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耳鳴りの原因には

 

①風邪などの炎症によるもの

②加齢に伴うもの

③ストレス

④外傷

⑤メニエール病

⑥聴神経腫瘍

⑦脳梗塞

 

などかなり沢山あります。

 

検査は、聴覚テスト、耳鏡、場合によって頭部MRI(聴神経付近のみ撮影する方法がある)を行います。

 

脳神経内科疾患では、多発性硬化症や髄膜炎でも耳鳴りが起きることがあります。

 

ストレスによる耳鳴りは、なぜ起きるかというと、自律神経の調節障害といわれています。


耳の神経を栄養する血管は非常に細いためストレスで血管が収縮すると、血流が低下するためです。

 

また、熱中症などでも一時的にきーんという耳鳴りがあると思いますが、これは体がSOSを出して、血流が低下している!電解質バランスが狂っている、といっているのです。

 

また、外傷、これは、長時間のイヤホンの使用や大きな音でおきます。

 

このように、原因、といわれるものはある程度あげられていますが、実は、耳鳴りがおきる仕組みは詳しくはわかっていないようです。

 

加齢によって聴力が低下すると、脳がそれを補おうとして、音と大きくしようとするため脳が過敏になっているのでは?という説が有力です。

 

慢性に経過する耳鳴りは難治性のことが多いです。

 

空気の振動として、音が伝わり、鼓膜を通り、有毛細胞に伝わり電気に変換して脳に伝えることで私達は音がきこえています。

 

そのどの部位が障害されても、耳鳴り、難聴は起きます。

 

ドックの外来でも中高年の方のお悩みのところに、耳鳴り、と書いてある方が3割程度、おられます。

 

その方に、”病院は受診されましたか?”と聞くと、


耳鼻科に言ったら、老化だって言われた”と、だいたい怒った感じで返答があります。

 

いつも思うのですが、この「老化」という言葉、なんとかならないかな・・・と。

 

なんだか、”年とっておきた症状だからしょうがないだろ” と言われている感じがして、私自身も不快に思います。

 



老眼になっておもうのですが、”老眼で、近くのものや、小さい字が読めない”というのはなぜか自虐的に言えるのに😂

 

医師から ”老化ですね” ときっぱり言われると、なんか嫌な気分になるの、わかります。

 

なので、私は、別の言い方をしています。

 

”耳鳴りは、長年使ってきた有毛細胞という音を脳に伝える細胞の数が減ってしまうために起きるといわれています”と。

 

すると

 

老化です、と言われたと、怒っていた受診者さんが

 

”へえ、そうなんですか。耳の細胞が減るんですねえ。その細胞はもう増えないんですか?”と対話ができるのです。

 

”老化ですから仕方ないです” と言われると、対話になりません。

 

今わかっている限りの耳鳴りの原因を正確にお伝えし、細胞は減ってしまうと再生しないことをお話します。

 

そして、治療としては、音響療法といって、耳鳴りと同じ周波数の音楽を聞いて脳をトレーニングする方法などがあることをお伝えします。

 

なんでもかんでも、”老化”という言葉で片付けず、一緒に考える姿勢が医師には必要ではないか?と思うのです。