世田谷一家殺害事件・その2 | 雑感

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世田谷一家殺害事件

(賊はそのハンカチにドラッカーノワールの匂いを漂わせていたという。)

 

※※ パソコンからご覧の場合で、画像によってはクリックしても十分な大きさにまで拡大されず、画像中の文字その他の細かい部分が見えにくいという場合があります(画像中に細かい説明書きを入れている画像ほどその傾向が強いです)。その場合は、お手数ですが、ご使用のブラウザで、画面表示の拡大率を「125%」「150%」「175%」等に設定して、ご覧いただければと思います※※

 

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 黒ハンカチに香水がついていた理由を考えてみる

 

犯人が現場に遺留した黒ハンカチからは、香水の匂いが漂っていたと。

香水は、フランス製のドラッカーノワールというもの。

(ドラッカーノワール = "黒い海賊船"の意味)

 

『真犯人に告ぐ!未解決事件ファイル(朝日新聞出版)』によると、

 

「流し台の上、廊下のトイレ前の床上には『ドラッカーノワール』の香りと血のにおいを漂わせた黒い2枚のハンカチが落ちていた。」

 

(同書では、ラグランからもこの匂いが出たと書かれているが、とりあえず警視庁による公式資料や、ポリスチャンネルの動画には、ドラッカーノワールがラグランからも出ているという一文や説明はない。)

 

世田谷一家殺害事件

(警視庁公式資料より)

 

特別捜査本部・野間警部の解説(ポリスチャンネル)によると、

 

「これは香水です。あのー、現場に残されてましたハンカチですとか、あとはヒップバッグの中から香ってきた匂いになります。 フランス製で、ドラッカーノワールという商品になります。全国の量販店などで、30ml入りで約3000円くらいで販売されていました。」

「このハンカチには、香水の匂いが付着しておりました。先ほど説明しました、フランス製のドラッカーノワールという香水になります。こちらの男性用の香水になるんですけれども、ちょっと嗅いでみますか?」 そう言って、女性レポーターの前でドラッカーノワールのボトルを3プッシュ。女性レポーターはそれに顔を近づけ、香りの強さに軽く驚いた様子で、「あっ、凄いほんとにこう、男性がつけている、こう何ていうんですかね、ちょっとツーンとした 香りがしますね」とコメント。それを受けた野間警部が続けて、「このような香水をハンカチにつける、もしくはつけたことがある、そういう使い方をする人(を知っているという方は)---中略---捜査本部のほうまで、情報をいただければと思います」

世田谷一家殺害事件

 

凄惨な現場に落ちていた2枚の黒いハンカチ、そこから漂うドラッカーノワールの香り・・・

 

この謎めいた状況を説明するため、様々な推理がなされていると。

 

犯人は、なぜ黒いハンカチに香水をつけたのか?

 

思うに、それを知るためにはまず、犯人が「いつ、どこで」ハンカチに香水をつけたのか、

そこから知る必要があるのではないかと。

そして、「どこで」を知るのは難しいとしても、

「いつ」を知る---というか推測ですが---のは、けっこうできるのではないか、

 

すなわち、12月31日(日曜日)午前10時50分ごろの入江家による110番通報を受け、

警察が宮澤さん宅に駆けつけ、黒ハンカチやヒップバッグを回収し調べたときには、まだ香水の香りが残っていたと。

とすると、香り成分の残留時間や付着していた量、当時の気温室温なども関係してくるんでしょうから、そう単純には言えないかとは思いますが、

とりあえずこの2枚のハンカチに香水がつけられたのは、犯行発覚の前日、すなわち、犯行当日(12月30日・土曜日)のいずれかの時点であった・・・

 

こう推定してみるのが、穏当ではないかと。

(追記: この記事中、黄色文字の部分については、事実と異なる可能性が高いと思われます。詳しくは、下のほうに出てくるの説明をご覧ください)

 

次に、野間警部によると、

「これは香水です。あのー、現場に残されてましたハンカチですとか、あとは、ヒップバッグの中から香ってきた匂いになります。」

とのことで、香水の匂いが漂ってきた物として、

 

「ヒップバッグの中」

 

という言葉が出ていますが、

犯人は、2枚のハンカチ、ヒップバッグの内側、これらのうち、どれに香水をつけたのか、

例えば、2枚のハンカチにはそれぞれに香水がつけられていたが、ヒップバッグの中から漂ってきたのはハンカチからの移り香に過ぎなかったとか、事実はどうだったのか?

そのあたりは、各品への香水成分の付着量などから、警察にはわかっているものと想像しますが、こちらにはわからないと。

そこで想像してみる、こちらで設定するしかないわけですが、

 

1. 「ハンカチは、2枚ともに香水がつけられていた」・・・一方が他方の移り香である等ではなく、両方のハンカチに香水がプッシュされたと仮定。

2. 「ハンカチ2枚に、同じタイミングで香水がつけられた」・・・1枚は前日につけられ、もう1枚は犯行当日につけられた、とかの変則的な要素は考えない。

3. 「香水をつけたのは、犯人自身だった」・・・「犯人がどこかで置き引きしたバッグの中に、たまたま香水つきの黒ハンカチが2枚入っていたので、それを犯行に利用した」等の変則的な状況は考えない。

4. 「ヒップバッグ内には香水はつけられていなかった」・・・ヒップバッグ内から漂ってきた香水の匂いは、ハンカチ2枚からの移り香であったと仮定。

 

上のような設定をしてみたいと。

 

そしてこれらの設定に、

 

「ハンカチに香水がつけられたのは、犯行当日(12月30日・土曜日)のいずれかの時点」

 

という先の推測を合わせれば、(あくまで設定的な)結論としては、

 

「香水は、犯行当日(12月30日・土曜日)のいずれかの時点で、犯人自身によって、2枚のハンカチだけに、同時につけられた

 

ということになるかと。

 

犯行当日に香水をつけたということ、

また、2枚のハンカチはその時点ですでに穴ぼこ(切裁痕)だらけになっていた可能性があるということ、

その状況からすれば、香水をつけた理由として、

「女性受けを狙う」

「男の身だしなみ」

「相手に好印象を与える」

等々の理由は、とりあえず排除していいのではないかと。

(犯行当日の、しかもおそらくはすでに切裁痕が多数あっただろうハンカチへの香水散布が、身だしなみ等、お洒落目の目的であったとは考えにくい。)

 

そこで、他の理由を考えてみるわけですが、

ひとつ前の記事で、

 

「ハンカチのうちの一枚は、三角覆面として使われた」

 

と推測したわけで、

三角覆面といえば、鼻や口元を覆うものだと、

そこに香水をつけた理由としては、

犯行に際してその匂いを嗅いで、心を落ち着かせたかったとか、

あるいは、香水の匂いで気分を高めたかったとか、

またあるいは、返り血を浴びることを想定し、ハンカチ(三角覆面)に香水をつけておくことで血の匂いを消そうとした・紛らわせようとしたであるとか、

そんな理由も思い浮かんでくるのですが、

 

しかし例えば(露骨な言い方であれですが)

血まみれの遺体が横たわる、その真横のトイレ(中2階)でクソをしながらバッグを物色するであるとか(しかもけっこう長居)、

血まみれの遺体が横たわる、そのすぐわきでカップアイスを絞り出して食いながら、パソコンでネットをするであるとか(1階)、

この犯人に果たして、

 

「香水の匂いで、気分を高める」

「香水の匂いで、心を落ち着かせる」

「香水の匂いで、血の匂いを消す・紛らわせる」

 

などという発想や神経、ある種のデリカシーというのか、

とにかくそんなものがあったのかどうか、

率直に言って、自分には疑わしく思われると。

 

むしろ、自分的に思うのは、

犯人は確かに、その香水をつけることによって、

何かの匂いを消そう・紛らわせようとしたのだろうと、

しかしそれは、「血の匂い」等ではなく、

単に、事件の少し前あたりに、「三角覆面」として試しにハンカチを装着してみたときに鼻を突いた、

 

「不快な臭気」

 

だったのではないかと。

 

その「不快な臭気」がなんだったのか、それはわかりませんが、

あえて想像してみるとすると、例えばそれは、

どこかに長らくしまい込まれていた間に付着した、しつこい防虫剤の匂いであったとか、

あるいは、生乾きの状態でヒップバッグに押し込んでいるうちに、バクテリアがわきまくっていたとか、

またあるいは、最後に洗濯(アイロンがけ)をしてくれたのは秋口ごろに雑魚部屋で同居していた女の子のようにまめな同居人であって、その同居人が引っ越し(あるいは帰国)して以降は、洗濯されることもなくなり、アイロンの折り目だけはついているが、ハンカチはその後も、皮脂や汗、場合によっては口元の唾液を吸い続け、やがて、鼻が曲がるほどの臭気を放つに至っていたとか、

おおむね、そういったところが想像されるかと。

 

いずれにしても、

 

「うまくいくにしても、しくじるにしても、顔は隠しておく必要があるだろう。覆面は、この黒ハンカチで十分だろう」

 

などと思いながら、試しにハンカチを装着してみた瞬間、

 

「うっ、これはキツイ・・・」

 

思わず顔をしかめた男が、慌てて取り出したのが香水(ドラッカーノワール)だったのであり、

それを、10プッシュほどもハンカチにふりかけた、

つまり犯人がハンカチに香水をつけたのは、

ハンカチについた不快な臭気を消す・紛らわせるためだった・・・

などと妄想してみるわけですが、

 

ここで疑問がわくわけです。

 

つまりこのブログ的には、

 

「犯人は、2枚のハンカチの両方に香水をつけた」

 

これが設定であったと。

 

しかし、顔に装着する(三角覆面として用いる)のは1枚なわけだから、

香水をつけるのなら、その1枚だけにつければよかったのではないか、

なぜ犯人は、2枚ともに香水をつけたのか?

(もう1枚は、犯行時に「包丁を握る際の滑り止め」として使用されたというのが、このブログ的な設定。)

 

香水は、2枚のハンカチにつけられていた(あくまで設定ですが)・・・

 

この状況を素直に見れば、実は当初、

ハンカチは、2枚ともに「三角覆面」として用いられる予定だったのではないか、

そして、1枚が犯行時に「包丁を握る際の滑り止め」として用いられたのは、

犯行現場で---おそらくは侵入時と予想しますが---想定外のことが起きたための、急な予定変更だったのであり(急ごしらえのため、滑り止めとしては異様にちゃち&香水つきという謎なものに)、

当初2枚の覆面用黒ハンカチ(香水つき)が用意されていた以上、

その覆面で覆い隠すべき顔も、犯人のほかに、

実はもう一つあったのではないか・・・

 

世田谷一家殺害事件

 

などとも想像されてくるわけです。

 

(そう考えると、「ドラッカーノワール」なども、実は犯人の所有物ではなく、その「もう一つの顔」の所有物であり、犯行前に試着してみた黒ハンカチの臭気に悶絶し、「おい、これ最後に洗濯したのいつだ? これを俺にしろってのかよ?」などと言いながらドラッカーノワールをハンカチにプッシュしたのも、その男だったかもしれない、などとも思えてくると。

もちろん、勝手な設定の上に無理やり成り立たせている、突っ込みどころ満載の妄想にすぎませんが、このあたりの妄想的展開については、「まとめ」の時に書いてみようかと思っています。)

 

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 設定設定と、こちらで勝手に「設定」を作りまくっていますが、

警視庁の資料を見直したところ、上の記事中の黄色文字の部分に関して、次の画像の記述がありました。(赤矢印の先)

 

世田谷一家殺害事件

(警視庁公式資料より)

 

ここに、「凶器を包んでいたハンカチについていた香水」とあります。

当方的には、2枚のハンカチのうちの一つは三角覆面に、もう一つは、包丁の柄をつつんで滑り止めに用いられた、との設定でしたが、

この図で警視庁が言っている「凶器をつつんでいたハンカチ」というのは、「包丁の柄をつつんで滑り止めにされていたと見られているほうのハンカチ」を指していると思われ、

こちらに「香水がついていた」、と、警視庁の資料にはあるわけです。

とすると、「香水は、ハンカチ2枚ともにつけられていた」とした昨日の当方の設定は、おそらく事実に反していると。

(警視庁のこの書き方では、「三角に折られていたハンカチ」からは、香水成分が出ていないようにも読める)

 

「設定」と言ってはみても、事実に反するようなそれではいけないと思いますので、

その点を明らかにしておきたく、今回、この画像を紹介させていただきました。

ただ、自分的には「この事件の大まかな流れは、こうだったのでは?」と考えている妄想的筋書きがあり、

この事実、すなわち「香水付着 = 滑り止めに使われたとみられるほうのハンカチのみ」という事実が、その妄想的な筋書きに影響するかというと、ほぼ影響しない、大筋は変わらない、ということなので(影響しろよという感じですが・・・)、このままどんどん、書き進めていこうかなと。

 

犯人に激臭の覆面をさせてやれたとほくそ笑んでいたので残念ではありますが、香水のハンカチへの付着に関する警視庁の説明は、画像の通りですので、

この記事中の黄色文字の部分や、それに関連している個所については、

事実に反する設定およびそれに基づく推理である可能性が高いものとして、注意して読んでいただければと。

 

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 犯人が家に入った時の状況を考えてみる

 

家に招き入れられたのかとか、

それとも、こっそり忍び込んだのかとか、

そういう問題についてです。

 

この点、ひとつ前の記事で、

 

「現場に遺留されていた三角に折られた黒ハンカチは、覆面のために使用されたもの」

 

との見方に立ったので、

 

世田谷一家殺害事件

(こんな感じ?)

 

その見方を前提にすると、

 

「黒覆面をした人間を招き入れる」

「招き入れられた人間が、その後に、黒覆面をして犯行に及ぶ」

 

とかの状況は、やはりイメージしにくいと。

(ありえないとは言いませんが)

 

先の前提から単純に想像して、

犯人は、不法に侵入したんだろうな、

と思っています。

 

(ただ、この問題は現場の状況をどう見るかによって変わると思われ、

ユニクロのジャンパー<エアテック>の状況を重視したり、

黒ハンカチについて別の解釈をするであるとか、その他いろいろと、

「招かれて家に入った」

という見方に結び付く材料も、あるのではないか、とは思います。

自分の場合、結論ありきになってしまうのですが、

「黒覆面をして犯行に及んだ」という前提を崩さないので、

それと整合しにくい他の状況は重視しない、

ということで考えてみようかなと。)

 

ついでながら、

 

「三角覆面をして不法侵入してきたなら、泥棒・強盗っぽい。宮澤家にそんな『顔見知り』がいたとは思えないから、犯人は、いわゆる顔見知りではなかっただろう」

 

とも思えてくるのですが、

そこは、一概には言い切れないかもしれず、

友人知人であるとか、時々道ですれ違うだけの赤の他人であるとか、

関係の深い浅いの違いはあれど、

 

「宮澤家の誰かと互いに顔を見知っている関係だったからこそ、犯人は、覆面で顔を隠していた」

 

その解釈もできるのではないかと。

 

なので、犯行の際に三角覆面をしていた、という前提だけからは、

互いに顔を見知った関係であったかどうかは、

なかなか推測しにくいかなと。

 

世田谷一家殺害事件

(帽子に三角マスク、黒ジャンパー・・・この装束だったことを前提にすると、

みきおさん「ようこそいらっしゃい。まあ、ここじゃなんだから、上がって話していきなよ」

とは、なりにくいのではないかと)

 

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 どこから侵入したのか

 

さて犯人が不法に侵入したとして、その侵入口は、どこだったのか?

 

この点、決めつけになりますが、

 

中2階風呂窓一択

 

この線で考えてみたいと。

 

世田谷一家殺害事件

(ポリスチャンネルの動画より、宮澤家裏手、中2階の風呂窓を見上げるクラッシャーハットの男)

 

いちおう、参考にさせていただいた資料---『真犯人に告ぐ!未解決事件ファイル』---の中から、侵入口~についての記述を抜き出してみると、次のようではあったと。

 

「(事件)発生当初は(侵入口は)玄関とも報じられたが、捜査本部は現在、2階の浴室の小窓から犯人が侵入したと断定している。」

「玄関説は、隣に住む第一発見者である泰子さんの母親が、玄関の鍵は最初から開いていたのか、自分が合鍵を使って入ったのか、気が動転し、記憶していなかったことに端を発した。一家が日常使っていた鍵は7本(5本は宮澤家玄関の鍵で、2本は泰子さんの母親宅の合鍵)だが、検証の結果、宮澤さん宅からは計7本の鍵が発見されている。」

「2階の浴槽から、みきおさんのものと思われる緑色の小銭入れに付けてあった鍵が2本、眼鏡ケースの中に入っていたキーホルダー付きの泰子さん所有の鍵2本が見つかり、残り3本は1階の事務所兼学習室にあった。1本はにいなちゃんのランドセルにぶら下がっており、2本は本棚の上に置いてあった。本棚の上の鍵は泰子さんの母親が31日朝、玄関から家に入った時、持ち込んだものと判明し、鍵はすべて外部から持ち込まれたものではなく、家にあったものとされた。」

「玄関ドアのノブ付近から犯人の指紋は検出されず、ルミノール試験による血痕検査の結果も陰性だったため、玄関説は消え、侵入口と逃走口はいずれも2階の浴室の窓と推定された。」

「第一発見者の泰子さんの母親によると、浴室の小窓は発覚時、開けっ放しだったが、『いったん窓を閉めたが、また開けた』という。『小窓の網戸が外れて落下していたこと。窓辺に飾っていた山茶花(さざんか)の鉢も落ちていたこと。脱出時、犯人が2階から飛び降りた時に付着したと思われる犯人の足跡が公園の地面に残っていたことから、浴室の小窓が侵入出口と断定された』(捜査員)」

「プロファイリングで犯人の年齢は当時15~35歳の1965~85年生まれとされ、体系は細身と分析された。その根拠は、犯人が宮澤邸とすぐ裏手にある公園の狭間にあるフェンスの金網に片足を、もう片足を風呂ボイラーに置き、2階の風呂場の小窓の縁に手をかけ、懸垂しながら体を小窓に滑り込ませて侵入するという軽業を見事にやってのけたからだ。『犯人と体格が似た細身の学生に風呂場の小窓に上らせたら、数秒で中に入った。俺ら親父にはキツいが、運動神経のいい若者なら難はない。(警視庁捜査一課元幹部)』

 

世田谷一家殺害事件

(ストリートビューで、宮澤家の裏手を見てみる。向かって左が宮澤家、右が入江家。両家をこうしてポッポ公園側から見ると一軒の家のように見えるが、内部では壁で隔たっており、みきおさんの意向で、防音はかなり行き届いていたという。枝が邪魔してますが、水色矢印の先が宮澤家の中2階風呂窓。ピンク矢印の先が給湯器。手前に見えている金網のフェンスは高さ約1.8m、このフェンスと宮澤家の壁の距離は90cmとのこと。それと、「2階」とか「中2階」とかを厳密に区別していない場合が多いようで、本音的にはどっちでもいいじゃないかとは思うのですが、いちおうこのブログでは、2階と中2階は分けて考えることにします。)

 

「捜査本部は現在、2階(中2階)の浴室の小窓から犯人が侵入したと断定している」

 

上の長い引用文にはそうありますが、しかし、浴室小窓からの侵入一択とする根拠が、引用文の中にあるかというと、そこまでのものは見当たらないのかなと。

 

思うに、侵入口を中2階風呂窓一択とするためには、

例えば、侵入したときに付いたとみられる指紋、掌紋、足跡等が中2階風呂窓まわりから採取されるとか、あるいは、犯人が中2階風呂窓枠を通り抜けたときに付いたとみられる繊維片が採取されるとか、またあるいは、中2階風呂窓まわりの微物が犯人の衣服に付着しているであるとか、浴室に降り立った時の泥付き足跡が残っているであるとか、その泥に含まれる成分と風呂窓すぐ下の土に含まれる成分が一致したであるとか、そういった状況証拠が欲しいところでは?・・・などと想像するのですが、上の引用中には、それはありませんし、また検索する限りでは、そういった状況証拠があったとする、他の過去記事も見られないと。(私が知らないだけかもしれませんが)

 

世田谷事件でよく引用される記事に、2002年8月8日付の読売新聞、「連載・安全メルトダウン」というものがあり、そこに以下の記述があると。

 

「侵入場所の見方も二転三転した。公園の敷地と2メートルのフェンスで仕切られた、宮沢さん宅の高さ3メートルの壁面に、縦50センチ横40センチの浴室の窓がある。現場検証で、捜査幹部は公園側のツバキの赤い花びらと小枝が散らばっているのを不審に思っていた。地面に靴跡のようなへこみもあった。網戸も、フェンス外側に転がっていた。その窓から入るのは不可能とみられていた。だが、身軽な捜査員が侵入を試みた。フェンスに上り、壁の湯沸かし器に左足を置く。窓枠を手で押さえ、右足から体を滑り込ませると、何とか入り込めた。網戸を外すと、同じ場所に落ちた。

(2002年8月8日、読売。ググれば全文出ます)

 

ここにも、「捜査員がやってみたら、中2階風呂窓から入れた」との記述はありますが、侵入口を中2階風呂窓一択とする証拠が見つかった、との記述は見られないと。

 

もしかすると警察は、中2階風呂窓を侵入口とみなせる状況証拠を持っていながら、例の、「犯人しか知りえない~」の理由から、それをマスコミにリークしていないだけかもしれませんが、さすがにそのあたりまでは、部外者にはうかがい知れないです。

 

侵入口を中2階風呂窓一択とする証拠が見当たらない中で、自分的に重視しているのは、

 

「(中2階浴室の)小窓の網戸が外れて、落下していた」(『真犯人に告ぐ!~』)

「網戸も、フェンス外側に転がっていた」(読売記事)

 

この部分でした。

 

ちなみに上の読売の記事中には、「(警察が実験で)網戸を外すと、同じ場所に落ちた」という記述があるのですが、宮澤家の壁とフェンスの距離は90cmあるので、網戸が外れて落ちれば、普通はフェンスの宮澤家側に落ちると思われ、外れた網戸が90cm向こうのフェンスを飛び越えフェンス外側(ポッポ公園側)に落ちるということは考えにくいのでは?・・・という理由から、私は読売記事のその部分に限っては「誤情報では?」と思うのですが、

いずれにしても、中2階風呂窓の網戸は外れて、落ちていたらしいと。

 

この、「落ちていた網戸」については、さらに気になる情報があり、それは、この網戸は読売記事でいうように「フェンス外側に転がっていた」のではなく、

 

「フェンス外側(ポッポ公園側)に立てかけられていた」

 

というものであり、これはぜひ、

 

「世田谷一家 網戸」

「世田谷一家 網戸 フェンス」

 

などで画像検索してみてほしいのですが、

私も、そこで検索にかかる画像を---2014年12月28日に放送されたテレ朝特番のCG画像や、中2階風呂窓あたりを調べ中の鑑識の画像を---見まして、

 

「外された網戸は、フェンス外側(フェンスのポッポ公園側)に立てかけられていた」

 

というのは、おそらく、事実なのではないか?・・・という印象を受けました。

 

それを裏付けるかのように、警視庁公式資料に掲載されている写真にも、それ(フェンスに立てかけられた網戸)っぽいのが写っていると。

 

世田谷一家殺害事件

(警視庁公式資料より、水色矢印の先が中2階風呂窓、ピンク矢印の先が給湯器、赤矢印の先にフェンスに立てかけられた四角い網戸のようにもみえるもの。撮影時期が不明だが、わざわざフェンス前に四角いものを立てかけているところを見ると、やはりこれは、事件発覚直後に撮られたか、あるいは後日に撮影されたとしても、フェンスのポッポ公園側に立てかけられていたという網戸の状況を再現したうえで撮影された、そう見てよいのではないかと)

 

動画でも、「フェンス外側に立てかけられた網戸」を確認できるものがないか、探してみると、

 

https://www.youtube.com/watch?v=swC7FueBQc8

(開始35秒あたりから右下注目、全画面表示おすすめ)

 

世田谷一家殺害事件

(上の動画より抜粋、赤矢印の先に四角い物体)

 

この映像は、事件発覚直後のそれで間違いないと思いますが、宮澤家裏手フェンスのポッポ公園側に、四角い何かが立てかけられているように見える、そして、それが立てかけられている位置は---撮影角度的にわかりにくくなっているのですが---宮澤家と入江家の境のちょうど前あたり、つまり、警視庁公式資料のそれとほぼ同じ位置なのではないかと。

 

こうした状況から、自分としては、

 

「中2階風呂窓の網戸が外れ、フェンス外側(ポッポ公園側)に立てかけられていた」

 

というのは、事実であるとして考えてみたいと。

 

ではその、

「外れた網戸が、フェンス外側(ポッポ公園側)に立てかけられる」

という状況がいつ生じたのか、

それは、侵入時に生じたのだろう、

いや、逃走時にこんな風に、

いや、犯行とは関係なく、第三者の手によってこんな風に、

いや、自然現象で・・・等々、すでに様々に言われており、

それぞれに可能性があると思うのですが、

 

そこは、難しいことは考えず、

細かいことは抜きでいいのではないかと、

犯人の侵入時に、犯行の流れの中で、その状況が生じたということでいいのではないか、

などと単純に思うわけです。

 

では、侵入時にいかにして「網戸外れ」「フェンス立てかけ」が生じたのか、

その時の状況を想像してみると、

 

「まず、犯人が2mのフェンスをよじ登り、風呂窓の網戸に手を伸ばし、それを外した。犯人は、外した網戸をフェンス上からポッポ公園側に投げ捨てようかと思ったが、投げ捨てれば大きな音がするかもしれないと考え、念のため、網戸を手に、2mのフェンスからいったん降り、フェンスのポッポ公園側に網戸を立てかけ、もう一度2mのフェンスをよじ登って、風呂窓から侵入した」

 

という流れも、あり得なくはないと思いますが、「わざわざ網戸を手に、いったん2mのフェンスを降り、網戸をフェンスに立てかけてから、再びフェンスをよじ登った」という状況はわかりにくく、この点、「網戸外れ」「フェンス立てかけ」という一連の流れが、犯人一人によって行われたとみるよりは、

 

「犯人が外した網戸を、下で受け取り、フェンスに立てかけた者がいたのではないか・・・」

 

そう見るのが、流れとしては自然に思えると。

 

世田谷一家殺害事件

(樹木なども描かれていない、簡単すぎる図ですが、宮澤邸を東側・スケボー広場の方角から見ると、おおむねこの感じ。宮澤邸とポッポ公園の間には、それを隔てる2m約1.8mの高さの金網フェンスがある。そのフェンスと宮澤邸の壁との距離は約90cm、ここはつまり幅90cmの小道になっているわけで、人が通ることができる。水色は中2階風呂窓、ピンク給湯器、黄色が網戸。給湯器は、図のように風呂窓の真下ではなく、実際はもう少し手前寄りです。いずれにしても、もともとは風呂窓についていたはずの網戸が、図のように、フェンスのポッポ公園側に立てかけられていたという。これが事実とすれば、この状況がどのようにして生じたか、ということになるが・・・)

 

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 上の記事をアップ後の2019年4月に、ポッポ公園側にあったとされる「網戸」に関する「追記(その1~その5)」をアップしました。

その中では、ポッポ公園と宮澤邸を隔てるフェンスの高さを、2mではなく180cmとして考察をしています。

詳しくは、2019年4月の、「世田谷一家殺害事件・網戸の件での追記(その1~その5)」をご参照ください。