北海道旭川市・佐藤智広君(13)行方不明事件・その2(家出?) | 雑感

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北海道旭川市中1男子行方不明事件


家出、という見方がある。


しかしテレビ等で伝えられる失踪時の様子を見る限り、少なくとも計画的な家出であったとは、私には思えない。


計画的な家出、というのは、私の感覚では


「さっき思いついた」

「きのう思いついた」


というようなのは「計画的」とは言えないのであって、少なくとも数日~数週間前には思いつき、計画実現に向けての行動に着手していた場合をそう呼びたいのだが・・・


そもそも家出を計画していた人間が、その前夜に「テレビのチャンネル争いでブチ切れ、暴れた」というのは、変な気がする。


「どうせ出て行ってやるんだ」


そう思っていれば、姉がどのチャンネルを見ようと、母にどう叱責されようと、気にもならないような気がする。

いやそれ以上に、家出を画策している人間というのは、


「姉貴、見たいチャンネルを、どれでも見てくれw」

「かーさん苦労かけるね、肩でも揉もうか?w」


などと、いつにない不気味な優しささえ示すものかもしれない。


しかし実際の智広君は、失踪直前までチャンネルに激しく固執し、怒りで壁に穴をあけ、ゲーム機を叩き割り、母の叱責に対して全身全霊で反応していたのだった。


失踪時の服装、荷物などにも疑問が残る。


母子ともに「キレた」という激しいやり取りの末に、厳寒の夜、薄手の格好で家を飛び出しており、着替えを入れるバッグさえ持っていない。


どのみち行方をくらますことを考えていたのなら、携帯を置いていったことまでは理解できる。


しかし、金は?


所持金は千円程度、それにバスの300円券が3~4枚なのだった。


また失踪1週間前、家族3人でプリクラを撮っている。

智広君は、この時はいい顔をして笑っていた。


プリクラは画像修正が甚だしいことを差し引いても、この時の笑顔は、家出を画策している人間の笑顔とは、自分には思えなかった。

「本人にとっては最後の記念撮影のつもりだったから、満面の笑顔を作った」

という考え方もできなくはないが、そこまで穿って見る必要があるとも思えない。


では、発作的、突発的な家出の線はどうだろう?


例えば、もともと家出する予定などはなかったのだが、家だけではなく学校(部活?)でも何か精神的に疲れてしまうものがあり、また前夜の姉との喧嘩、直前の母親との口論で、溜め込んでいたフラストレーションが爆発してしまい、

「二度と帰るか!」

という発作的な気持ちとともに家を飛び出した。


北海道旭川市中1男子行方不明事件


吐く息さえ凍りそうな夜だった。


なるべく遠くへ行きたいのだが、金がない。


「金がなければヒッチハイクだ」


そう思った智広君は、偶然通りかかった一台のトラックを呼び止めた。

闇に白く浮かび上がる雪道に、トラックのアイドル音が響き渡る。


運転席に向かい、智広君は声を張り上げた。


「スミマセン!どこまで行きますか?!」


少年からの突然の呼び止めに、運転手は目を丸くしながら答えた。


「札幌だべ」


「お願いです!僕をそこまで乗せてください!」


こんなやりとりをしながら何台もの車(トラック)を乗り継ぎ、最終的に目指したのが、東京、名古屋、大阪、その他どこでもいいのだが、母親曰く


「眉間のアザは、沖縄本島の形に似ている」


ということは、このアザの形(沖縄本島に似ている)のことを家族でたまには話していたに違いなく、そうだとすると、智広君の意識の深いところには、「沖縄」という言葉の刷り込みがなされていたかもしれない。


「寒くてやってられねえ・・・」


そう思った智広君の脳裏に真っ先に閃いたのが「沖縄」の2文字であったとしても、不思議とは思わない。


しかし仮にそうだとしたら、13歳の少年が、目的地までの移動や宿泊のことで、いったい何人の大人の世話になり、そして何人の大人に対して「僕のことを黙っていてください」と口止めしなければならないのだろうか?

目的地までに接した大人たち、世話になった大人たち全員の口止めをすることなど、不可能と思われた。


「あの時に乗せてやったガキじゃないか・・・」

「あの時泊めてやった子だ・・・」


テレビで特番を放送すれば、誰かがそう声を上げる可能性は高い。


しかし智広君の場合は、有力な目撃情報は皆無なのだった。


仮に智広君が旭川市内の懇意にしている誰かの家に転がり込み、そこで数十万単位の金を借り、その資金を元手に本州以南の都市を目指した場合であっても、あるいはまた釧路や根室あたりにたどり着き、そこで頼み込んで北洋漁船に乗り込み、ベーリング海でスケトウダラ、ニシン、ズワイガニ等の漁を手伝っているとしても、さらにはまた日本を飛び出して、台湾、中国、ロシア(北方領土、ウラジオストック)、アメリカあたりを目指した場合であっても、事情は変わらない。


「そこに至るまでの、国内での有力な目撃情報が、一切ない」


という不自然さは残る。


ただ、不自然で不思議なことでも、普通に起きてしまう世の中だった。


発作的に家出をし、どこかで暮らしている可能性は、決して低くはないと思う。