【問題】Ⅲ-29

 

【カテゴリー】 化学装置・設備(計算問題)

【解答】③

【解説】

設問の反応式より、メタノール1モル(32g)を完全燃焼するために、酸素は1.5モル(22.4×1.5=33.6リットル(0℃,101.3kPa下))必要である。

メタノール1kgを完全燃焼するために必要な理論空気量(m3/kg)は、酸素濃度は21.0Vol%より以下の式から求めることができる。

(32×10-3)×(1/0.21)×(33.6×10-3) ≒5m3

 従って、必要な理論空気量に最も近い値は③である。

炭化水素の燃焼問題は、ボイル・シャルルの法則を含め頻出(H30年度Ⅲ-32、R1年度Ⅲ-31、R1年度再試験Ⅲ-30)されている。単位を注意して計算すれば確実に正解を導き出せる。

【キーワード】完全燃焼、理論空気量、ボイル・シャルルの法則

【参考文献】草壁克己、はじめて学ぶ化学工学、丸善出版、2011年

 

 

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Ⅲ-22

 

【問題】

 

【カテゴリー】無機化学 

【解答】④

【解説】無機化合物の結晶構造に関する問題である。ペロブスカイト型構造は、ABX3(A=Ca,Ba,Sr,Pbなど、B=Ti,Zr,Sn,Hfなど、X=Oなど)で表される立方晶系の結晶構造である。一般的に、Aは陽イオンでも電荷が低くイオン半径が大きいものが多く、Bは陽イオンでも電荷が高くイオン半径が小さいものである場合が多い。従って、④が最も不適切である。①、②、③、⑤の記載内容は適切である。設問は、代表的な無機化合物の構造に関する説明であり、構造の特徴や化合物の種類について整理して理解しておきたい。

【キーワード】面心立方格子、塩化ナトリウム構造、蛍石構造、ペロブスカイト構造、閃亜鉛鉱構造、ダイヤモンド型立方構造 

【参考文献】

・吉村嘉次ほか、化学辞典(第2版)、森北出版、2009年

 

 

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【問題】

 

【カテゴリー】高分子

【解答】③

【解説】溶融状態にある高分子などの流体の粘弾性に関する問題である。

(A)せん断応力(ずり応力)がせん断速度(ずり速度)に比例するような流体をニュートン流体という。このため、せん断速度とせん断応力との関係をグラフにすると原点を通る直線になる。

従ってAは「ニュートン」である。

(B)チキソトロピーとは、かき混ぜたり、振り混ぜたりすることにより、力を加えることで、粘度が下がる現象をいう。Bは「チキソトロピー」である。

(C)ダイラタンシーは、ある種の混合物が示す、遅いせん断刺激には液体のように振る舞い、より速いせん断刺激に対してはあたかも固体のような抵抗力を発揮する性質である。Cは「ダイラタンシー」である。

(D)円筒形の容器に粘弾性液体を入れ、その中心にさらに円筒形の棒を挿入して、それらを共通軸のまわりに相対的に回転させると、液体の自由表面は中央が盛り上がり、中心円筒に液体が巻きついたようになる。この現象をワイセンベルク効果という。Dは「ワイセンベルク」である。

(E)バラス効果とは、粘弾性液体を毛管から流出させると管の出口で液体が管の内径よりも膨れることをいう。Eは「バラス」である。

従って、最も適切なものは③である。高分子の、せん断-応力挙動をニュートン流体との比較で理解しておくことが望ましい。

尚、H30年度Ⅲ-17で同じ問題が出題されている。過去問学習が効果的であることがわかる。

【キーワード】ニュートン流体、高次構造、ゾル化、チキソトロピー、ダイラタンシー、ワイセンベルク効果、バラス効果、ダイスウェル 

【参考文献】

・大木道則ほか、化学辞典、東京化学同人、1994年

 

ご参考までですが、

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Ⅲ-8

Ⅲ-8

【カテゴリー】燃料・エネルギー

【解答】③

【解説】我が国のカーボンニュートラルに向けた取り組みに関する問題である。設問の文章は、経済産業省、資源エネルギー庁の(エネルギー白書2021)「2050年カーボンニュートラルに向けた我が国の課題と取組」の中から抜粋した内容である。その記事を以下に引用する。

「菅内閣総理大臣は2020年10月26日の所信表明演説において、我が国が2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。加えて、2021年4月には、菅内閣総理大臣は、地球温暖化対策推進本部及び米国主催の気候サミットにおいて、「2050年目標と整合的で、野心的な目標として、2030年度に、温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指す。さらに、50%の高みに向けて、挑戦を続けていく」ことを表明しました。日本が排出する温室効果ガスのうち約9割がCO2であり、CO2の排出量の約4割が電力部門、残りの約6割が産業や運輸、家庭などの非電力部門からの排出となっています。」

また、コラムの中で、「2020年7月、梶山経済産業大臣は、第5次エネルギー基本計画において明記された非効率石炭火力のフェードアウトについて、より実効性のある新たな仕組みを導入するべく、検討を開始することを表明」したことも記載されている。

①、②、④、⑤は、記載内容と一致しているが、③の「46%という温室効果ガスの削減率は、パリ協定において我が国の義務として与えられたもの」ではない。従って③が最も不適切である。

エネルギー白書の「カーボンニュートラル」に関する問題はほとんど毎年出題されている。「カーボンニュートラル」に関する内容は、二次筆記試験対策としても重要となるため基本的な内容は把握しておきたい。

【キーワード】カーボンニュートラル、エネルギー白書、温室効果ガス 資源エネルギー庁 

【参考文献】

・令和2年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2021)、第1部 エネルギーをめぐる状況と主な対策 第2章 2050年カーボンニュートラル実現に向けた課題と取組 第3節「2050年カーボンニュートラルに向けた我が国の課題と取組」(経済産業省、資源エネルギー庁)

https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2021/html/1-2-3.html

 

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Ⅲ-1

 

 

【カテゴリー】有機化学

【解答】② 

【解説】有機化合物の還元反応に関する問題である。

①NaBHは、ケトンやアルデヒドを還元することができるが、カルボン酸を還元することはできない。

③リンドラー触媒による接触還元によるアルキンの水素化反応では、2つのHがsyn付加したcisアルケンが生成する。尚、アルキンは、白金による還元ではアルカンが生成し、液体アンモニア中ナトリウムによるバーチ還元では、transアルケンが生成することも押さえておきたい。

④金属水素化物によるカルボニル基の還元反応機構は、カルボニル基の正に分極した求電子的な炭素原子に求核的なアニオンHが付加することによって起こる。

⑤アルデヒドまたはケトンをKOHの存在下にヒドラジンで処理するとアルカンに変換することができる。この反応はWolff-Kishner還元と呼ばれる。Clemmensen還元と呼ばれる反応は、亜鉛アマルガム-塩酸を用いるカルボニル基のメチレンへの還元である。

②は設問記載の通りである。従って適切なものは、②である。

【キーワード】NaBH、LiAlH、DIBAH、Lindlar触媒、バーチ還元、Wolff-Kishner還元、Clemmensen還元

【参考文献】

・荒木孝二、有機化学-基礎化合物から機能材料まで、東京化学同人、2010年

 

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令和3年度(2021年) 技術士第一次試験 専門科目(化学部門)Ⅲー31 

【問題】

 

【カテゴリー】 化学装置・設備(計算問題)

【解答】③

【解説】

設問の反応式より、メタノール1モル(32g)を完全燃焼するために、酸素は1.5モル(22.4×1.5=33.6リットル(0℃,101.3kPa下))必要である。

メタノール1kgを完全燃焼するために必要な理論空気量(m3/kg)は、酸素濃度は21.0Vol%より以下の式から求めることができる。

(32×10-3)×(1/0.21)×(33.6×10-3) ≒5m3

 従って、必要な理論空気量に最も近い値は③である。

炭化水素の燃焼問題は、ボイル・シャルルの法則を含め頻出(H30年度Ⅲ-32、R1年度Ⅲ-31、R1年度再試験Ⅲ-30)されている。単位を注意して計算すれば確実に正解を導き出せる。

【キーワード】完全燃焼、理論空気量、ボイル・シャルルの法則

【参考文献】草壁克己、はじめて学ぶ化学工学、丸善出版、2011年

 

 

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令和3年度(2021年) 技術士第一次試験 専門科目(化学部門)Ⅲー22 

【問題】

【カテゴリー】 無機化学

【解答】⑤

【解説】セラミックスセンサーとその原理に関する問題である。①、②、③、④はいずれもセンサーの説明として適切である。⑤の障害物センサーは、物体に超音波を発射して、反射して戻ってくるまでの時間から距離を測定する装置であり、圧電効果を利用した圧電素子で構成されている。圧電素子は、電圧を印加すると超音波を発生し、超音波を受けると起電力を発生する特性がある。この原理を利用して、電気信号を超音波に変換して対象物に発射し、対象物によって反射してきた反射波を電気信号に戻して、対象物の有無や距離を測定する。従って、最も不適切なものは⑤である。

  各種ファインセラミックスの特徴と用途は頻出されるため、しっかり勉強しておこう。

【キーワード】ガスセンサー、酸化スズ焼結体、電子体温計、チタン酸バリウム、抵抗体、サーミスタ、酸素センサー、安定化ジルコニア、非接触温度センサー、タンタル酸リチウム、集電体、障害物センサー、ニオブ酸リチウム、圧電効果、逆圧電効果、パルス電界、超音波

 

【参考文献】

・先進セラミックスの作り方と使い方、(独)日本学術振興会、高温セラミック材料第124委員会[編]、 日刊工業新聞社、2005年 

・吉村嘉次、化学辞典(第2版)、森北出版、2009年

 

 

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令和3年度(2021年) 技術士第一次試験 専門科目(化学部門)Ⅲー15 

【問題】

【カテゴリー】 高分子化学

【解答】⑤

【解説】結晶性熱可塑性樹脂の熱的挙動に関する問題である。設問から結晶化度0%とのことより、(A)は非晶状態である。その状態のPETを室温から昇温していき、ガラス転移点(B)に到達すると熱を吸収(吸熱)し高分子の分子運動が増大する。さらに昇温を続けると熱を放出(発熱)し結晶化(C)が進行する。その後、吸熱による溶融(D)が起こり、エンタルピーが急激に増加する。従って最も適切なものは⑤である。

高分子の熱的挙動に関する問題は頻出(H26年Ⅲ-14、H28年Ⅲ-17、H30年Ⅲ-18(ほぼ同じ)、R1Ⅲ-19)されているため、「非晶」、「結晶」、「ガラス転移点」、「融点」など用語の意味、吸熱/発熱などの熱的変化についてしっかり押さえておこう。

【キーワード】結晶性樹脂、非晶、結晶、ガラス転移点、過冷却状態、融点、発熱、吸熱、

【参考文献】

・吉村嘉次、化学辞典(第2版)、森北出版、2009年

・島津テクノリサーチ、ホームページ、「ポリエチレンテレフタレート(PET)の熱履歴による熱的挙動の変化」https://www.shimadzu-techno.co.jp/technical/pet_heatchange.html 

 

 

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令和3年度(2021年) 技術士第一次試験 専門科目(化学部門)Ⅲー8 

【問題】

【カテゴリー】 燃料・潤滑油

【解答】②

【解説】最終エネルギー消費量に関する問題である。経済産業省、資源エネルギー庁、エネルギー白書(2020)第2部 エネルギー動向 第1節 エネルギー需給の概要の中の「我が国のエネルギーバランス・フロー概要」には以下の記載がある。

「国内に供給されたエネルギーが最終消費者に供給されるまでには、発電ロス、輸送中のロス及び発電・転換部門での自家消費などが発生するため、最終エネルギー消費は一次エネルギー消費からこれらを差し引いたものになります。2018年度は、日本の一次エネルギー国内供給を100とすれば、最終エネルギー消費は66程度でした(第211-1-3)。」従って、最も近い値は②である。

エネルギー白書からの問題はほとんど毎年出題されている。昨年は、一次エネルギー総供給に占める石油、石炭、天然ガス、再生可能エネルギー(含水力)、原子力の構成比が出題された。また、一昨年は、資源確保の状況として、天然ガスの輸入元に関する問題が出題された。毎年更新される資源エネルギー庁の統計資料により「日本のエネルギーの課題」についてしっかり把握しておきたい。

課題としては、①日本のエネルギー自給率は2014年以降増加しているものの10%程度と他のOECD諸国と比べ低い水準である。②石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料に約90%依存している。③原油は中東地域に約90%依存している。などが挙げられる。

 

【キーワード】資源エネルギー庁、最終エネルギー消費、一次エネルギー、石油、石炭、天然ガス、再生可能エネルギー、水力、原子力、エネルギーの自給率、一次エネルギー供給構成 

【参考文献】経済産業省、資源エネルギー庁、エネルギー白書(2020)第2部 エネルギー動向 第1節 エネルギー需給の概要 

 

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【問題】

【カテゴリー】 有機化学

【解答】①

【解説】ベンゼン環を有する有機機化学の基本的な反応に関する問題である。(A)は金属Li存在下ベンゼンの還元反応(バーチ還元)である。1つ目の水素がベンゼン環に付加すると、共役二重結合の移動が起こり、水素が付加した炭素のパラ位にもう一つの水素が付加する。(B)はルイス酸触媒によるベンゼン環への求電子置換反応である。電子密度が高くなるのは、メチル基(電子供与基)から考えるとオルト位、カルボキシル基(電子吸引基)から考えるとメタ位であるため、臭素はその位置に置換する。誤りである。(C)塩化ベンゼンはルイス酸があってもカルボカチオンを生成しない。従って置換反応は起こらない。誤りである。(D)はクメンの酸化であり、生成物はアセトンとフェノールである。誤りである。(E)は白金触媒によるアルケンの還元であり、設問の通り反応は進行する。従って生成物を正しく標記している組合せは①である。

  ベンゼン環を有する有機化合物の反応は頻出(例えばR1年度再試験Ⅲ-3)されるため、代表的な反応はしっかり押さえておこう。

 

【キーワード】オルト・パラ配向性、メタ配向性、バーチ還元、ルイス酸、カルボカチオン、芳香族求電子置換反応、クメン

【参考文献】

・「有機化学-基礎化合物から機能材料まで」、荒木孝二、東京化学同人(2010)

・名城大学理工学部応用化学科 有機化学Ⅱ 講義資料 第18回「芳香族求電子置換反応 (1)」

 https://www2.meijo-u.ac.jp/~tnagata/education/ochem2/2019/ochem2_18.pdf 

 

 

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