【問題】

【カテゴリー】 有機化学

【解答】①

【解説】ベンゼン環を有する有機機化学の基本的な反応に関する問題である。(A)は金属Li存在下ベンゼンの還元反応(バーチ還元)である。1つ目の水素がベンゼン環に付加すると、共役二重結合の移動が起こり、水素が付加した炭素のパラ位にもう一つの水素が付加する。(B)はルイス酸触媒によるベンゼン環への求電子置換反応である。電子密度が高くなるのは、メチル基(電子供与基)から考えるとオルト位、カルボキシル基(電子吸引基)から考えるとメタ位であるため、臭素はその位置に置換する。誤りである。(C)塩化ベンゼンはルイス酸があってもカルボカチオンを生成しない。従って置換反応は起こらない。誤りである。(D)はクメンの酸化であり、生成物はアセトンとフェノールである。誤りである。(E)は白金触媒によるアルケンの還元であり、設問の通り反応は進行する。従って生成物を正しく標記している組合せは①である。

  ベンゼン環を有する有機化合物の反応は頻出(例えばR1年度再試験Ⅲ-3)されるため、代表的な反応はしっかり押さえておこう。

 

【キーワード】オルト・パラ配向性、メタ配向性、バーチ還元、ルイス酸、カルボカチオン、芳香族求電子置換反応、クメン

【参考文献】

・「有機化学-基礎化合物から機能材料まで」、荒木孝二、東京化学同人(2010)

・名城大学理工学部応用化学科 有機化学Ⅱ 講義資料 第18回「芳香族求電子置換反応 (1)」

 https://www2.meijo-u.ac.jp/~tnagata/education/ochem2/2019/ochem2_18.pdf 

 

 

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