本日の捜索で、新たな遺骨や遺留品の発見はなかったとのことです。
めぼしい情報としては、先に発見されていた人骨から個人を識別できるだけのＤＮＡ型が検出できなかった、ということかと。
また、これまでに発見された「左右の靴」と「片側の靴下」について、３点すべてが半径数メートルの範囲内で発見されていたとの情報も出ていました。以前にもこれと似たような情報はあったように思うのですが、「半径」という言葉が出ているのは今回が初めてかと思いますので、いちおう新情報扱いということで。
以下、ＤＮＡと半径の件、二つの関連記事を紹介させていただきます。
頭の骨、身元特定のDNA検出できず…ミトコンドリア鑑定へ “細胞核”との違いは? 美咲さん母「必ず無事で戻って」（FNNプライムオンライン） - Yahoo!ニュース
【ＦＮＮプライムオンライン】頭の骨、身元特定のDNA検出できず…ミトコンドリア鑑定へ “細胞核”との違いは? 美咲さん母「必ず無事で戻って」
4月23日、道志村の山中で子どものものとみられる頭の骨が見つかり、山梨県警は3年前に行方不明になった小倉美咲さん（当時小学1年生）との関連を調べるため、DNA鑑定を進めていた。しかし、頭の骨からは身元を特定するだけのDNAが検出できなかったという。今後、他の機関に依頼するなどして、時間が経っても鑑定が可能なミトコンドリアDNAの鑑定を進める方針。また、現場からは美咲さんのものと似た靴や子供用の靴下が見つかっているが、これについては現在鑑定を続けているという。
加藤綾子キャスター（以下、加藤キャスター）: DNAは検出できなかったということで今後、ミトコンドリアDNAでの鑑定を進める方針だと。骨からだと難しいと以前から言われていましたが、このミトコンドリアDNAというのは、どのようなものですか。
フジテレビ解説委員 平松秀敏（以下、平松解説委員）: 図の真ん中に「核」というのがありますね。これまでは、細胞核に含まれているDNAを見つけ出そうという作業を進めてきたんですが、残念ながら細胞核からはDNAを検出することはできなかった。身元を特定できるだけのDNAは見つからなかったということなんですね。なので、方法を変えましょうと。真ん中にある核ではなく、その周りにあるミトコンドリアという部分から、DNAの特徴を鑑定しようと。やり方が変わるということです。
加藤キャスター: 方法を変えることで、特定できるようになるんですか?
平松解説委員: 私のこれまでの取材経験でいくと、精度が随分下がる、落ちると言われている。我々が普段、DNA鑑定と言ってるのは、細胞核の方からのDNA鑑定なんです。これはもう今、世の中に2人と同じ人間はいないくらいの精度で鑑定できるんですが、ミトコンドリアDNAの鑑定はそこまで精度が高くないと言われている。今後の鑑定作業にもよりますが、後頭部の骨が誰のものかまで特定できるかどうかは、何とも言えない部分です。
加藤キャスター: 可能性を求めて、ということなんですね。
平松解説委員: 今回は3年ほど経っていますし、多分雨風にさらされたりしているので、骨の状態があまりよくないんだと思います。なので細胞核は取れず、ミトコンドリアの方に鑑定方法を変更するのだと。
加藤キャスター: ミトコンドリア型DNA鑑定になると、どれぐらいの時間が必要になってくるんですか。
平松解説委員: 例えば、拉致被害者の横田めぐみさんの遺骨だといって、北朝鮮からが返還された骨があったんですが、これは焼かれていた。疑わしいということで、DNA鑑定を日本国内で行いました。その時にミトコンドリア型のDNA鑑定を進めたんですが、かなり時間がかかりました。骨の状況もあると思いますが、1日や2日、1週間、といった単位で鑑定作業が進むとは思えないですね。
加藤キャスター: 靴や靴下についてはまた別で鑑定を続けていくと。
平松解説委員: 靴や靴下の鑑定作業は、まだ本格的には進められていないんですが、当然有力な証拠ではあるので、あの靴や靴下が美咲さんのものかどうかというのは今後、これもDNA鑑定が進められるということですね。（後略）
【ＦＮＮプライムオンライン】「靴と靴下」半径数メートルで発見 美咲さん母「必ず無事で戻って...」 DNA鑑定は骨や靴でも
数メートルの範囲内で相次いで見つかった、子ども用の運動靴や靴下。警察は、この場所を重点的に捜索するとともに、行方不明となっている小倉美咲さんとの関連を調べている。
（中略）
4月、子どものものとみられる頭の骨の一部や靴などが見つかった、山梨・道志村の現場。警察による捜索は、2日も朝から40人態勢で行われた。その場所は、行方不明の小倉美咲さんが最後に目撃されたキャンプ場から600メートルほど離れた、枯れた沢の周辺。この沢では、頭の骨の一部のほか、靴と靴下が相次いで見つかっている。靴と靴下は、半径数メートルの範囲内で発見されたこともわかった。（後略）
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あと、今回の件に関して、ユーチューブ上では様々な方面から情報であるとか見解であるとかが発表されているわけですが、
そうした動画を拝見していて、個人的に「興味深い」とか「役に立つ」と感じられるものがけっこうあるわけです。
今回そうした動画の中から、以下に少し紹介をさせていただきたいと思います。
■ 宮城・東北アルグ ハシデイグ氏の動画
アルグ氏は美咲ちゃん行方不明事件に関して
「椿沢源流付近までの沢登り」
「川さらい」
「登山道の踏査」
など、詳細な現地探索動画をあげてこられた方なのですが、今回の涸れ沢における一連の発見についてかなり驚くべき内容の動画をあげておられたので、紹介させていただきます。
動画中でアルグ氏は、
「今回涸れ沢で発見された頭骨の一部は、もともと自分（アルグ氏）が２０１９年９月２６日（つまり美咲ちゃん行方不明の５日後）に現地捜索をした際に当該涸れ沢近くの林道で発見していたものである可能性が高い」・・・とされ、結論として、以下５つのことを主張されていました。
１． 今回発見された頭骨の一部は、美咲ちゃんのものではない
２． 以前にアルグ氏が頭骨を発見したあたりの山中に、美咲ちゃんとは別の子供が埋められている
３． 美咲ちゃんは遭難ではなく誘拐事件である（そしてその誘拐犯が、今回発見された頭骨の持ち主＜美咲ちゃんとは別の子供＞も山中に埋めたのである）
４． 犯人は地元民の可能性がある
５． （犯人像としては）まじめな風貌の６０～７０代の男性である
驚くべき内容だと思うのですが、しかし仮にこの通りであれば---「あの涸れ沢で発見された頭骨の子はどうなるのか？」という別の問題が発生するにせよ---今現在なんとなく絶望視されている美咲ちゃん生存の可能性に一筋の光明が見えてくるということではないでしょうか。
個人的には、先日の靴の発見に際して
「いつも感情を抑えて取材に対応していたのですが、ごめんなさい、今日は感情を抑えることができません・・・」
と言って泣き崩れたあのお母さんの痛ましい姿を見ているだけに、「骨も靴も靴下も美咲ちゃんのものではなかった」という大どんでん返しがあってくれればと思い、そこに期待を持たせてくれる情報ということで、紹介させていただきました。
■ えむすけ氏の動画
この方は、美咲ちゃんが行方不明になった当時に山梨の民放で記者をされていたとのことです。
当時の捜索規模や捜索範囲のことなど、元地元記者の方ならではのお話も出ており、これはなかなかに無い貴重なものと思いましたので、紹介させていただきます。
えむすけ氏による情報の中で私が特に興味深いと感じたものの一つに、
「今回の事件の情報をいち早く知りたいと思う場合は、テレビだと日テレ系列・ＴＢＳ系列、ＮＨＫを見ているといい」
というものがありました。（あくまで「基本的な傾向としてはそうであり、例外はある」という風にえむすけ氏も仰っていますが。）
その部分は、えむすけ氏の動画『元記者の見解 山梨・道志村の女児行方不明事案について～その②～』の９分２０秒あたりから語られている内容です。（下の動画）
該当部分の文字を起こしましたので、いちおう下に紹介させていただきます。
「すみませんこれは小話なんですけれども、今回の事件（山梨女児行方不明事件）の情報をいち早く知りたいなと思う場合は、たぶんテレビだと日テレさんかＴＢＳさん系列を見てるといいと思います。なんでかっていうと、まあ山梨っていうのは民法が２つしかないエリアで、日テレ系列の山梨放送と、ＴＢＳ系列のテレビ山梨の、この２つしかないんですよ。テレビ朝日さんとフジテレビさんはまあ『支局』っていう形で置いてるんですけれども、日々ローカルニュースを作ってて常に警察取材をしてる『系列局』と、なんかあった時だけ基本的に（ニュースを）あげるっていう『支局』では、やっぱりどうしても『系列局』のほうが強いっていう事情があるんで、まあ昨日みたいに警察が発表してっていう事案であればAbemaさんとかのほうがこうね、昨日ぼく一番最初に見たのがテレ朝さんだったんですけど、こう、そっちのほうが早いって場合もあるかもしれないんですけど、（山梨では）基本的に捜査関係者がらみのオフィシャルじゃない情報が出てくる時っていうのは、日テレか、ＴＢＳか、まああるいはＮＨＫかっていうこの３つ、または新聞とかもあると思いますけれども、基本的にはこのＮＨＫも含めた３局を見てると・・・、すみません別に前いた会社とか日テレさんとかＴＢＳさんから金もらってるわけでも何でもないんですけど・・・まあ、そういう事情もある地域です山梨っていうのは。」
（繰り返しますが、あくまで「基本的にはこうした傾向で、例外もあるので参考程度に・・・」という趣旨のお話かと思います。）
■ 小川泰平氏の動画
テレビでもおなじみ、元神奈川県警の刑事で犯罪ジャーナリストである小川泰平氏の動画です。私が注目した部分は、小川氏が
「警察発表では、今回一連のものが発見されたエリアは一度だけではなく何度か捜索されたエリアだ」
と述べておられる点で、
私は、自分が目を通したマスコミ情報ではことごとく「あのエリアは過去に捜索されていたエリアであった」ということが言われている一方で、一部ネット上に「あのエリアは捜索がされていない（あるいは手薄だった）」ということが確定事実のように言われていたので、本当のところはどうなのだろうかと思っていたのですが、いちおう小川氏の動画では上のように述べられているようです。
（実のところ自分的には、あのエリアが過去に捜索されていたエリアかどうかとか、捜索時に見落としがあったとか無かったとかは、ほぼ気にしていないのですが。）
■ ＭＢＳニュースの動画
図がよくできており内容もまとまって分かりやすいと感じました。こちらにも犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が出演されています。
いまだに未発見である衣類の部分がどういうところにあるのかについて、警察官時代の捜索経験に基づく推測をされており、参考になりました。
■ ＡＮＮニュースの動画
この動画はすごいですよ。近隣住民の方とか地元の猟師の方とかが登場されるのですが、すがすがしいほどの断定的な語りっぷりです。（ただ自分的には、一連の遺留品の発見現場まで子供の足で行けるかどうかということにはあまり関心がないのですが。行けるかどうかといえば、「頑張れば行けるのでは？」と思います。）
ちなみに本題とは無関係なのですが、自分はここに出演されている猟師の方のファンになりました。朗らかそうな方で・・・先日からチラホラ出ていらっしゃいますよね。