こんにちはurahaです。
雪雲に覆われて町が灰色です。
「うぎゃ!」
「うぎゃ!」
股間に2回鋭い痛み!!前屈みに!
肩!
首!
極められ顔面に膝!!膝!!膝!!
天井が正面!?
ヤバ!踏み蹴り!
ギリ転がって逃げ。
(「俺の前の人は踏まれて、げ*吐いた。」と先輩が言ってたっけ。)
素早く立ち上がる。
左の金的には悶絶しそうな激痛が
前歯はぐ ら ぐ ら
鼻からは滝のような・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
道着の前面は全面真っ赤っか。
長い人生でマジで*されると感じたのはこの時だけです。
それでも私はイジメを乗り越えた経験から
怖い時ほど逃げずに相手を観て
できることをして戦った方が良いと知っていました。
まずは
師範を正面に捉えます。
金的を守りたかったら
猫足立ち
猫足立ちは剛柔流空手や湖城流空手などの
那覇手で多用される立ち方です。
琉球の那覇港が中国福建省と貿易していた関係で
福建省で盛んな白鶴拳が那覇に伝わったそうです。
白鶴拳の創始者は女性だそうで
凄い美女だったそうですよ。
もともと少林拳の先生だった父親に
少林拳を仕込まれていたそうですが
ある日
鶴と蛇の戦いを観て悟るものがあったんだそうです。
華奢な女性なので普通に戦ったら男性の腕力にかないませんよね。
懐深く構える待ち拳で
急所に攻撃を返す体系にしたそうです。
本来は
手技も目突き中心
足技も金蹴り中心
ということでしょう。
とても実戦性が高く軍隊でも指導したそうです。
ムエタイの源流とも言われています。
両手プッシングや左ミドル、左ストッピングに影響が見て取れますね。
ジークンドーの創始者ブルースリー氏がイップマン氏から習った
詠春拳とは兄弟のような拳法と言われています。
白鶴拳-那覇手-剛柔流の流れを汲む
極真空手の創始者大山倍達氏。
その大山氏個人の組手スタイルは
現在の極真のフルコンスタイルとは大きく異なります。
三戦や転掌の型から導き出された
目突きと金蹴り中心の攻撃拳と
前羽の構えからの回し受け中心の待ち拳で
構成されていることは
御本人が自著などで公表されていますし
極真初期の直弟子さん達も折々で語っておられます。
「目突きと金蹴りがあるから空手が地上最強なのだ。」
と言うのが大山倍達氏の主張です。
そして
金蹴りと切っても切れないのが
猫足立ちなのです。
私が10代の頃に初めて空手を習った師範は
極真外部の人間にも関わらず
大山倍達氏の猫足立ち円の極意を
唯物弁証法を駆使して
徹底研究、徹底実践された
掛け値なしの真の達人でした。
師範の結論は
猫足立ちは
最も金蹴り攻撃が早く
最も金蹴り防御が早い
と言うものでした。
手技の
”前羽の構え”からの“目突き” ”円受け” ”円投げ”も
足技の
”猫足立ち”からの”各種蹴り” ”円受け” ”円投げ”も
どれも大変高度で実戦的で
さらに奥のエリクソ二アン催眠のような心技も
何段階もあるのですが
究極は金蹴りカウンターだけになるそうです。
実はこの高度な空手技術体系も
始まりは漫画だったそうです。
”虹を呼ぶ拳”
という漫画で大山倍達氏の存在を知り
スポーツではない武道としての空手の究極が
師範のGOALイメージになったのです。
漫画オタクの私としてはなんだかうれしかったのを覚えています。
誤解のないように言っておくと
師範は普段はとてもひょうきんで優しい方です。
「君はぼーっとしていて帰り道、不良にからまれそうだから
私が車で送ってってやろう。」
と仰って毎回稽古後に運転して送って下さるような方でした。
その時してくれるお話も大変貴重な面白いお話でした。
ただ組手は真剣なのです。
ご自身は受け技の百人組手を毎日一年間続けるという
命がけをはるかに通り越して自殺行為な修行をされて
猫足立ちを極めたのです。
最初の3か月は地獄だったそうです。
それはそうでしょうね。
普通は1日で十分生死をさ迷うそうです。
例外なく入院だそうです。
そもそも百人戦える人間は
フルコン史上に名を残す強豪のうちのさらに一握りの人間だけです。
ダメージによる死んだ細胞の破片が腎臓を塞いでしまうので
本当に命の危険があるそうです。
師範もやはり毎日1日中高熱で
全身ぶよぶよでミミズ腫れでない所はどこもなく
全身軽く触れるだけで飛び跳ねるほどの激痛
それでも弟子たちの前では平気なふりをして
「目突き、金蹴り、投げ、何をやってもいいから
*すつもりで掛かって来て下さい。」
と言って
百人組手を続けたのだそうです。
この確実に死に至る状況から生き残るために
師範のGOALイメージ実現用RASフィルターが
前人未到の神がかった反応力を探り当てたのかもしれません。
師範はご自身が納得の行く究極の強さに達するまで
弟子から月謝を取らなかったそうです。
独学だった師範は
「弟子達から学んだのだ。」
と仰っていました。
当時百人組手の相手をしていたお弟子さんたちの強さも
尋常でなくレベルアップしたようで
後年、そのうちの一人は
ふらっと立ち寄ったフルコン最大手のさる道場を
窓から見学していて体験をすすめられ
そのまま潰してしまっています。
弟子にもそんな強さを授ける覚悟で指導するので
弟子の側にも相応な覚悟が必要なのです。
とはいえ
(マジで*される。)
などと思っていたのは私の方だけで
師範はちゃんと手加減してくれていたんですけどね。
本来の円投げは
パイルドライバーのように受け身ができないように脳天を垂直に叩きつけ
間髪入れず首の骨を踏み折るのです。
転がって逃げることなど本当はできないのです。
安全のため転がれる角度で投げてくれてたのです。
金蹴りも左のタマが半分潰れただけです。
本来は内臓を破壊できるのです。
安全のため表面をパチンと蹴戻しただけなのです。
本当は二度と反撃などできないように技が作られているのです。
それでも
この恐怖体験により
猫足立ちの大切さは骨身に沁みました。
その後他の人との組手でローキック系は効かされた覚えがありません。
もちろん金蹴りも。
師範、本当にありがとうございました。