こんにちはurahaです。
日差しはもう春ですね。
「俺は教えねーぞ。」
私の2人目の空手の師は良くおっしゃいました。
「なぜなら俺とお前らは違う人間だからだ。
体格も違えば性格も違う。経験してきたことも違う。
だから俺にとっての正解がお前らにとっての正解にはならないだろう。
だから俺の指導は
一人一人が自分で考えることを
大事にしている。」
師はコーチングをマスターされていました。
私は本当に良い師に恵まれたと思います。
柔道の時にもおじいちゃん先生に言われました。
「君、君は何か先生が教えてくれるのを待っているように見えるのだが
柔道の稽古というものは自分で考えるものですよ。」
最初の空手の師もおっしゃいました。
「手取り足取り全部細かく教えた時期もあったんだけど
それだと知っただけで満足しちゃって技を大事にしないんだよな。
自分で考えるように秘密を残しておいた方が自分で技を育てるんだ。
これが俺の指導の極意だよ。」
そんなわけで私は自分で技を工夫するのが大好きになれたのです。
私がもう一つ大事にしていることに
父が教えてくれた
”温故知新”
という言葉があります。
”古きを温め新しきを知る”
”一眼二足三胆四力”
という古い言い伝えが武術にはあります。
本来の意味は私は習っていないのですが
・目使いの工夫
・足使いの工夫
・胆使いの工夫
・力使いの工夫
を私は意識して
猫足立ち前羽の構えを稽古して来ました。
・目使いの工夫
”観の目”というのを自分なりに研究しました。
対義語?に”見の目”があります。
明るい所で字を判別するように意識を集中して静止物の詳細を認識する
それが”見の目”だろうと仮定しました。
対する”観の目”は
薄暗い所で無意識を広げて運動物の概観の変化を認知する
それが”観の目”だろうと仮定しました。
私が猟師だったころ
先輩猟師が
”木化け”
という技を教えてくれました。
「ダメダメそれじゃ鹿にすぐ見つかっちゃうよ。
木の後ろに隠れて顔をちょこちょこ出すのは一番見つかりやすいんだ。
そうじゃなく
なるべく太い木の幹の前に堂々と座って銃を構えたまま動かない。
これが”木化け”だ。
これが鹿にとっては見つけにくいんだ。」
つまり鹿などの野生動物は”観の目”を使っているのでしょうね。
”観の目”はすぐ出来、
その効果はすぐ実感できます。
道場稽古で黙想をすると思います。
全員が視界に入るポジションがオススメです。
その時薄目を開けて視界をわざと暗くして観るのです。
情報入力のための視覚細胞が
錐体細胞優位から桿体細胞優位に変わるそうですよ。
情報処理も
意識優位の直列処理から無意識優位の並列処理に変わるように思います。
道場内の景色は色が飛んでセピアカラーのコントラストになると思います。
すると全稽古生たちの動きが一度に手に取るように分かるのです。
「景色が見えなくなって風景が観えるようになる。」
とでも言えるでしょうか?
カラーの普通アニメが急にモノクロのフルアニメになったような感覚ですね。
認知科学によると
人間の脳は常に手抜きをしているのだそうです。
つまりアニメのように背景を静止画にしているそうです。
現実には背景の木々の梢の葉っぱ一枚一枚も風になびいていたり動画なのですが
そんな情報欲しくないので静止画にしてしまい
0・5秒だったですか?
それ位の間隔で静止画を差し替えているのだそうです。
問題はどこまでを静止画としてしまうか?です。
アニメも人物全体は動画にする場合と
顔と手足だけを動画にする場合
顔だけ動画の場合
クチだけ動画の場合
といくらでも手抜きが出来る様に
人の脳もいくらでも手抜き出来てしまうのです。
人によって手抜き具合が異なるのです。
これが初心者が回し蹴りが全く見えないで蹴られてから気付く理由です。
つまり危険を学習していないので相手の脚に大して興味がなく
脳が相手の脚も背景の静止画として処理してしまっているのです。
上段回し蹴りは0・22秒くらいですので0・5秒の間に余裕で収まってしまうのです。
従って相手の脚も動画処理する必要があるのです。
取敢えずはお勧めは観の目です。
この”観の目”を使うと相手攻撃も手に取るように観えると思います。
私が自由組手で最重要視していた技術です。
この技無しでは私の待ち拳は使い物になりませんでした。
私は球技的な動体視力は余り発達していなかったのです。
これが使えるようになって
2人目の師から「組手が上手い。」と言われるようになり
大会で一般部自由組手のチャンピオンにもなれたのです。
柳生十兵衛でしたか?
「極意はまつ毛にあり。」
ですね。
もう一つ別の目の使い方というか
観の目の応用技があります。
”わらび目”とか”キノコ目”とか呼ばれている目です。
頭の中で目的物であるわらびの画像をイメージします。
そのイメージをおでこのあたりにキープしたまま
観の目で一面緑の草原を繰り返しスキャンするのです。
するとノイズである雑草が光に溶け
目的物であるわらびだけが立体的に立ち上がってきます。
3D絵画の見えてくる感覚とそっくりです。
これはちょっとオカルトめいた話に聞こえると思いますが
信州の年配の方の多くは山仕事でマスターしている常識です。
私は30代で初めて教わったとき
(人間ってスゲー!!)
と思いました。
まだ使ったことの無い機能があったんだとビックリしたものです。
この技の原理は脳機能科学でいうRASフィルターだと思われます。
タダの無意識は並列処理で情報処理が高速ですがハッキングされやすいのです。
武道家や格闘家に、宗教家にたぶらかされる人が多い理由と思われます。
創造的無意識はRASフィルターというセキュリティソフトが入っているのです。
網様体賦活系とも言われるものです。
これを自由組手に応用します。
まず極めたい技を定めてイメージしておでこにキープしておきます。
観の目で相手をスキャンします。
相手の隙が光って教えてくれます。
出せば必ず当たります。
相手の方から当たりに来るが如しです。
フェイクはノイズとしてRASフィルターが自動でフィルタリングしてくれます。
つまり創造的無意識が無視してくれます。
私は2回だけ自由組手で出来たことがあります。
私は待ち拳志向だったので攻撃拳自体を滅多にやらなかったのです。
待ち拳も観の目を土台としたわらび目が望ましいです。
フェイントはRASフィルターがフィルタリングしてくれるので
引っ掛からなくなり隙が無くなります。
本打の起こりが見える様になり受けが楽になります。
受けの前の差し拳が先の先のカウンターになって行きます。
無意識は入れたモノしか出てきませんので
綿密に構築された約束組手を大量にこなすことや
タイプの異なる相手と色々なルールで自由組手をするなど
経験値を必要十分に上げておくことが必須です。
創造的無意識では
GOALイメージをリアルにすることで
未来の記憶を経験として使えます。
理想像がフィルターになって理想像を自分で体現出来る様になります。
わらび目は
釈迦がバラモン密教の修行中に達した
武における究極の極意
”如来”
の中核を占める技術ではないかと推察します。
・足使いの工夫
相手の攻撃が観の目で手に取るように観えるようになっても
相手攻撃がパワフルだと受けごと崩されることがあります。
それに対抗するために私は
私が柔道をやっていた時に個人的に開発した無足を転用しました。
これは後に空手の先生にも古流柔術でタックルを潰す技として教わったモノで
柔道の投げ技全般を簡単に無効化出来る優れものです。
瞬間膝を抜くことによりスキーでいう抜重状態を作るのです。
これにより簡単に位置エネルギーを利用でき
瞬間的には体重500kgwに匹敵する力学的力を発揮します。
それにより一見不動の猫足立ち前羽の構えでも
受けを物凄くパワフルにすることが出来ます。
しかも足裏が浮くので
相手のパワーを
私の身体を破壊することに使われるのではなく
私の500kgwを無駄に水平移動させることに使わせてしまえるのです。
現実には、重すぎるのでわずかに水平にずれるだけで
相手やはたからはビクともしないように見えます。
1t級の蹴りをまともに受け止めてもほぼダメージを無くせるようになって行けます。
私が受けているのを見て自分もできると勘違いし
同じ相手の蹴りをその場でブロックした最高師範が腕を折られていましたね。
無足は古流柔術極意”波状の浮木の位”の応用です。
この無足も誰でもすぐに出来ます。
言ってしまえば膝カックンをタイミングよくするだけです。
まずはミット持ちで試すと安全に絶大な効果がすぐ分かると思います。
1t級の蹴りをその場で素手で受けるには
次に紹介する不動智や本体、金剛力などを併用した方がより安全なのです。
力んだり緊張したりすると技として成立しませんので
ミット持ちという安全な状態から効果を実感した方が脱力が進みやすいと思います。
無足は攻撃力も上げます。
まず起こりが消えるので相手は反応が遅れます。
つまり当たりやすくなります。
しかも重さを増しつつ速度が出せます。
つまり威力が上がるのです。
無足により自分の足裏支持面積を自分で消滅させることで
表層筋収縮を強制終了させ筋紡錘と化します。
結果
圧倒的にパワフルでスタミナのある深層筋を働ける状態にもします。
かつ筋紡錘というオモリはクッションにも武器にも圧力感知センサーにもなります。
いわゆる脱力技法です。
筋紡錘も大変な可能性を秘めています。
私は”柔ら”の語源ではないかと思っています。
古流剣術極意”不動智”です。
まだ研究中ですが観の目と不動智がリンクすると
沢庵和尚が柳生宗矩に伝えた
”千手観音”という状態になるのではないかと思われます。
全方位的防御の要素になります。
・胆使いの工夫
逆複式呼吸法により腰椎を使いこなせるようにします。
生物は無脊椎生物から脊椎動物に進化して
飛躍的にパフォーマンスが向上しました。
つまり背骨を深層筋で使いこなせることが上達の肝なのです。
古流柔術極意”本体”です。
背骨を鞭のように使って波動運動を全身の筋紡錘に伝達するのです。
三戦やナイハンチで練ります。
これにより全身どこでも相手攻撃の接触面積を増やし、結果圧力を減らせます。
圧力=力/接触面積 ですからね。
古流柔術で言う身震いでしょうか?
沖縄空手で言う鞭身だと思われます。
柔道の受け身の原理の高度な応用です。
これ無しでフルコンはキツイと思います。
当然攻撃力も上がります。
突きでも蹴りでも
テレフォン動作無しで溜めを作れるようになります。
というかいつでも威力を発せられるように溜めをキープ出来る様になります。
三戦では前後に肚で弓矢を引くようにイメージし
ナイハンチでは左右に肚で弓矢を引くようにイメージします。
その威力は腕や脚の筋肉より太い深層筋の力です。
地面からの反動が不要になります。
ちなみに深層筋の筋組成は内臓筋に近いそうで
無尽蔵なスタミナを持ちます。
呼吸のし過ぎで呼吸筋が疲れて動かなくなったら死んじゃいますからね。
・力使いの工夫
膨張するイメージと収縮するイメージを拮抗させ
猫足の立ち方や前羽の構えを維持します。
習ってはいませんが意拳の争力からアイデアをもらいました。
これにより立ち方構え方が頑健になり
フルコン選手の1t級の攻撃圧力でも
猫足立ち前羽の構えのフォームが堅牢にキープ出来ます。
空間を維持出来ます。
古流柔術極意”金剛力”です。
金剛力無しで前羽の構えのフォームだけ真似しても
キックボクシングやフルコン選手の1t級の威力には構えは一発で潰されるでしょう。
構えの手足を折られるだけではまず済みません。
金剛力は上下左右前後斜めに同時に張れるので
全方位的防御が可能になります。
その上で弓矢を張るイメージを使うと
防御の中から反撃が出来ます。
一眼二足三胆四力
を基礎として
この上に
猫足立ち前羽の構えを活かした戦術、戦略を積み上げます。