コロナ感染後の長引く咳について | シンプルライフを送りたい女医の気付き

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先日夫と私のコロナ感染後の症状について書きました。

 

 

 

 

 

その後、私は相変わらずなんともないのですが夫はまだ咳がでます。

 

少しの気温差、会話などでゴホゴホと出始めます。かなり頻度は減っていますが、発症からも7週もたつのに、本当にやっかいな病気です。

 

この咳嗽について調べていたところ、Cough hypersensitivity syndorme(CHS)という概念があるという記事を見つけました。

 

一般に咳は、急性咳嗽は3週間未満、遷延性咳嗽は3週以上8週未満、慢性咳嗽は8週以上をいいます。

 

咳嗽はスコアをつけて評価するのですがそのスコアはVASスケールといいます。

症状の程度を評価したら次は原因検索です。

 

喫煙、先行感染の有無、喘息関連、咽頭のむずがゆい感じ、逆流性食道炎の有無、ACE阻害薬(高血圧の薬で副作用で咳があります)鼻汁、後鼻漏などさまざまな原因を検索します。

 

このような検索を行っても不明な場合、CHSが考えられるというのです。

 

CHSの定義は、低レベルの温度、機械的、化学的刺激を契機に生じる難治性の咳嗽を有する臨床症候群、とされています。

 

これにCOVID19後の患者さんが一定数あてはまるそうです。

 

病態として考慮されているのが、迷走神経などの、咳嗽に関連する知覚神経の過分、中枢神経の関与がいわれているそうです。

 

このため治療としては、通常の鎮咳薬ではなく、ガバペンチンや、プレガバリンといった神経に作用する薬で症状が緩和されることがあるそうです。

 

ただこういったお薬は、脳神経内科、脳神経外科、あるいは麻酔科以外、整形外科で主に使用しているため一般の先生では使用されないかもしれません。

 

ガバペンチンは抗痙攣薬ですし、プレガバリンは疼痛を制御する神経に作用する薬です。

 

ただ、あまりにコロナ感染後の咳嗽がひどい場合は、こういった薬剤の使用も検討いただけるとよいかと思います。

 

副作用として、眠気やふらつきがありますし、アレルギーをお持ちの方は使えないかもしれないですので医師とご相談ください。