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みなさんは、「香害」という言葉をご存知でしょうか?
「香害」とは、化粧品や香水、合成洗剤、柔軟仕上げ剤などに含まれる合成香料(化学物質)のにおいによって、不快感や健康への影響が生じることをいいます。
臭いの感じ方は、個人差があり、臭いの成分である化学物質に対しての反応もそれぞれです。
私は、化学物質過敏症ではないのですが、夫にいわせると、臭いを感じるのが早いようです。
あ、〇〇の臭いがする、といって、夫が、は?っとなっていますが、夫もしばらくして、ほんとだ、という感じです。
過敏ではないのですが、それでも診察をするとき、衣類から香る「柔軟剤の強い香り」は苦手だなと思います。
病院に受診される方の中には、お風呂入ってなくて、すごい臭いの人もいますので、その刺激臭に比べたら、よい香りがするほうがいいのですが・・・
それでも限度というものがあります。
そもそも、そんなに柔軟剤に香りつける必要ある?と疑問です。
CMで ”5つ星ホテルの香りがおうちに♥” とか言ってますが、は?なんだそれ?と思って、毎回ちょっとイラッときます。
好きな女優さんのCMなのに、一番いやなCMです。
香りだけ5つ星ホテルにしてどうすんの?
まずは家の有り様でしょ?と思います。
だいたい、5つ星ホテルなんて泊まったことある人、どれくらいおるん?と思いますし。
私は一回もありませんので、それがどんな香りか知らないですが、CMの言葉に騙されてはいかんです!!
そして、この強い柔軟剤の香りに苦しむ人も一定数います。
私の外来では、香害や化学物質過敏症に苦しむ方は、てんかんの方、片頭痛の方が多いです。
脳の過敏性と関連しているように思います。
においというのは、嗅神経が感じるのですがこの神経は非常に古い神経です。
人間や動物が、食べ物が、安全かどうか、火事などの危険がないか、敵が近くにいないか、そういった確認をするために、嗅神経は発達したと考えられます。
そして、この嗅神経は、扁桃体にも情報を伝えています。
”昔付き合っていた人がつけていた香水に匂いをかいだ瞬間、彼のことを思い出す” のは扁桃体の情動反応と海馬の連携といえます。
このように、香りは脳への影響も強いといえます。
香害の状態が長引くと、化学物質過敏症となり、さまざまな化学物質に対してアレルギー反応や頭痛、めまい、動悸、倦怠感を起こすようになります。
衣類の香りは、清潔なせっけんの香りでよくないですか?と思うのです。
柔軟剤という、化学物質まみれで、危険な成分や未知の成分(企業秘密で、詳細が書いてないこともある)で、なんでわざわざ衣類を油膜コーティングしないといけないのでしょうか?
油膜コーティングしたら、吸水性、おちますし。
そもそも、それが原因で病気になったり苦しんだりしている人がいるのですから、少し配慮が必要なのではと思います。
今日も、散歩していたら、どこかのお家の洗濯物から、強烈な柔軟剤の香りが風に乗って運ばれてきました。
タバコの煙のほうが100倍嫌ですが、せっかくの、雨上がりの森のいい匂いがかき消されてしまうな、と残念でした。
強い香りをつけるよりも、清潔感が大事!と思います。
病院や、長い時間、閉鎖空間に滞在する場合(役所や映画館、新幹線、飛行機など)に行かれるときだけでも、自分の衣類や香水の香りには注意いただいたらと思います。