大山信介(おおやましんすけ)
「とある町の小説家、ある事がきっかけでミエナイモノが見えてしまう」
黒塚治虫(くろづかおさむ)
「白い帽子とスーツの男、ボロボロな黒いフード付きコートを羽織っている」
霧島知依(きりしまともえ)
「大山信介の助手、家事・洗濯・料理全般の事をこなせる女性」
坂本勘九郎
「連続猟奇殺人事件を追う敏腕刑事、煙草を常に持ち歩いている重喫煙者」
ナレーション
信介
治虫
知依
勘九郎
ナレーション
ナレーション「雨の中、車を走らせていた男は現場は向かっていた」
坂本勘九郎「ったくよ!なんだってこんな雨の中走らなきゃ行けねえんだ」
(通信機)仕方ないだろ、今動けるのはアンタしかいないんだ
坂本勘九郎「はいはい分ぁったよ畜生!」
ナレーション「現場に着いた勘九郎は現状確認を行い死体に近付いた」
坂本勘九郎「車で走行中の男性が正面に人が倒れてるとの報告を受けて来てみれば」
(警察)名前はアラキマコト25歳男性、死因は…
坂本勘九郎「死因は何だ?んまぁ調べてみら分かるか」
ナレーション「坂本は死体に近付き調査した、するとある事に気付く」
坂本勘九郎「…ん?外傷が見当たらねえ」
(警察)この近辺には凶器や殺害に使ったものは見当たりません
坂本勘九郎「犯人はどうやって男を殺した?」
(警察)坂本刑事!この雨の中では捜索は困難です!
坂本勘九郎「うぉし、引き上げるぞ!死体は向こうで調べる」
間を開ける
大山信介「…(あくび)知依ちゃーん、コーヒー入れてくれない?」
霧島知依「はいはい、原稿の方は進んでますか?」
大山信介「これーぽっちも」
霧島知依「はぁ…これじゃあ会社から資金が来ませんよ」
大山信介「まぁ…そのうち書くよ、散歩してくる」
間を開ける
ナレーション「信介は公演のベンチに座ると後ろから」
黒塚治虫「人間は愚かで弱い生き物だ…だが虫は良い…自由に空を舞う」
大山信介「そうかい?確かに愚かだが人間が居るからこそ今の町があり、平和がある」
黒塚治虫「理解し難いな…人間は…」
大山信介「そういうもんさ、ところで君は?…アレ?」
ナレーション「振り向くと男は居なくなっていた、一方で坂本勘九郎は」
坂本勘九郎「んで、なにか分かったか?」
(解剖医)腹部の中に虫が巣食ってました
坂本勘九郎「虫だぁ?」
(解剖医)はい、見た事の無い種類の虫です
坂本勘九郎「なんだぁ?こいつぁ…ん?待てよ…この虫…どこかで…」
黒塚治虫「蛹を破り…蝶は舞う、どこまでも自由に…」
坂本勘九郎「思い出した…奴か…奴がッ!!!オイ!本部に連絡しろッ!!!」
間を開ける
黒塚治虫「スコルフスキーモルフォ、世界で最も美しい蝶、だが君は罪を犯した…!
この蝶に相応しくない罪を…だから…殺されても良いよね?…フフフフ…」
ナレーション「翌日、町の隅で体中大きく腫れた死体が見つかった」
坂本勘九郎「2人目か…何箇所か刺された跡があるな…蜂か?」
(警察)鑑識に調べた所、キオビクロスズメバチの毒でやられたようです
坂本勘九郎「聞いたことねえ名前だなぁ」
(警察)異国の地方で生息している猛毒の蜂だそうです
坂本勘九郎「何にしろ…生かしちゃ置けねえ…逮捕だ…?生け捕りだぁ?全国指名手配でこの町で2人も殺してんだ…死刑にするくれぇならこの手で始末してやる…!」
(警察)さ…坂本刑事?
坂本勘九郎「確か武器庫に猟銃かライフルあったよなぁ?」
(警察)坂本刑事…まさか!
間を開ける
大山信介「さて…書くかな…」
霧島知依「ようやく書く気になったかい」
大山信介「あぁ、ようやく書ける…」
霧島知依「楽しみ…出来たら読ませてね?」
大山信介「おう!一番先に読ませてやるよ」
坂本勘九郎「邪魔するぞ、先生」
大山信介「うぉ…これはこれは…警視庁のお偉いさんがこんなボロ家になんの御用で?」
坂本勘九郎「この男を捜している、名前は黒塚治虫、コイツに心当たりはあるか?」
大山信介「…?いや、無いが」
坂本勘九郎「恍けるんじゃねえぞ青二才が白い服の男が黒い着物の男と話していると通行人の目撃情報が上がってんだよ」
(被せる)(胸ぐらを掴む)
霧島知依「ちょっとアナタ!」
大山信介「知依ちゃん、大丈夫!大丈夫だから…」
坂本勘九郎「あ…?」
(警察)坂本刑事!まずいですよ!一般人に手を上げるのは!
坂本勘九郎「…チッ!行くぞッ!!!引き上げだ!」
(警察)はっ!
霧島知依「ちょっと大丈夫?信ちゃん」
大山信介「大丈夫大丈夫…てかやっと名前で呼んでくれたね…知依ちゃん」
霧島知依「こんな時に何言ってるの、心配したんだから!」
大山信介「はいはい、ありがとね」
間を開ける
黒塚治虫「オオカバマダラか…ほら、飛んでお行き…自由にどこまでも…」
坂本勘九郎「見ィつけたぞ黒塚ァァァァァァッ!!!」(小走りながら銃を向ける)
黒塚治虫「君はゴキブリの様にしつこいね…ほら…飛んでゆけ」
(黒い虫を飛ばした)
ナレーション「男が引き金を引こうとした瞬間、銃が暴発し男の顔の半分が大火傷を負った」
坂本勘九郎「アァ…ァァァァァァッ!!!」
黒塚治虫「クロカタゾウムシ、ゾウムシの仲間で頑丈な虫だ、ここで発砲とは君らしくない」
坂本勘九郎「クロ…ヅカァァァ!待ちやがれええええッ!!!」
黒塚治虫「さようなら」
間を開ける
大山信介「ふぅ…疲れた…知依ちゃん、デートしない?」
霧島知依「何を言うかと思えばデートでs…デート!?」
大山信介「そ!デート、どこが良いかなぁ…と言っても町歩きしかなさそうだけど」
霧島知依「そうですね…カフェなどはどうでしょう」
大山信介「決まりだね、行こう」
間を開ける
霧島知依「ここのコーヒーって結構美味しいんですよ、昔よく来てました」
大山信介「そうなんだ!へぇ…意外だねあの知依ちゃんが」
霧島知依「意外とはなんですか意外とは」
大山信介「っははは!まぁでも、君が幸せでよかった」
黒塚治虫「フッ…アレクサンドラアゲハの様に美しい光景だね…素晴らしい」
大山信介「アンタか…ここに居て大丈夫なのか?またあの刑事さんが捕まえに来るぞ?」
黒塚治虫「少し細工をしてね…彼の首元にニセハナマオウカマキリと餌を仕込ませておいた、彼が私に危害を加えようとするとニセハナマオウカマキリが餌を狩り首が裂けるようにね…」
大山信介「へぇー…そりゃあ凄い、ん?お!噂をすれば」
坂本勘九郎「ハァ…ハァ…クロ…ヅカァ」
大山信介「おいおいおい…ありゃあ猟銃か?こんな町中で撃つつもりか!?」
坂本勘九郎「黒塚ァァァ!死ねえぇッ!!!」
(銃で発砲した)
大山信介「うぉッ!!!あっぶな!知依ちゃん、大丈夫?」
霧島知依「はい!大丈夫です」
大山信介「よかった!おい!虫男さん」
黒塚治虫「なんだい?」
大山信介「アンタが言ってたニセ…なんとかは?どうなったの!」
黒塚治虫「あぁ、あの虫(こ)ね!…もうすぐだよ」
坂本勘九郎「死ね…!死ねえ!死ねぇぇええッ!!!」
ナレーション「男が銃を撃っているしているその時」
坂本勘九郎「死ねぇぇええッ!!!…ッ!カッ…ァァ…」(首から血が噴射して倒れた)
間を開ける
大山信介「あの刑事さん、退職して銃を盗んでアンタを追っかけてたらしい、幸い負傷者も死者も出なかった」
黒塚治虫「それならよかった、この虫も腹を満たせて満足だ」
大山信介「んじゃあ俺らはこの辺で失礼するよ、アンタはただの殺人鬼じゃなくて悪党を狩る男だって覚えとくよ」
黒塚治虫「フッ…ではさようなら」
間を開ける
大山信介「知依ちゃーん、居るー?」
霧島知依「居ますよー、ご飯出来てますよー」
大山信介「お!美味そうだなぁ、いただきます!」
霧島知依「信ちゃん、あのね?」
大山信介「ん?」
霧島知依「私、信ちゃんに出会えて良かったよ…」
大山信介「…(飲み込む)俺もだよ」
霧島知依「じゃあ…そろそろ…行くね」
大山信介「あぁ…あぁ!」
霧島知依「…(涙)バイバイ!信ちゃん」
間を開ける
ナレーション「その1週間後」
大山信介「…よし!完成した、タイトルは…虫だ」
間を開ける
黒塚治虫「これは鈴虫の鳴き声の音だ…心が安らぐ…このままゆっくり寝ていよう」
Fin