先日、友人のYさんからランチに誘われ、近くのレストランへ。

  彼女は私が大学研究室で勤めていたときに、別の学科の事務室で働いていた人。私より5歳年上だが、元気いっぱい。外出好きでいつも自転車で走り回っている。

   ランチの最中に「明日、これ行かない?」と見せられたのがこのパンフ。

 

   私は古い建物が好きなので即OK。・・・・・・って、古い物が好きなだけだが。(自分も充分に古いけど)

   藤沢や辻堂の古民家は知っているつもりだったが、こんな近くに“月山堂滴水庵”なる建物があったとは。

  私の家からは自転車で15分くらい、Yさんの家からは徒歩10分だ。

   辻堂というところは入り組んだ街で、よく知らない所を歩くととんでもない場所に出る。だから私が地図を見ようとすると、「私、分かるから大丈夫」とYさんが言う。

   彼女は天然ボケなところがあるので心配していると案の上、袋小路に迷い込んだ。

 

   それでもなんとか到着。

   “滴水庵”は新興住宅地の中に1300坪もあって、道路から引っ込んだ路地に正門があった。

 

   滴水庵には国の有形文化財が3つあり、この正門がその1つ。

 

    下の写真は門の裏側。門の名前は“不老門”。

  10月には和歌山で“不老橋”を渡ったが、もう私には手遅れ!

 

   主屋 有形文化財 

   主屋は京都にあった“紫明庵”を大正初期に、三井財閥の益田孝が鵠沼の別荘に移設。  

  それを表具師の故高橋氏が譲り受け、昭和35年に現在の地に移築。

  築150年くらい。

  滴水庵は通常は門を閉めている。今回も建物の中には入れず。

 

 

   玄関の左側をまわると茶室。

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   庭に行くと大勢の人が野点のお茶の席についていた。お茶を点てているところも見えないし、これでは風情がないのでお茶はパス。

 

   待合 これが3つ目の有形文化財。

   なんか今にも壊れそう。よくぞ先日の台風で飛ばされなかったこと。

   奇想に富む数寄屋の構成って書いてあるけど、凡人にはワカラン。

 

   庭からみた主屋。

 

   主屋の左の縁側できれいなお姉さんがお琴を弾いていた。久しぶりで琴の音を聴く。     曲は20年前のヒット曲・kiroroの「未来へ」。お琴での演奏もなかなか良いものだ。

 

   庭の隅に行くと山の中にいるよう。

 

   さて、主屋の庭からかなり下った所に池があって、その周りでライブがあり、蕎麦等が売られている。外からだと、こんなに段差がある土地には見えないのに。

 

   この下に降りる坂は手摺がないし、細いし、滑り落ちそうで、臆病な私は降りるのが怖くてへっぴり腰。

   すると前をスタスタ降りて行くYさんが降り返って、大丈夫?と手を差し伸べる。

   私より5歳も上の婆さんに助けられてたまるか、でも怖いと思っていると、手を取ってくれたスーツ姿の若い紳士あり。

   勿論、すぐさまその手に縋りつき、無事に坂を降りたのは言うまでもない。

   見れば、この会を後援しているイケメン県会議員のM氏。ライブ前の挨拶のために降りてきたようだ。

 Yさんの羨ましがることと言ったら。

 

   池の側にはこんな塔が。これは昭和の中期に建てられたものらしいが。

 

   湘南の歌姫、小桜舞子のライブが始まる。

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   1曲だけ聞いて、滴水庵を後にする。

 

   このあたりは、10年程前はこの様な畑ばかりだったのに、新興住宅がたくさん建っているのに驚いた。

   この塔も静かな環境が一変して嘆いているかも。