現在、中国のこの西北部では砂漠化が猛烈な速さで進行しており、これまでに国土面積の16パーセントにまで拡大してきている。このため、三北地域(西北・華北・東北)の11省324県を含む4億ヘクタール(国土面積の42パーセント)の砂漠を中心とした乾・半乾燥無立木地、不良天然林などの緑化計画(1978-2050)が始動している。筆者は日本と中国の政府間で調印された「森林保護研究計画」にもとづき、技術協力のため寧夏回族自治区の首都、銀川市に1994年から2年間滞在した。
寧夏は、新中国建国後の1958年に回族(イスラム教徒)の住む自治区として発足した。自治区の面積は7万平方キロで、人口430万のうちの35パーセントが回族である。ちなみに、中国の全人口は12億、56の民族(内漢民族が93パーセント以上を占め他の55族を少数民族という)で構成されている。