◆俺たちの冬シーズン。
11月末~5月上旬まで。
生活の全てにおいて「雪上」だけが優先され、
一般的な生活水準とは大きくかけ離れた
バブリーな金銭感覚。泣笑
例えば毎年、楽勝で新車1台買えるだけの
莫大な資金を投入して
雪上ゲレンデで、どれだけ多く滑るか…
◆資金面と並行して、絶対に削れないのは
神から一日に
たった24時間しか与えられていない
「時間」。
英恋は学業、俺は仕事。
そこを差し引いたプライベートな時間は
全て雪上でのトレーニングに費やされる。
◆でも、そんな生き方は
誰かに頼まれたわけでもなく、
強制されたわけでもなく、
ましてや誰かのためではなく、
進むのも、止まるのも、後戻りすることも
全ての選択肢は自分たちでコントロールできる。
自分たちが好きで決めたこと。
◆一日の仕事を終えて、腹を減らして
厳寒のゲレンデに向かう…
ガラス越しの温かいレストランでは
美味しそうな料理に舌鼓を打ち、
黄色い泡の液体を
ガブガブ流し込む
メタボオヤジたちの幸せそうな光景が映る…
たったガラス一枚向こうの世界に広がる
ごく当たり前の普通の幸せ…
でも、俺の幸せは極寒の世界。
雪の上で最高に綺麗に、光り輝く
特別な時間。
こっちの世界に俺の夢はある。
◆金曜日の夜の今日だって、
例えば酒を飲みに行くとか、
会食に行くとか、
温かい居酒屋で酒を飲み、
気の合う仲間と共に談笑をして
心に溜まったうっぷんを晴らす…。
そんな世間一般的なサラリーマンの
普通の幸せ、息抜き、
ごくありきたりな一般的な幸せは、
3歳の理利に俺の夢を託し、
ガチで世界で戦うと決めた日から
俺には絶対に望めなかった…。
そんな生活がもう、15年以上続いている。
◆午後6時。
腹を減らせて空腹に耐え、
寒さに耐えて、雪上に立つ。
なぜだろう…
やっぱり最後に行きつく答えは
妥協を許さずに
「勝つために」
ただ、それだけしかない。
少なくても、後になって
「もっと練習しておけばよかった」
それだけは思いたくない。
◆今日だって何気なく過ごした当たり前の時間を
将来、自分が英恋と過ごした時間を振り返ったときに
特別な時間にするために。
◆俺たちはスキーに取り組む中では最高の環境にいる。
今日のリフト代、英恋400円。
◆しかも今日の音威富士スキー場は
井上さんのチームピヤシリに合宿に来ている
九州大学生が数人いるだけで
ゲレンデは全面貸し切り状態!
やべーだろ。
◆午後18:30
気温マイナス8℃。
大きな満月がライトアップされる
最高のロケーション。
バリっとしまった
こんな日本一の最高のバーン、
全面滑走貸し切り状態!
◆ナイター練習で使える時間は90分。
だからこそ、ダラダラせずに、
全力集中でこの90分間に
今日一日の練習の全てをつぎ込む。
◆最近、英恋がスマホを駆使して
このブログを閲覧して、
過去記事にアップされている
幼い頃の自分の記事を読み返している。笑
写真データを見て、
たくさんのアルバムをスマホに保管している。笑
過去記事に見る理利との想い出。
英恋の嬉しそうな表情を見ていると、
ときに世間の大バッシングを浴びながらも
やっぱり前田シスターズの成長記録を残せて
俺は大正解だって思える。
◆まだスキーにも乗れない2歳の英恋を
初めてここに連れて来て、正にこの場所。
音威富士スキー場に連れて来て、
二日酔いでゲ●を吐きながら、
充血した涙目で英恋にスキーを指導して
「何やってんだ俺?」
って、思うことも、これまでトータルで
100万回くらいあった。
◆4年後の冬。
まちがいなく英恋も俺は、もうここにはいない。
俺もたまにスキーを滑りに来るとは思うけど
そんな毎日毎日、滑りには来ない。
天気の良い日とか、温かい日とか、
スキーを楽しめる日だけ、
スマホを持って写真をパシャパシャ
撮りながら、雪を楽しむ。
そんな日だけを選んで
自由気ままに好きなだけ滑って終了する。
時間にも左右されない、自由な時間。
◆結果とか成績に左右されない、
脳天気に、スキーを楽しむ、
そんな、お洒落なオッサンでいたい。笑
◆御洒落で、このナイター照明を全部消して
月明かりだけで滑ってみたいと思った。
月に照らされ、雪明りが反射して
キンキンに照らされた最高のゲレンデ。
やっぱり、ここは英恋にとって最高のフィールド☆
◆雪上の 「F1」
その世界を制するために英恋も日々、
雪の上での技術向上を目指し格闘している。
アルペンレーサとしては避けて通れない
ポール練習や毎週のレース大会。
そこを差し引けば、
もしかしたら今時期は
一番スキーをエンジョイできるし
一番楽しい時期。
でも、やっぱり刺激として
レースは重要だし、必要だと思うし。
☆スキーのある最高の毎日