ロストワック/鋳造 その1 | 作りたいモノしか作らない、売りたい人にしか売らない

いよいよ一つ目のリングを鋳造に出すべく作業しています。

道具が揃っても、それを使いこなす技術がまだありません。

もう5つくらいは練習で作ったでしょうか。


まずはチューブワックスをケガくという作業があるのですが、ケガくというのは簡単に言えば線を引くことです。

切り取る為の線や目印を加工物につけます。

ケガくための工具は対象物によって色々と種類があります。
 


この写真のは主に木やプラスチック用で、ワックスにも使えます。


鉄やステンレスにはもっと硬い材質のものを使います。
(上段左と下真ん中は金属用)


作るリングの幅より2~3ミリ大きくケガき線を入れて、ワックス用ノコ切りでカットします。

私のような素人には真っすぐ切ることは難しいので、マイターボックスというガイドを使いました。
これを使っても真っすぐ切るには少しコツがいりますが。

 

 

 


次に自分の指のサイズに穴を大きくしていきます。

リーマーという専用の工具を使います。

 

 

 

 

 

縦に刃が付いていて、ぐるぐると回しながら内径を削っていきます。

自分のものは指にはめて合わせながら削ればいいのですが、他人のもをを作る際にはサイズを計る工具も必要になります。
 

私のリーマーにはサイズも書いてるのですが、サイズ表記のないものもあるので、これは必須の工具ですね。


次に実際の出来上がりのガイド線をケガいていきます。

 

 

曲線はディバイダーやカニコンパスを使って線を引きます。


次に出来上がりの大きさになるように糸のこやヤスリを使って削っていきます。

糸ノコ刃もワックス用のものを使います。

 

 

 

 

 

ヤスリは木工やプラスチック用のものを使います。

プラスチック(プラモデル)用は削った面の仕上がりが綺麗です。
 

 

出来上がりのサイズを確認しながら削るのですが、一番下のはスライディング・ゲージやキャリパーと呼ばれる厚みを測るためのゲージです。

ガイド付の直尺はケガくときにも大変重宝します。
 

 

これは面出しの時に使う波目ヤスリという特殊なヤスリです。

 

 

これはワックス専用やプラスチック用ですが、スキー・スノーボード用にも同じ目のヤスリがあるので代用できそうです。


専用の工具は結構高いんです。特に日本製は。
なので私は海外通販で買ってます。

物によっては5分の1くらいで買えます。
ただ、やはり品質は日本製には劣ります。

そういう品質の悪いものや使いにくいものは自分でカスタマイズします。
いい道具でも、更に自分が使い易いように改造するというのは大切なことです。

これは目立てヤスリという特殊なヤスリで、のこぎりの刃が切れにくくなったりというのを削って補修する為のものです。

 

 


私はディバイダーの先を鋭利に研いだり、スパチュラの先を研磨するのに使ってます。


今回のデザインは上部にパーツを付けるので、取付け用の穴を開けます。


まずは電動ルーターで開けたのですが、電動ルータは直径3mmまでのドリル刃した取付けられないので、更にハンドドリルで6mmに拡張します。

 

 


これで形は出来上がりなので、最後にチェッカリング加工を施します。

まずはガイドになる線をスプリング・ディバイダーで等間隔に入れて、後は地道に1本ずつチェッカリング用の刃で彫っていきました。
 

 

 


これで出来上がりです。

最終仕上げに表面をベンジンで磨いて細かい傷を消します。


壊れないように厳重に梱包して、鋳造メーカーに発送します。


初めてのロストワックスによる鋳造。

どんな出来上がりなのか楽しみです。