いつもお読みいただきありがとうございます😊

 

先日の記事のコメント欄に

 

”専門医にみてもらえない不利益、不安”ということを書かれた方がおられました。

 

なるほど、と思い記事にいたしました。

 

専門医は、医師側のイメージとしては

 

取得しておいた方がもちろんよいが、なくても勉強を続けておられる医師もいる、ということです。

 

専門医は、下にあげるように、ものすごく多くの診療科があります。

 

またサブスペシャリティ(脳神経内科はサブステに分類されています)も含めると50以上はあります。

 

 

 

 

サブスペ分野

 

 

そして、その科目ごとに、合格率が違います。

 

まず、専門医試験をうけるには、内科の場合は、内科認定医(最近廃止され、新制度に移行)が必須です。

 

また、専門医を受験する資格は、その科に所属して5年目以上、など、それぞれ異なります。

 

なので、若い先生は、いくら優秀でも受験資格がなく専門医を持っていないことになります。

 

専門医は、大昔は、取得が非常に簡単な科目もありました。

 

何年か、その学会に所属していればとれた時代もありました。

 

なので

 

大昔に取得した先生と


30代で取得したばかりの先生とは試験が全く違うのです。

 

当然

 

今のほうが医療が進歩しているので膨大な知識と経験が必要で難しいわけです。

 

また、専門医は、医師免許と異なり

 

「5年に1回程度の更新が必要」なのです。

 

この「更新」が、これまた科によって全然違います。

 

今回調べたのですが

 

症例報告、手術報告を200例しないといけない科もあれば

 

更新条件が明記されていないもの(会員しかみることができないため)もありました。

 

私が取得している、脳神経内科専門医は、現在は学会への出席による単位取得で更新が可能です。

 

しかし、数年以内に、オンラインでの学習単位が必要になるようです。

 

また、私が一昨年、更新した総合内科専門医は、5年に1回、試験があります。

 

この試験は、内科すべてにおいて出題され正答率と、学会参加の単位で更新します。

 

このように

 

一口に、「専門医」とっても、実に様々です。

 

専門医を持っていても、それは、

 

”専門医を取得するときには、試験のためにめっちゃ勉強しました。なので合格しました” という証拠にすぎない。

 

そう思っています。

 

つまり

 

医師の本当の価値は、もっている資格とか、学位や、出身大学によらないと思います。

 

それよりは、専門医を取得したあとも、慢心せず勉強しているか?が大事です。

 

それを確認するには、どうしたらよいかというと

 

医師に、ご自分から質問してみて、その医師が最新の診断方法や治療を知っているか?を確認するという方法があります。

 

新聞記事などには、新しい治療方法や、研究結果がのっていることがあります。

 

私も外来で実際、患者さんに聞かれて、”新聞にはそんなことものってるんだ”と驚くこともあります。

 

自分の科の領域については、最新の情報を取得するため、勉強していますが、足りてないなと思うこともあります。

 

ただ、それを自覚しているからこそ、少しずつですが日々、勉強しています。

 

こんな例があります。

 

先日、長年当院に勤務されていた、某大学の教授が今年、退任されました。

 

もちろん、学位、専門医は複数お持ちで、ある専門領域の研究では権威といわれていました。

 

その先生の外来を、非専門医の若い先生が引き継ぎました。

 

勉強熱心な、その若い先生は、引き継いだ患者さんのカルテをみて

 

”なんて古い治療・・・なんていい加減な診断だ”

 

と考え、1人1人、1から患者さんに説明し、治療を組み立て直しています。

 

このように、非専門医でも、熱意と、患者さんを思う気持ちがあれば、専門医に匹敵するすばらしい診療をしてくれます。

 

肩書だけではく、本当のその医師の実力と、人柄を見極めることが大事だと思います。