取ったる!〟と言わんばかりに意気込んでいる人や
大した動機のない人
緊張で口から心臓が飛び出そうな人など様々…
これだけ温度差があるのだからオーディションの蓋を取って見なければ中身はわかりません。

最近よくある〝歌うま〟〝カラオケ女王〟系の番組を見ていて思うのもやはり選曲です。
選曲次第で、その人の力以上の仕事ができたりするのです。

〝今回の曲、合っていましたね〟
帰りに二人の審査員からそう言われました。
結果はどうあれ
私の中ではガッツポーズです。