こんにちはurahaです。

 

今日はドライブ日和でした。

 

 

 

 

 

 

恵那インターを降りて暫く走ると

 

恵那銀の森が見えてきます。

 

今日はこの中にある

 

パティスリー GIN NO MORI に来ました。

 

ここのホワイトデー限定缶がお目当てです。

 

妻はこの店のクッキー缶が大好きなのです。

 

美しいブルーの缶は何缶か空き缶があるのですが

 

去年3月にラベンダー缶をゲットしそこねたので

 

今日は早起きしてホワイト缶でリベンジに来たのです。

 

 

 

私は基本クッキーは苦手なのですが

 

GIN NO MORI さんのクッキーはとても興味深いと思うのです。

 

 

 

 

 

 

私はスペイン料理人なのですが

 

一番好きな料理人は実は

 

フランス料理のミッシェルブラ氏です。

 

ミッシェルブラ氏は野草の魔術師と呼ばれています。

 

彼の店のある山深いオーブラック高地という土地には

 

特産品と呼べるほどの食材はありません。

 

しかし

 

ブラ氏は家族に伝わる野草の知識を足掛かりに

 

独学でさらに野草の知識を拡張し

 

比類なき独自のフランス料理を創り上げた

 

独学の天才シェフです。

 

普通、料理の多くは既存の食材のマリアージュを工夫するモノです。

 

ブラ氏は未知の食材もしくは忘れ去られた食材を掘り起こし

 

そのうえで奇跡のようなマリアージュをしたのです。

 

私も彼に憧れ、野草の研究をしましたが

 

やってみると簡単ではありませんでした。

 

 

 

野草はヘルシーなイメージがありますが

 

十分な知識が無いと危険なのです。

 

天然キノコと同じだと思っていただくと

 

理解しやすいと思います。

 

天然キノコはそれが食べられると知っているから食べられるのです。

 

素人が適当にキノコ狩りなどしたら命を落とすのは誰でも想像できることでしょう。

 

実は野草も大して事情は変わりません。

 

何故なら全ての植物は毒を持っているからです。

 

「何が?

 

 私毎日野菜や果物食べてるけど。

 

 むしろ野菜を多めに食べると調子良いけど。」

 

私も同じです。サラダ大好きです。

 

しかし本当なのだそうです。

 

私たち人間は動物なので

 

敵に襲われたら逃げれます。

 

もしくは戦えます。

 

動くことで身を守れます。

 

しかし動けない植物はどうやって身を守るのでしょうか?

 

 

そうです。

 

毒を身に付けることで身を守っているのです。

 

「いや、理屈は分かるけど実際食ってるし。」

 

それは植物に毒が無いのではなく

 

人間に解毒能力があるから食べれるのだそうです。

 

解毒能力は肝臓が担っていることはご存じと思います。

 

人間は体の大きさの割に脳がでかいとはよく聞きますが

 

もう一つ体の大きさの割にでかい所があります。

 

肝臓です。

 

肝臓の解毒能力は肝臓の大きさに比例するそうなので

 

人間は解毒が得意なように進化した動物なのだそうです。

 

つまり色々な毒を解毒出来るので色々な野菜や果物が食べれるのです。

 

あおむしはアブラナ科の毒だけ解毒できるのでキャベツは大好きですが

 

キク科の毒は解毒できないのでレタスを食べるくらいなら餓死を選ぶそうです。

 

人間はあおむしよりは遥かに色々食べれますが

 

まだまだ食べれない植物も色々あるのです。

 

ナス科やセリ科の解毒が苦手なようですね。

 

ナス科のトマトやジャガイモは食べていますが

 

トマトのへたやジャガイモの芽は猛毒ですよね。

 

ナス科のヒヨドリジョウゴやセリ科のドクゼリなどは致命的なようです。

 

 

そういう視点で見ると子供の好き嫌いには理由があるのが視えてきます。

 

ピーマン、トマト、ナス、などは、ナス科です。

 

人参、セロリ、パセリ、などは、セリ科です。

 

そして解毒能力は肝臓の大きさに比例します。

 

乳児は人参2本で致死量だと読んだことがあります。

 

大人が好き嫌いが少ないのも努力の結果では無さそうです。

 

つまり子供の好き嫌いなど体がでかくなれば勝手に減るもののようですね。

 

そういえば自分はそうでしたよ。

 

上に書いたような野菜は全部大嫌いでしたが

 

今では全部大好きです。

 

 

また野草の危険性はキノコの危険性と同じで

 

猛毒なものとそっくりな食べられるものがあるから厄介なのです。

 

セリとドクゼリはそっくりなうえ同じ場所に生えています。

 

致命的とまでは行かなくても健康に悪いものも多く

 

野草の独学は大変なのです。

 

 

 

 

GIN NO MORI さんのクッキーは

 

基本、”どんぐりの粉”で作られていますよ。

 

木曾などでは”ひだみ”と呼ばれ昔から親しまれています。

 

縄文人は照葉樹林帯で生活していたと言われ

 

栗やどんぐりを主食にしていたと考えられているそうです。

 

日本人の心の琴線に触れる味と言えるかもしれません。

 

とはいえ利用は簡単ではないようですね。

 

・水に浸け虫食いを選り分け

 

・10分間ゆで

 

・数日間天日干し

 

・1個1個、外皮と渋皮をむく(これが超大変)

 

・粉にひく

 

・コナラ属、ブナ属、クリ属は水にさらし、アクが抜けるまで毎日水を換える。

 

 抜きすぎても風味が落ちる

 

 (シイ・マテバシイ属はアク抜き不要)

 

・40度以下で乾燥

 

でようやくどんぐり粉の出来上がりです。

 

 

 

このアクというのが毒の一種だそうです。

 

人間の肝臓にとっては死ぬほどではないようですがね。

 

つまり毒か無毒かは個人の肝臓の解毒能力によって相対的に決まるようです。

 

ちなみに

 

毒のことを科学では化学活性が高いと言うようです。

 

薬のことを科学では化学活性が高いと言うようです。

 

化学変化を起こしやすいという意味です。

 

科学的には同じなようですね。

 

結果人間の役に立つ側面があれば薬と呼ばれるのでしょうね。

 

全ての薬に副作用があるとどこかで聞いたことがあります。

 

当たり前のことだったのですね。

 

”毒を以て毒を制す”

 

すなわち薬ということですか。

 

用法用量まもろうっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GIN NO MORI さんのクッキーは他にも

 

クマ笹、山査子、クコの実、山椒、木いちご、ケシの実など

 

森の食材が活かされています。

 

実はリサーチ不足で

 

ホワイトデー限定缶は3月からでした。

 

買ったのはウインター缶だったそうです。

 

 

 

お味のほどは?

 

クッキーには相当うるさい妻ですが

 

「今まで食べた中で一番美味しいクッキー。」

 

だそうですよ。

 

パティシエさん達に感謝ですね。