エッチングとワックスカービング | 作りたいモノしか作らない、売りたい人にしか売らない

ほとんど更新しないのに毎日そこそこの閲覧数があるんです。

その多くは「エッチング」を検索して辿り着いていただいた方です。

もともとエッチングに興味を持って始めたのは、自分のチームのネーム入りプレート(キーホルダー)を作りたかったからなんです。

ただ一つこだわりがあって、ステンレスで作りたかったということなんです。

来る日も来る日もネットで情報を調べたんですが、出てくるのは真鍮や銅のエッチングの情報ばかり。

エッチングには全く関係のない金属メーカーさんに、ステンレスの特徴や特性まで問い合わせしました(笑)。

基礎的な知識を得た後は、実験と試行錯誤あるのみ。
※興味のある方は過去ブログを参照ください。


十数回の実験も、結果的に満足のいくものができませんでした。

ロゴは認識できるものの、腐食する深さが足りなかったんです。


あれだけ毎日のように熱中していたのに、そこで興味は途切れてしまいました。
※私の悪い癖でもあります。


話は変わってワックスカービング、モデリングのお話。

これを始めたのは、どうしても作りたいデザインのリングがあったんです。

これも素材はステンレス。

ほとんどは銀での鋳造なのですが、ステンレスを鋳造してくれるところを見つけたのがきっかけです。


やりだすと、とことん凝り性で熱中してしまう私です。これも悪い癖の一つですが‥‥。


まずはロストワックスから鋳造に至るまでの作業工程を勉強しました。

一通り知識を得たところで実践です。

元々彫金には興味がありましたし。


道具を使う作業で完成度を上げるためにはそれなりの道具は必要だという考えなので、道具を揃えることから始めました。

電動ルーターと、ワックスカービングに必要な先端工具。

カービングするのに必要なナイフやスパチュラ。

仕上げに必要なヤスリや電動ルータ用のバフ。


結構お金もかかりました。


ワックスを削り始めて気づいたこと。

彫刻の技術がないんです‥‥(笑)

何回も何回もワックスを作り直して、まだまだ完成度は低かったんですが、試しに鋳造に出してみました。

ロストワックスからの再現度は全く問題なく、ステンレスで綺麗に上がって来ました。
問題はワックスの完成度が低いこと。


当然ですよね。
彫刻の技術なんて簡単にレベルアップはできません。

諦めはしませんでしたが、少し疲れました(笑)
※この辺りも興味がある方は過去ブログを参照してください。


エッチングもワックスもしばらくやってませんでした。
※エッチングは再開する予定はありませんでしたが。


休んでいるわずか数年で出てきたのが金属3Dプリンターです。

ナイロンやプラスティック系の素材で出力する3Dプリンターは2万円を切る価格にまで下がって来ましたが、金属素材を使った3Dプリンターはまだ安い民生機はなく、そういうサービスを提供している会社にお願いすることになります。


そこで私は、何年もかけて彫刻の技術を磨くより、パソコンのアプリケーションを習得した方が早いなと考えました。


早速3DCADアプリケーションの勉強を始めたのですが、Illustratorなどが使えたということもあって、予想以上に理解できるまでが早かったです。

本格的に勉強し始めて2ヶ月足らずで簡単なものは作れるようになりました。


エッチングで作ろうとしたプレートも、作りたかったリングもデータ化することができました。



調べていくうちに、ロストワックスに使える素材で3Dプリンターで出力できる素材があるのも知りました。


3DCADデータを金属3Dプリンターで直接出力、造形もできますし、3DCADデータをロストワックス素材で出力して鋳造に回すということもできます。


3Dプリンターが2万円を切った中、3DCADアプリが使えれば色々な制作に活用できることは間違いありません。


何と言う幸せな世の中になったんでしょう。