甲斐駒ヶ岳 赤蜘蛛ルート | 前橋山岳会

前橋山岳会

いつも山と一緒に呼吸していたいから

2024/7/20-22

甲斐駒ヶ岳 赤石沢奥壁Aフランケ

赤蜘蛛ルート

飯島、KNZ & ISK(会外)


ここ2ヶ月の間にあぶみを購入し、練習。

KNZさん、ISKさんの練習日程に合わないときもあるので、あぶみの吉本さんにお願いし、俺が行くわけでもないのに、、という声は聞こえないふりをして、三ツ峠と古賀志に付き合っていただきました。


練習中は、


 立つんだよ!

 なんで立てないんだ!

 下手くそ!

 お前なんか行けるか!


と、数々の叱咤激励を受け、


 立つんだよ! → お前なら立てる!

 なんで立てないんだ! → 立てるはずだ!

 下手くそ! →  伸びしろあるな!

 お前なんか行けるか! → むしろ、伸びしろたっぷりだ!


と、勝手に脳内変換し、前向きに練習に取り組んで、本番当日を迎えました。


初日。

登り始め1時間は特に、これでもか、というくらい身体中から汗が吹き出ました。途中から小雨が降ったり、止んだりで、少しだけ暑さはやわらぎましたが、長くて、重くて、辛い、黒戸尾根でした。


七丈小屋に着きテントを設営。


午後から日差しが出てきて、明日は期待できそう。

疲れた身体にムチを打って、翌日の偵察へ。


偵察は、ハーケンが打たれた木を覗き込んだところで、終了。

(そこには、ザイルの芯が剥き出しになったFIXロープがありましたが、翌朝行くと、新しいザイルに張り替えられていました。帰りにすれ違ったパーティが整備してくれたようです。ありがたい!)


帰りがけ、八号目岩小屋の近くに、ワイドクラックを発見。



2日目。

暗い中、悪いアプローチをこなします。

でもその先に、見るだけで胸が高鳴る景色が待っていました。


1ピッチ目

遠いと有名な2ピン目に、リードのKNZさんがヌンチャクを残置してくれましたが、私は、さらにヌンチャクにパニックをセットして登り始めました。

時間短縮のためです!(言い訳?)



2ピッチ目

ここが唯一安心して登れました。



3ピッチ目

思ったよりもリングボルトの感覚が近い。

でも、V字ハングを乗っ越した後、草付きの岩をのっこすところがかなり悪い。頼りない木を使い、なんとか体を岩にあげる。ここが一番怖かった。KNZさんのメンタル、凄すぎる。。




4ピッチ目

フリーでテラスまで。


5ピッチ目

木が生い茂る凹角から取り付き、その後、スラブをへて、核心手前まで。


6ピッチ目

見えました!来ました!

キレイなクラックのライン。核心ピッチです。

最初はリングが打たれていて(間隔は遠い)、その後、美しいクラックが伸びています。



フォローでもカムのアブミはドキドキする。

リードのメンタル、、、恐るべし!


終了点はリングボルト3つ。

そこに3人がハンギング。。。



7ピッチ目

ISKさんが遠いところにヌンチャクを追加してくれました。助かりました!!


8ピッチ目

おまけみたいなところをリードさせてもらう。


9ピッチ目

ここもおまけピッチかなと思ったら、濡れてて悪い!ISKさんが抜けてくれました。


最後、10メートルくらいザイルをひいて歩くと、終了点の岩小屋に到着。


ヘッデンの準備をして、岩小屋まで登り返す。


8号目の広場では、夜景がキレイでした。


久々にゆっくり、たっぷり寝て、翌日、下山。


ここ2ヶ月、頭の片隅に、あぶみ練しなきゃ、という焦りに似た思いが常にありましたが、この岩壁と対面でき、頑張って良かったと心から思いました。(と言っても、あぶみの技術はまだまだ、、、とほほ)


あらためて今回、素晴らしい機会をいただき、ありがとうございました!



飯島