「大山倍達氏は、中国拳法史上にも日本武道史上にも稀な、
南派拳法系の技術を極めた達人である。」
私も幼い頃に、アニメと漫画の空手バカ一代にはまり、
中学生になった頃には、ポケットに小遣いをにぎりしめ、電車に乗って、
神田神保町の書泉グランデまで、大山倍達氏の著書を求めて通い詰めていたクチで、
いっぱしの大山倍達フリークを、自認していたのですが、
19才の時に、最初の空手の師匠にそう言われた時に、
目から鱗が落ちた気がしました。
いつの間にか、私の中で大山倍達氏は、
存在そのものが大好きなものになっていて、
技術を学ぶ対象ではなくなっていたのです。
大山倍達氏の技術面に興味を持たない。
それは、とても、、勿体無いことだ。
そう気付かされたのです。
師匠が徹底的に研究し実践し
私に組手指導して下さった、大山倍達氏の円の極意は、
素晴らしく美しいものでしたが、
同時に吐き気がするほど恐ろしいものだったのです。