こんにちはurahaです。

 

今日は桜が満開でした。

 

 

 

 

 

 

「俺は空手の選手が空手で戦っているのを観たことがねえ!」

 

私が40代の頃に師事していた先生が言いました.。

 

 

 

先生はバリトードなどに出ている空手の選手たちの戦い方に

 

不満があったのです。

 

 

 

 

先生は若い頃100人を超す暴走族のヘッドだったそうですが

 

防具付きで当てる伝統派空手のチャンピオンになり

 

先生の師の勧めで

 

暴力団からの「是非若頭で。」という話を蹴って

 

空手の指導者になったのでした。

 

その後フルコンタクト空手に興味を持ち弟子たちとフルコンに参戦

 

そしてグローブ空手も経験し

 

キックボクシングは後にシュートボクシングの創始者となるシーザー武士氏に習い

 

後楽園ホール最短KO記録保持者という

 

競技も強い実戦派の人でした。

 

私にボクシング式のパンチテクニックもトレーニングも指導して下さいました。

 

それでいて、寸勁や合気のような武術系の技も本当に使える達人なのです。

 

 

 

「ちょっとマウントポジション取ってみな。」

 

先生は指導員にマウントを取らせました。

 

「痛てて!」

 

指導員は直ぐにわき腹を抑えて逃げてしまいました。

 

??そばで観ていましたが良くわかりません。

 

先生は中高一本拳を高々と掲げて見せました。

 

 

 

「ルールもあって使えないのかも知れないが

 

 こういう部位の色々を有効に使い分けるのが本当の空手だ。

 

 だから裏拳、鉄槌、熊手、孤拳、鶴頭、貫き手、手刀、掌底、刀峰、背手、

 

 内腕刀、外腕刀、内小手、外小手、猿臂、肘と色々教えている。」

 

寝技や組技は急所が一時停止しているも同然なので

 

威力を一点集中させたり出来る攻撃部位

 

手打ちでも間合いが詰まっていても十分な破壊力を生める攻撃部位による

 

急所攻撃が

 

フットワークやボディムーブの使える立ち技打撃戦より確実に命中させることができ

 

大活躍するのです。

 

 

 

 

 

私がyoutubeの動画を観ていたら

 

アマチュアボクシング出身のユーチューバーが

 

殴られ屋をやる企画をやっていました。

 

コラボ相手はマッチョでキックボクシングの初心者のようです。

 

かなり目が良く完璧によけきりました。

 

しかしコラボ相手にまんまとはめられ

 

キックボクシング現役選手のタイ人ムエタイトレーナー相手に

 

殴られ屋をやる羽目になったのです。

 

軽いフェイントの後は全弾命中でした。

 

「こんなに違う?!」

 

そこそこ自信があったらしく心底驚いているようでした。

 

 

 

 

(これは?)

 

興味を覚えたので分析してみました。

 

そもそもどうしてボクシングのデイフェンスはパンチをよけられるのでしょうか?

 

間合いを外すとか

 

間合いを潰すとか

 

色々あると思いますが

 

このアマチュアボクサーはクロソイド曲線というものを使っているようです。

 

8の字とか

 

”の”の字とか

 

の曲線のことをクロソイド曲線、別名”安全曲線”と言います。

 

常に方向を変え続けている曲線なのです。

 

従って正面衝突があり得ません。

 

だから安全なのです。

 

武道の世界では「円」と言ってしまう事が多いですが

 

大抵はこの安全曲線を描いています。

 

円は接線と正面衝突してしまうので

 

安全曲線ほど安全では無いのです。

 

一般道のカーブで事故が多いのはこのためだそうです。

 

一般道は直線と円の一部をつないで出来ています。

 

つなぎ目が危険なのです。

 

スピードが出ていると対向車線に膨らみやすく正面衝突になりやすいのです。

 

一方

 

高速道路のカーブは安全曲線が採用されています。

 

走り屋さんは一般道のカーブでも道幅一杯を使い

 

安全曲線に近づけるそうですね。

 

私は追い越し車を巻き込むと危ないので減速しますが。

 

このアマチュアボクサーは安全曲線の軌道で頭を振っていたのです。

 

予め頭を振り続けるだけでも

 

もぐら叩き状態になって

 

時間的にタイミングを合わせづらい効果がありますが

 

安全曲線ならさらに空間的にも当たりづらく

 

当たってもダメージを減らせます。

 

 

ではムエタイトレーナーはどうやって当てたのでしょうか。

 

縦拳ストレートをよけさせといて

 

手首のスナップでそのストレートパンチの軌道をインパクト寸前で急変させ

 

グローブの掌側でインパクトし

 

首相撲に捉えるように頭をからめとり瞬間固定し

 

もう一方のパンチを当たるべくして当てたのです。

 

それをパンチ連打っぽくやったのです。

 

大道塾の市原海樹選手がストレートをインによけさせといて

 

手首のスナップで親指の付け根を当てるショートフックに急変するパンチを

 

得意にしていましたね。

 

必ず当たるフックと言われていました。

 

同じ原理ですね。

 

まずボクシングではこのパンチの急変、急カーブはあり得ません。

 

ナックルパートルールがあるのでボクシングには存在しないのです。

 

親指や掌などのナックルパート以外の部位を当てることは

 

反則になってしまうのです。

 

従ってボクシングでは

 

フックを打つときは

 

構えの段階でフックの形を作りナックルを相手に向ける必要があります。

 

アッパーを打つ時には

 

構えの段階でアッパーの形を作りナックルを相手に向けなければなりません。

 

勿論、捕らえておいて挟み込むように当てることもあり得ません。

 

ホールドもダブルフックも反則になるのです。

 

ちなみにダブルフックはデンプシーの得意技だったそうです。

 

つまり本来ボクシングでも効果的な攻撃だったのです。

 

喰らった相手が皆パンチドランカーになってしまったため

 

危険すぎるので禁止されたそうです。

 

パンチ急変もホールドもダブルフックも

 

ルールの異なるムエタイなので存在可能なのです。

 

ムエタイのルーツとも言われる南拳を同じくルーツに持つ

 

空手も当然同様のことが存在するはずです。

 

伝統派の剛柔流とか

 

フルコン系の極真などに伝わる

 

転掌の型に出てくる六機手がそうだと思います。

 

手首のスナップで上下左右に急変し色々な部位を当て

 

漁具のヤナ状に空間を運動して相手をからめとります。

 

そうなれば寝技における部位攻撃と同じで

 

部位が急所に百発百中です。

 

競技空手では使えなくても

 

バリトードなら応用可能なのではないでしょうか?

 

特に六機手の下への急変は

 

ダッキングからのカウンタータックルに対するカウンターになり得ます。

 

 

 

私はボクシングも観るのは大好きですし

 

東日本新人王の友人もいました。

 

ボクサーのことをリスペクトしています。

 

ボクシングのパンチテクニックも熱心に学びました。

 

その素晴らしさは知っているつもりです。

 

知り合いの日本フライ級1位まで行った元プロボクサーから

 

飲み屋でからんできたプロキックボクサーを

 

ワンパンKOしたと聞いたこともあります。

 

しかしながら

 

多くの空手家が

 

空手競技で使える技のみに集中して長年稽古してきたが

 

それではバリトードなどでは不十分だと感じた時に

 

ボクシングテクニックのみを盲信して

 

空手の手技の価値を過小評価している

 

というか実戦性を検証すること無く放置しているのは

 

とても勿体無いと感じます。

 

 

 

空手の手技もボクシングに勝るとも劣らない価値があると思うのです。