Book71.さらばアントニオ猪木 | Cap as Cap Can!! 俺は帽子とだってプロレスできるぜ日記
新日本プロレス営業本部長。

過激な仕掛け人。

UWFの産みの親。

そしてアントニオ猪木の名マネージャー。

昭和プロレスを見続けてきたプロレス者で、彼の名を知らない者はいないはずです。

その名は新間寿。

ジャイアント馬場率いる全日本プロレスを徹底的に攻撃し、

NWAに対抗し、WWWFと蜜月関係を作り上げ、

IWGPを創設したのも新間寿氏。

カール・ゴッチをプロレスの神様としてプロデュースしたのも、

マジソンスクェアガーデンでの藤波辰巳のWWWFJrヘビー級タイトルマッチの舞台を整え、彼を一夜にしてスターに仕立て上げたのも、

猪木vsアリという世紀の異種格闘技戦を実現させたのも、

一大ブームを巻き起こしたタイガーマスクを世に送り出したのも、

全て新間寿氏の手腕によるもの。

新間寿氏のプロレス界で残した功績というのは途方もなく大きなものであり、

まさに新間の前に新間なし 新間の後に新間なしと称えられて然るべき存在であることがわかります。

新間寿氏のモチベーションの全てが、アントニオ猪木にあったことは、今さら私が言うまでもありません。

二人の関係は第三者には理解し難い、不思議な関係です。

古くは猪木が旗揚げした東京プロレス時代。

東京プロレスの崩壊時、二人は訴訟合戦を行うほど激しく決別します。

しかし猪木が新日本プロレスを旗揚げするや新間氏は馳せ参じ、猪木の右腕として前途のような華々しい功績を築きあげます。

新日本プロレスが空前のブームを起こす中、猪木がのめり込んだアントンハイセル事業が原因で、新日本プロレス内でクーデターが勃発。

責任を追及された新間氏は、新日本プロレスから追放。

後を追って来てくれると信じた猪木のためにUWFを作り上げ、フジテレビでの放映までお膳立てしたものの、結局猪木が来ることはなく、またも新間氏は猪木に裏切られたような結末に。

このままプロレス界からフェードアウトしたかのように見えた新間氏でしたが、猪木が政界進出を宣言し、スポーツ平和党を立ち上げるや、幹事長に就任。

元の鞘に戻ったかと思ったのも束の間。

政治家猪木の不信な活動に対して激怒した新間氏は、記者会見を行い「アントニオ猪木のPKO、それはパンパン来い来いオマンコやろう!」と言い放ち、その発言はTVで全国に放映されたのでした(爆)



さらばアントニオ猪木

その当時、新間氏が発行した暴露本というか、恨み本です。

猪木の人間性を徹底的にこきおろし、いかに政治家に不適切な人物であるかを終始訴えているという恐ろしい一冊です。

可愛いさ余って憎さ百倍なんて言葉がありますが、この本を読むと憎さ1000倍、10000倍ではないかと感じるほどです。

ここまで来ると猪木との関係修復は、普通の感覚ではあり得ませんが、そこは魑魅魍魎のプロレス界。

東京スポーツの櫻井氏の仲介で、その後、2人は電撃和解!

今に至っているわけです。

そんな過激な仕掛け人、新間寿氏が9月20日に行われるリアルジャパンの興行を最後にプロレス界からの引退を宣言。。。

そんなこと言わずに、これまで同様、プロレス界のご意見番として活動を続けて欲しい!

だって、だって、寂しいじゃないですか!!

新間さんが昭和プロレスを、昭和新日本プロレスを創り上げたのです。

プロレスラーだけでなく、新間さんにも引退の2文字はないはずなのです。


さらばアントニオ猪木(KKベストブック 新間寿 1993.10)