頭痛外来を通して、現代の医療を考えました | シンプルライフを送りたい女医の気付き

シンプルライフを送りたい女医の気付き

日々の診療や、友達、家族との会話や、本、自分の経験から得た自分なりの気付きを書いていけたらと思います。



みなさんは頭痛はありますか?

 

私の、脳神経内科外来に受診される方で、パーキンソン病の次に多い病気が頭痛です。

 



頭痛には以下のようなものがあります。

1:筋緊張性頭痛(肩こりや歯軋りなどが要因)

2:片頭痛(女性に多く、家族歴があり、低気圧や月経で悪化)

3:脱水による頭痛

4:低髄圧性頭痛(交通事故後などに起き、起き上がると頭痛が起こる)

5:副鼻腔炎

6:クモ膜下出血などの脳が原因の頭痛

7:頚椎のゆがみなど姿勢による頭痛

8:マスクによる頭痛

 

まだまだありますが、このように複数の原因があります。

頭痛の原因は、一人の患者さんにつき一つではなく複数あることもしばしばです。

 

最近多いと感じるのは

PC作業を1日していて、肩こりがあり、またマスクを着用していて耳付近の痛みがあり、また、自分の吐いた息をマスク内で吸うことになり二酸化炭素が増えて肩こり頭痛と片頭痛が悪化されている方です。

また、忙しすぎて、水分摂取が不足し、血液の粘稠度が上昇したり、血圧が低下することで起こる頭痛です。

 

このように、頭痛の原因は多岐に渡り、また、その方のライフスタイル、仕事、睡眠環境、歯や鼻腔の状態などの問診と診察が必須です。

 

なので、”頭痛があります”と受診をされた際に、”では、鎮痛薬、だしておきますね!頭のCTやMRIには異常がないので、そんな心配いりませんよ”という診療では、治らないと思います。(よく別の診察室から聞こえてくる言葉です)

 

結果、”せっかく勇気を出して受診したのに、頭痛くらいで、って感じの対応された。鎮痛薬のめばいいなら毎日飲めばいいや”となり、こうして薬剤乱用性頭痛が完成します。

 

こういったケースは、担当している人間ドック外来での受診者さんからもよく聞きますし、自分の外来でもよく聞きます。

 

受診された患者さんに、きちんと向き合って、一緒に病気の原因を考える。


相手に関心をちゃんと寄せること、こういった気持ちがなければ、画像上異常ないので、病気はないです、と診断する医師ができあがってしまうと、憂慮しています。