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先週から、同僚医師にがっかりした記事や、聴かない医師のこと、理不尽に怒る医師のことを書いています。
今、毎週みているドラマがあります。
「院内警察」というドラマで、外科医と、院内警察とのメンバーの1人との確執や、病院内部の汚職などについて取り上げられています。
緊迫感もありつつ、”こんなことが起きているのか?”と時に驚くような内容です。
原作は漫画だそうです。少し大げさな表現や、いや、こんなことはあんまないけど?というような話もありますが・・・
その中で、先週の放送は衝撃でした。
それは、”生活保護者を反社会的勢力などが利用して、儲ける”という内容でした。
具体的には、生活保護者に対し、反社会的勢力や、犯罪組織が、”病院で、睡眠薬、安定剤をもらってこい。そうしたら報酬をやるから”と指示して、患者さんのふりをしてそういった人を受診させるというものでした。
そうして手に入れた、睡眠薬、安定剤をSNSを使って、違法に売りさばくのです。
ドラマではある正義感の強い、若い内科医がその患者さんを診察します。
医師:”今日はどうされましたか?”
患者:”眠れないから、薬をください。できるだけ多くください”
医師;なぜ眠れないか、どうしてなのか診断せず、お薬はだせません。
すると、生活保護者の患者さんが、突然キレて医師をナイフで刺してしまいます。
若い医師は、そのまま入院、傷は治りましたが、精神を病み、休職してしまいます。
その医師の上司である先生はそのことに大きな責任を感じ、”彼が刺されるくらいなら、そして他の医者が犠牲になるくらいなら、俺が、安易に薬を出す医者、と宣伝してその罪をかぶろう”と決意する・・・という悲しい内容でした。
こういった話は、実は以前から、他の病院の先生から聞いたことがありました。でも映像として見たことでドラマとはいえ、強いショックを受けました。
以前勤務していた病院でも、患者さんに逆恨みされた外科医が、刺されたことがありました。
その先生は、ごく普通の先生で、横柄でも無責任でも無礼でもなく、冷静で、まっすぐ本当のことをいう先生でした。
その医師を刺した患者さんは、発見時ステージⅣの癌で、手術ができる状態ではなかった肺癌の男性でした。
先生を刺した理由は”この医者が、手術しねえっていったからだ!!”でした。
病院は本当は怖い場所です。
病院は、セキュリティー対策が全くできていません。
院内交番は、全国に実在します。
また今勤務している病院にも、大学にも、警察官のOBがおられて、クレーム、患者の暴力などのときにはかけつけてくれました。
でも、未然に防ぐシステムは皆無です。
監視カメラはありますが、事件は一瞬でおきます。
金属センサーもなく、どんな人でも病院は出入りできます。
何を持ち込んでもわからないのです。
医者に変装した人が、盗撮や、盗みなど、犯罪を犯すこともあるそうです。
白衣をきれば、それだけで医療従事者のようにみえます。
病院の入口にはガードマンと私服の警備の方がいますが、診察室は、女性のMAさんと自分だけです。
よく考えると非常に危険な職場です。
私も、若い時はセクハラも何度か経験しました。
が、全部自分で対処しました。(詳しくは書けませんが😂必殺技を使いました)
クレーム対策の部署にいたときは、本当にいろんなことがありました。
もし、今回の放送のように、こんな形で患者さんのフリをした人に裏切られ、医師も薬を処方したとかで、罪に問われたら、医者なんてやっている意味ないんじゃないか?と医師人生に絶望してしまうと思います。
ドラマの放送の最後では、精神を病んで休職していた若い先生が復帰されるシーンがありました。
決して理不尽な要求には屈しないというまなざしでした。
同じことがおきなように、医療従事者を守る体制も必要だと思った放送回でした。